理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

【補足:分割出願の効用】日本でのSTAP細胞特許出願が分割出願により継続されていた

 
 特許の実務は難しくて、理解しづらいですが、それでもネットで探っていくと、今回の分割出願の意味がなんとなくわかってくるような気がします。
 多数のサイトで解説されていますが、2つのサイトをご紹介しておきます。
 
 分割出願のメリットはいろいろあるようですが、おそらく、下記の解説のアンダーラインを付した点が、今回のSTAP特許出願の狙いなのではないかという気がします。
 ポイントは、
 
  拒絶理由通知を受けたのでその請求項を削除はするが、諦めたくない場合に分割出願で出願し直す。
  当初の特許請求の範囲には請求項として設定されていないが、明細書や図面に記載されている発明について、分割出願をする。
 
 今回のSTAP特許出願でも、当初の出願で拒絶理由通知を受けて請求項を削除しましたが、それを復活させて継続して争うということと、Oct4細胞塊を作製する方法は当初の出願の明細書や図面に含まれていたとして新たに請求項を立てて出願するということかな・・・と思いました。
 専門家の方に解説をお願いできると助かります。

※ 出願書類をみると、いったん元の出願と同様の「多能性細胞の作製方法」で出すと同時に手続き補正書を出して、「Oct4発現細胞塊の作製方法」に補正して請求項を1~18記載しています。
 
 いずれにしても、STAP特許出願は、日本でも実質的に継続されることになりましたので、米国での審査と並行して、注視されるところです。
 
+++++++++++++++++++++++++++++++++++
 
ささら知財事務所HPより
 
分割出願とは?
 分割出願というのは、特許出願に複数の発明が含まれている場合に、そのうちの一部の発明を権利化の対象として提出された新たな特許出願です。
 
 分割出願をすると、その出願日は、実際の出願の日ではなく、元の特許出願の日であるとみなされます。これを出願日の遡及といいます。また、分割出願の件数に制限はなく、分割出願をさらに分割する手続(孫分割)をすることも可能です。
 
 「複数の発明が含まれている」と言えるケースは様々です。
 一番わかりやすい例は、元の出願の特許請求の範囲に複数の請求項が設定されている場合に、それらのうちの一部の請求項を分割するケースです。
 
 たとえば、各請求項の発明を1つの出願にまとめることが認められなかった場合や、一部の請求項のみに拒絶理由が通知された場合には、認めてもらえそうにない請求項を削除する補正をしますが、削除した請求項の権利化をあきらめたくない場合には、その請求項を分割出願として出願し直す方法がとられます。
 
 当初の特許請求の範囲には請求項として設定されていないが、明細書や図面に記載されている発明について、分割出願をする場合もあります。このような分割出願は戦略的に行われることが多く、元の出願の請求項に設定した発明よりも上位の概念の請求項を設定する場合もあれば、その反対に、明細書に記載された具体例に特化した概念の請求項をたてる場合もあります。
 
 分割出願は大変便利な制度ですが、出願をすることができる時期には制限があります。審査により一度拒絶理由が通知されてしまうと、その後は、明細書等を補正することが認められているときでなければ、分割出願をすることはできません。また、分割出願の書類には、元の特許出願の書類に記載されている範囲の事項を逸脱した内容を記載することはできません。
 
 補正をすることができる時期のほか、拒絶査定の謄本を受領してから3ヶ月の間(拒絶査定不服審判の請求が可能な期間)や特許査定の謄本を受領してから30日以内にも、分割出願をすることが認められています。しかし、これらの場合には、元の特許出願の当初の書類に記載されている内容であっても、補正により削除してしまった事項については、分割出願に反映させることができません。審査の過程で、補正後の請求項に関係ない内容だからと、明細書や図面を必要以上に削除するような補正は避けた方が良いと思います。
 
 審査により分割出願の記載内容が分割の要件を満たしていないと判断された場合には、その出願は通常の特許出願であると認定され、出願日の遡及効果を得ることはできなくなります。
 
知財アシストHP
 
分割出願の活用を考える
 分割出願とは、1つの出願の書類の中に複数の発明が記載されている場合に、それらの中の一部の発明を抜き出して元の出願とは別の出願にする手続を言います。
 
 技術的特徴に共通の関係があると認められる発明は、発明毎に請求項を設定することによって、1つの出願にまとめて権利化することができ、そうする方が費用の節約にもなる、という利点がありますが、その思惑どおりにはゆかないことも結構多いと思われます。
 
 たいへん大雑把ですが、下図により、発明Aと発明Bという2つの発明を含む出願を想定して分割出願のオーソドックスな事例を説明してみます。ここでは、発明Aを請求項1、発明Bを請求項2として1件にまとめて出願をしたが、請求項1には拒絶理由が通知され、請求項2には拒絶理由がないと判定された、としています。
 
 このような場合、下手をすると、審査が長期化し、その結果、最後まで拒絶理由を解消できずに共倒れになってしまうおそれがあるので、図示例では、拒絶理由が通知されなかった請求項2を残し(手続としては請求項1を削除して請求項2を請求項1に繰り上げる。)、請求項1を別の出願に移行させる、という策をとっています。許可してもらえる発明Bについて特許を受け、問題のある発明Aも分割出願により存続させて「次の一手」を講じる、という戦法です。
  元の出願は、拒絶理由が解消したことにより、特許されます。
 
 分割出願の方では、元のままの請求項ではまた同じ拒絶理由を通知されてしまうので、拒絶理由の内容をふまえて請求項の記載を見直します。その見直しによって前回の拒絶理由が解消し、他の拒絶理由が見つからなければ、分割出願でも特許を受けることができます。
 
 分割出願には、分割の元となった出願と同じ時に出願されたものとみなされる(出願日の遡及効)、つまり元の出願の日から分割出願の日までの間に出願された他者出願より先に提出されたものとして取り扱われる、という利点があります。
 
 また、上の事例のように、もともと請求項が設定されていた発明を分割するものに限らず、明細書本文や図面の記載に基づき新規の請求項を設定して分割することもできます。元の出願の請求項とは技術的特徴に共通の関係がないと思われる発明であっても、明細書本文や図面に記載されているのであれば、それを分割して特許取得を目指すことができます。
 
 原出願の書類に確かに記載していると言えるかどうかの判定が難しい場合もありますが、事業活動にとって有用な技術に関しては、戦略的に活用することにチャレンジして良いと思います。うまくすれば、一つの出願から複数の特許権が生まれる可能性が生じます。また元の出願についてちょっと戦略を誤ったときに軌道修正ができる場合もあります。

日本でのSTAP細胞特許出願が分割出願により継続されていた


 hidetarouさんから教えていただきましたが、確かに、日本の特許庁で分割出願がなされていました。

  出願番号は 2018-117481

 ですが、元の出願サイトに、「分割出願」のタブがありますので、そこから辿れます。

■ それで、これはこういうことのようですね。
 昨年6月20日に拒絶査定不服審判請求がなされた際に記事を書きましたが、そこのコメント欄で「分割出願は、同時になされる必要がある」とのご指摘がありました。そして、元出願サイトに記載されるはずだとのことでした。

 その後、2018年7月10日に、拒絶査定不服審判が取り下げになりましたが、その時点ではまだ、分割出願がなされた旨の記載が、元出願サイトにはなく、その後も7月末時点でも、まだなかったので、日本での出願は断念したもとのと思っていました。
 
 分割出願がなされたのは、たしかに6月20日で、拒絶査定不服審判請求がなされた際に同時に出願されています。それが、サイトに反映されるまで、相当のタイムラグがあったということなのでしょう。
 とはいえ、それをその後フォローしなかったのは迂闊でした。
 hidetarouさんのおかげで、分割出願がなされたことがわかりました。有り難うございます。

■ さてそれで、今は時間がないので、また別途補足したいと思いますが、「参照可能書類リスト」のなかの14番の「上申書」をみると、趣旨がわかります。
 「多能性細胞の生成方法」を、「Oct4を発現する細胞を含有する細胞塊を生成方法」に補正するとともに、拒絶理由だった
 「Oct4発現細胞塊を生成するという発明の技術内容が、発明の詳細な説明において明確かつ十分に記載されているとはいえない」
 との指摘に対する反論をしている形です。

*****************************
(中略)

また、本件出願人は、旧請求項1を補正しました(新請求項1)。具体的には、「多能

性細胞を生成する方法」との表現を、「Oct4を発現する細胞を含有する細胞塊を生成

する方法」へと変更しました。本補正の根拠は、例えば、旧請求項28、明細書段落[0

019]の図16の説明部分、[0083]、[0148]、[0149]、[0155

]~[0164]、[0191]~[0193]、[0195]、[0200]、図16

等の記載に見いだされます。加えて、本件出願人は、請求項1において、「ストレス」と

 の用語を「低pHストレス」へと補正し、且つ、当該低pHが、「5.4~5.8のpH

であり」、さらに、「pHの調整がATPを用いて行われる」との発明特定事項を盛り込

む補正を行いました。本補正の根拠は、例えば、旧請求項13、16、明細書段落[00

66]、[0067]、[0155]、[0174]、[0175]、[0186]の表

3、図5等に見いだされます。

 

 また、本件出願人は、旧請求項2及び旧請求項51を補正しました(新請求項2及び1

6)。具体的には、「多能性細胞」との文言を「細胞塊」へと変更する補正を行いました

。本補正は、例えば、本願明細書の段落0019の図16の説明部分、[0191]~[

0193]、図16等の記載に基づきます。或いは、本願明細書においては、「細胞塊」

は「球状コロニー」又は「動物カルス」とも称されており、当該別称での根拠記載は、例

えば[0149]等にも見いだされます。

 

 また、本件出願人は、旧請求項46を補正しました(新請求項15)。具体的には、本

請求項に係る「アッセイの目的」を明確にする趣旨において、「該細胞塊の生存能、分化

、増殖の1つ以上に影響を及ぼす薬剤を同定するための使用のための、」との文言を盛り

込む補正を行いました。本補正は、旧請求項46に従属していた旧請求項47の発明特定

事項を、旧請求項46に盛り込むものです。

 

 さらに、本件出願人は、新請求項17及び18を追加する補正を行いました。まず、新

請求項17は、本発明を、Oct4遺伝子の発現誘導の観点において表現するものです。

また、新請求項18は、本発明をOct4遺伝子発現細胞の製造方法の観点から表現する

ものです。これらの補正の根拠は、例えば、明細書段落[0083]、[0148]、[

0149]、[0155]~[0164]、[0190]~[0196]、[0200]

等の記載に見いだされます。

 

 従いまして、本件出願人が行いました特許請求の範囲の補正は、いずれも願書に最初に

添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内でなされたものであ

って、新規事項を追加するものではないと思料いたします。

 

 従いまして、本補正は適法なものであると、本件出願人は確信いたします。

********************************

■ということで、日本での特許出願も、米国での出願内容に合わせたようで(?)、引き続き審査が続いていくということになったようです。欧州も分割出願をする旨の申告がなされています。
 米国では、拒絶理由通知に対する意見書が提出されましたので、引き続き日米での審査の行方を注視したいと思います。

 

 

4 STAP細胞問題基本資料・総合リンク集4(2018年12月現在)...


■桂調査委報告関係(2)

FES1に関するマウス系統の齟齬について】
佐藤貴彦「F E SI は本当にF E S Iだったのか(『STAP細胞 事件の真相』より抜粋)
和モガ氏「STAP細胞事件」-ES細胞FES1の再調査について理研への要望書
 要望書提出(2018.6.30)   
 ②理研回答(2018.7.31) 
    ・「適切に調査したものと認識しており、ご要望の再調査をする考えはありません。」)
  ・和モガ氏電話照会「ES細胞FES1の再調査が難しいのであれば、129129X1なのかを電話で
問い合わせてほしい。」
理研「大田先生に聞くか聞かないかを含め検討した結果、そういう回答になっています。」
 ③再要望書提出(2018.9.30) (後半青字部分)
 ④理研回答(2018.10.1) 
  ・「再調査を行う考えはありません。」


【桂報告書に(行うはずだった)遺伝子発現解析結果が記載されていないことについて】
和モガ氏の問題提起
  ・理研コンプライアンス本部への口頭照会結果(②の箇所:2018.7.31回答に関連して)
  和モガ氏「遺伝子発現解析はやったのか、やらなかったのか?」
  理研「それについてはお答えしない。」

○Ooboe氏/パートナー氏の問題提起
    (2014.6.29 竹市雅俊センター長名)
    (6月16日若山第三者機関解析結果を受け、今後の解析方針と解析概算計上を定め和光の
      理研本部会議において、正式に承諾された解析方針文書)
   (テラトーマに関するパラフィンブロック解析の資料15枚のみ

  ※ 関連研究?
-多能性維持に関わるとされるncRNAiPSでは十分に発現せず-
-ジャンクDNAから転写されるRNAの新しい機能を発見-

明けましておめでとうございます―備忘的に数点


明けましておめでとうございます
 今年もよろしくお願いします。

 いくつかメモっておきたいと思います。

1 情報公開関係
 Ooboeさんとhidetarouさんには、結果をご紹介いただき有り難うございます。

■共同研究協定書の件 

>理研より連絡があり、共同研究の規定により、契約書を作成している
>はずだと伝えたのですが、文書がないので共同研究だったのかさえわからないとの事。

  国際共同研究である旨は自己点検報告書に明記され、客員研究員(=共同研究実施のために受け入れる者)として発令しているわけですので、共同研究として位置付けている根拠があるはずです。
  受け入れ当初は、キメラ作成のための技術的支援が目的だったとしても、費用分担や成果物の扱い等の取り決めなく受け入れや研究の実施ができるはずがありません。
  本当に文書がないのであれば、文書保存期間が経過しているか、理研CDBとしてではなく研究室間での取り決めだったか、それとも本当に実務的にアバウトだったのか、のいずれかではないでしょうか。
  こういう研究室間の共同研究の場合の取り決めの一般的進め方がよくわからないのですが、研究室間での取り決めに留まることもあるのでしょうか・・・?(そうであれば、理研もそう説明してくれればいいと思いますが・・・)

 ただ、いずれにしても、共同研究契約自体が目的ではなく、もともとは、重要残存試料である「ホルマリン漬けのSTAP細胞由来のキメラマウスの胎児と胎盤」や「胎盤の切片」等の帰属と所在を追求することが目的でしたから、またそちらの追求に戻るということかと思います。

■遺伝子発現解析の件

>non-codingRNA解析書なども調査委員会に提出されていなければならないはすです。
>竹市方針通り解析実施されなかったか? 実施したが、結果報告しなかったか?

 ご指摘にように、普通は感じられますね。
 竹市所長による検証計画では、(2014年3月の研究成果を踏まえた)遺伝子発現解析その他の解析は、「ES細胞とiPS細胞の区別を可能にする」とあり、それがES細胞STAP細胞の区別も可能にするだろうとの予測に立って、そのように記載しているものと、受け取れます。

 >竹市方針通り解析実施されなかったか? 実施したが、結果報告しなかったか?

 との和モガ氏が以前から提起されている問いに、理研として正面から答えないままに、「適切に行われた」と漠然と突っぱねるのでは、桂報告書への疑問は消えることはないでしょう。
 その頑なさが、かえって疑念を増幅させています。


2 FES1の出所の件/諸々の理研の拒絶的対応

■桂報告書での解析の鍵のひとつであるFES1については、以下の点が疑問として提起されている一方で、理研は、和モガ氏からのFES1に関する再調査要請には応じていない状況かと思います。

「FES1については、報告書での記載、日経サイエンス等での大田氏の証言、パートナー氏の情報公開請求結果等を総合的に踏まえれば、理研の調査チーム員からの若山氏への依頼に基づき、京大・大田氏から山梨大・若山研経由で理研が取り寄せたものと認められる。

 他方、大田氏のFES1のマウス系統は129+Terとされている一方で、桂報告書を基にした理研解析チームによるネイチャー論文では、FLSのマウス系統は129X1であることが判明した(日経サイエンス2015年3月号記事では、遠藤氏もFLSはやはり129X1と予測したとある)。
 そうであれば、FLS=FES1との桂報告書の前提が崩れることになる。

 大田氏のFES1のマウス系統は、(毛色が異なる以上)129+Terで間違いないだろうから、取り寄せ経路の中で大田氏のFES1ではないものが、理研調査チームに送られたのではないか?との疑問が生じる。
 もともと若山研は、調査対象当事者であった以上、小保方研と同様、(若山研全体とはいわずとも)関係試料については理研から山梨大に要請を行って、隔離して確保するのが筋だったはずであり、理研・若山研時代の研究成果だから若山氏経由で依頼するとしても、試料そのものは理研に直接送ってもらうようにするのが適当だったと考えられる(他は、直接(若山研を経由せずに)取り寄せている)。
 そのような問題がある中で、FES1に関するマウス系統の齟齬という、調査の根幹に関わる問題が生じた以上、改めて、大田氏からFES1を直接取り寄せて再確認がなされる必要がある。」

■これを含め以下の点について、理研は、「再調査は必要ない」「調査は適切に行われた」と、個別の議論に立ち入らないままに入り口で回答を拒絶する、あるいは説明しようとしないというところが、ますます疑念を増すことになっています。
 よほど立ち入ってほしくない機微な論点なのだろうと思われても仕方ありません。

 ・「STAP細胞由来のキメラマウスの胎児と胎盤」や「胎盤の切片」等の重要試
   料とされていたはずの試料が解析されていないだけでなく、帰属と所在さえ不
   明のまま。
 ・FESのマウス系統に関する齟齬に関する疑問(=大田氏から取り寄
    せたものだったのか?)が解消されないまま。
 ・行うはずだった遺伝子発現解析がなされているかいないか不明のま
  まで、なされていたとしても報告書に反映されていない。

 「行政不服審査」による申し立ては、「行政処分」が対象ですが、「再調査を要請する」「報告書の撤回を要請する」といった要請に対する拒否回答は、行政処分ではありませんから、客観的には不服申し立ての対象にはならないと思います。
 「行政相談」制度も、こういう科学的判断に関する事案はなじまないような気がします。

 ですから、なかなか埒があかないまま推移するかもしれませんが、いつまでもそれで持つかといえば、持たないでしょう。公的な場にいずれ持ち込まれたら、今のような木で鼻を括ったような応答では持たないということは、理研もよく理解していると思います。


3 特許出願関係

■欧州特許庁での手続き
 昨年11月7日、最初の形での出願への拒絶理由通知に対する出願者からの聴取が、予定されていましたが、キャンセルされています。

 これは、10月30日付けで、分割出願されましたので、それが理由と思います。
 米国での出願パターンに欧州でも変更されたということで、改めて、分割出願に対する審査がなされるということかと思います。

■米国特許庁での手続き
 昨年7月7日に、補正後の出願に対して、拒絶理由通知がなされて以降、特に変化はありません。
 おそらく、6ヶ月の期限ギリギリで応答するものと思います。
 その応答では、がん細胞における酸刺激によるOct4出現とどう違うのか?の説明がなされるものと思います。
 それが審査官に対して説得的なものであれば、可能性が出てくるのかもしれません。


4 小保方氏の『あの日』の翻訳版への期待

 ずっと書いていますが、『あの日』の翻訳版を作って、Kindleで世界に発刊してほしいところです。
 昨年9月に、朗読したオーディオブックが発刊されています。

 朗読したということは、やはりあの手記は渾身の思いで執筆したものでしょうから、やはり本命は英語での翻訳版の出版だと思いますし、小保方氏には、その能力、意欲ともにあると思います。
 『日記』の中でも、講談社の編集者氏からの話に対して、「是非実現を望む」と書いていたかと思います。

 日本は、情けない話ではありますが、やはり外圧が大きく影響します。おかしいと思っても自らできないまま、外圧で事態が動くこともしばしばです。
 田中角栄の金脈研究も外国プレスが取り上げて初めて、ああいう展開になったのが典型例です。
 海外に訴えれば、いろいろな反応も出てくるでしょうし、それが結果的に、小保方氏の研究者のとしての活動の場の確保にもつながっていくと思います。
 期待したいと思います。


 

STAP細胞研究は「国際共同研究」として自己点検委報告に明記されている ー共同研究協定書「不存在」回答はおそらく別の理由

 
 楠本英正さんが、「がんばれ~~」のサイトにアップされている情報開示請求結果の文書をみると、理研とハーバードとの間の、STAP細胞に関する共同研究契約、協定などはなかったとの「不存在」との回答になっています。
 その理由がどういうものか、いくつかの可能性は考えられますが、STAP細胞研究は、ハーバードからの申し出に基づく理研との「国際共同研究」として理研で位置付けられていたことは間違いありません。
 
理研内部の「自己点検検証委員会」の検証結果の報告書が20146月に出ていますが、


 この報告書については、改革委報告書のベースとなったものであり、その検証結果には多々問題があると思いますが(その点については以前に集中的に書きましたが)、ハーバードと理研の共同研究の実施や小保方氏の関わり方(身分)の複雑な変遷について、時系列で詳細に整理していますので、頭の整理の上で助かります。
 時として、小保方氏と若山氏が、その時々でどういう身分での関わり方なのかが混乱するときがありますが(石井調査委報告後の懲戒委のメンバーは、混乱する以前にその経緯を知らずにいたわけです)、この自己点検委報告書の付属資料は、基本資料としていつでも参照できるようにしておくと便利です。
 
この報告書を、「共同研究」の用語で検索すると、16件ヒットします。そのうち経緯については、p20 に以下のように書かれています。

*********************************
(2)CDB 若山研究室 客員研究員として在籍
2010 5 C.バカンティ研究室の小島氏から若山氏(ゲノム・リプログラミング研究チーム)へ共同研究の打診
2011 4 月 若山研究室の客員(客員研究員)として本格的な共同研究開始
*********************************
 
「客員研究員」というのは、以前書いた下記記事の「解説」部分をご参照いただければと思いますが、


 理研の「客員規程」には、次のように書いてあります。
 
***************************************
2
(2)客員研究員  研究所と大学、研究機関、民間企業等(以下、「研究機関等」という。)
との研究協力協定、共同研究契約等に基づき、当該研究課題等を遂行する者
***************************************
 
 ですから、共同研究遂行の上での客員研究員として受け入れている以上、「研究協力協定、共同研究契約等」があると考えられるわけです。
 
今回、「不存在」理由による不開示決定がどういう理由によるものなのか、頭をひねるところがあります。国際共同研究やるのに、研究費・人件費、知財の分担・配分や研究期間等について何も決めずに行うとは常識的に考えにくいですし、「客員規程」にも、受け入れの前提として、「研究協力協定、共同研究契約等に基づき」と規定されているわけです。
 
情報公開の事務は、機械的なもので、忖度はされませんから、それにドンピシャはまらなければ、不存在になる可能性は十分考えられます。「帰属リスト」が「不存在」で回答された件と同様の話です。
今回、考えられるとすると、次のようなことがあるのかもしれません。③の可能性が高いような気がします。
 
① 文書保存期間が経過している。
② 共同研究スタート当時は、「STAP細胞」という言葉はなかったので、それに関する共同研究契約・協定等はない。
③ 共同研究の名目が、「キメラマウス作製のための技術的支援」といった類いのものだった。
④ 理研とハーバード間の契約ではなく、バカンティ研と若山研との契約だっった。
 
『あの日』P62以降に書かれている経緯をみると、当初は早稲田・女子医大からハーバードへの留学生としての身分で、たしかに「技術的支援」との名目での共同研究だったと思いますが、同じく『あの日』p81以降の、卒業してポスドクとなった後、バカンティ教授から、「ハーバードの身分は変えないでほしい」との要請を容れたのちの若山研での共同研究は、もう少し踏み込んだ研究内容だったと思います。同じp81に、若山氏が「せめて少しでも長く僕のところで実験できるような、言い訳を考えましょう」と言ったとあり、その後、若山研にすぐUターンして改めてバカンティ研からの客員研究員として戻ってきて、研究を継続したという流れです。
若山氏が考えた「言い訳」も反映した共同研究の協定書なり覚書の類いが作製されたとみるのが常識的だと思います。さもないと、何も契約上の根拠がない人間が身分証を発給されたり、理研構内・研究室を自由に出入りするようなことはできないでしょう。
 
そういうことで、情報公開請求するとすれば、次のような特定の仕方がいいのかもしれません。
 
「平成 266 10 日付けで、CDB 自己点検検証委員会がまとめた「CDB 自己点検の検証について」のp20の「(2)CDB 若山研究室 客員研究員として在籍」の項から以降に記載されている「共同研究」に関する共同研究主体間の契約又はそれに類する合意事項を記した文書」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<参考>
 ややこしいので混乱するかもしれませんが、STAP細胞の論文投稿・発表がされたのは、小保方氏が理研に採用された後なのですが、論文内容や特許出願内容の研究がなされたのは、あくまで小保方氏が留学生なりポスドクなりで、バカンティ研に所属して理研に来ていた客員研究員としての身分の時のものです。
 特許出願も、理研採用の1年前に仮出願済みですし、採用後に出願された国際出願も、仮出願のデータに、理研採用前の客員研究員時代の研究データ(STAP細胞胎盤寄与+STAP幹細胞)を追加したものです。
 
【身分の経過】
2008-2011年  ハーバード大学(早稲田・女子医大からの留学生)(C.バカンティ研究室)
2011-2012年  ハーバード大学(博士研究員)(C.バカンティ研究室)
201331日 理研CDB採用
 
【研究の経過】
2010 5   C.バカンティ研究室の小島氏から若山氏へ共同研究の打診。
  同年 8 東京女子医大から細胞持参で若山研究室に数回訪問。キメラ作製は失敗
2011 4 月  若山研究室の客員(客員研究員)として本格的な共同研究開始
2011 11 月  STAP 細胞塊を胚盤胞に注入する方法でキメラ作製に初成功。
2012 4 24 日 米国特許仮出願
20133 1 日 小保方氏が RUL に就任。小保方研究室発足
20133 10 日  ネイチャー誌に論文2 編を投稿
2013 4 24 日、米国特許庁に国際出願(米国特許仮出願に幹細胞データ等追加)
201312 20 日 論文 2 編受理(2 回の改訂後)
20141 28 日 報道発表


『DORAのブログ』STAP細胞問題関連記事一覧(2)

続き)

 
201616

MTAの時系列について。
瀬戸内寂聴効果。
 (24

『あの日』に描かれる笹井氏。
これって、加藤研や若山研と同じパターンだよな。
 (15)

『あの日』について(とりあえず総論) (1)
ただならぬ予感(2)
 (28

 
2015
 
■2014

『DORAのブログ』STAP細胞問題関連記事一覧(1)


 DORAさんの『DORAのブログ』は、STPA細胞問題について様々なご指摘、情報提供をされており、同問題に関心のある皆さんにとっては、大変有益なサイトです。

 他方、過去の関連記事を遡って探すのが大変だものですから、記事のリンク集を勝手に作らせていただきました。漏れがないように拾ったつもりですが、もし追加したほうがいい記事がありましたらご教示ください。
 本ブログのトップページにも、この記事のリンクを張っておくようにします。

20181月~
 
2017712

「若山研のSTAP細胞研究に関する実験ノート部分...
iPS研究の行き詰まり。

若山のウソがどんどんばれてゆく。
研究室のボス・若山の要求には逆らえなかった。
 

理研は小保方氏の実験ノートの開示を拒否。
すでに韓国にも追い抜かれている(その3)。
 


201716
GLSの性別に関する解析データ(その4)。
 

BPO 「STAP細胞報道に対する申し立て」に関...
共培養に関する質問についての返信。
 (7)
共培養に関する質問についての返信。
 (7) 

 
2016712

ノーベル賞の季節。 
日経新聞、古田彩が「今さら」のような記事。
 (2)