明けましておめでとうございます―備忘的に数点
今年もよろしくお願いします。
いくつかメモっておきたいと思います。
1 情報公開関係
Ooboeさんとhidetarouさんには、結果をご紹介いただき有り難うございます。
■共同研究協定書の件
>理研より連絡があり、共同研究の規定により、契約書を作成している
>はずだと伝えたのですが、文書がないので共同研究だったのかさえわからないとの事。
国際共同研究である旨は自己点検報告書に明記され、客員研究員(=共同研究実施のために受け入れる者)として発令しているわけですので、共同研究として位置付けている根拠があるはずです。
受け入れ当初は、キメラ作成のための技術的支援が目的だったとしても、費用分担や成果物の扱い等の取り決めなく受け入れや研究の実施ができるはずがありません。
本当に文書がないのであれば、文書保存期間が経過しているか、理研CDBとしてではなく研究室間での取り決めだったか、それとも本当に実務的にアバウトだったのか、のいずれかではないでしょうか。
こういう研究室間の共同研究の場合の取り決めの一般的進め方がよくわからないのですが、研究室間での取り決めに留まることもあるのでしょうか・・・?(そうであれば、理研もそう説明してくれればいいと思いますが・・・)
ただ、いずれにしても、共同研究契約自体が目的ではなく、もともとは、重要残存試料である「ホルマリン漬けのSTAP細胞由来のキメラマウスの胎児と胎盤」や「胎盤の切片」等の帰属と所在を追求することが目的でしたから、またそちらの追求に戻るということかと思います。
■遺伝子発現解析の件
>non-codingRNA解析書なども調査委員会に提出されていなければならないはすです。
>竹市方針通り解析実施されなかったか? 実施したが、結果報告しなかったか?
ご指摘にように、普通は感じられますね。
竹市所長による検証計画では、(2014年3月の研究成果を踏まえた)遺伝子発現解析その他の解析は、「ES細胞とiPS細胞の区別を可能にする」とあり、それがES細胞とSTAP細胞の区別も可能にするだろうとの予測に立って、そのように記載しているものと、受け取れます。
>竹市方針通り解析実施されなかったか? 実施したが、結果報告しなかったか?
との和モガ氏が以前から提起されている問いに、理研として正面から答えないままに、「適切に行われた」と漠然と突っぱねるのでは、桂報告書への疑問は消えることはないでしょう。
その頑なさが、かえって疑念を増幅させています。
2 FES1の出所の件/諸々の理研の拒絶的対応
■桂報告書での解析の鍵のひとつであるFES1については、以下の点が疑問として提起されている一方で、理研は、和モガ氏からのFES1に関する再調査要請には応じていない状況かと思います。
「FES1については、報告書での記載、日経サイエンス等での大田氏の証言、パートナー氏の情報公開請求結果等を総合的に踏まえれば、理研の調査チーム員からの若山氏への依頼に基づき、京大・大田氏から山梨大・若山研経由で理研が取り寄せたものと認められる。
他方、大田氏のFES1のマウス系統は129+Terとされている一方で、桂報告書を基にした理研解析チームによるネイチャー論文では、FLSのマウス系統は129X1であることが判明した(日経サイエンス2015年3月号記事では、遠藤氏もFLSはやはり129X1と予測したとある)。
そうであれば、FLS=FES1との桂報告書の前提が崩れることになる。
大田氏のFES1のマウス系統は、(毛色が異なる以上)129+Terで間違いないだろうから、取り寄せ経路の中で大田氏のFES1ではないものが、理研調査チームに送られたのではないか?との疑問が生じる。
もともと若山研は、調査対象当事者であった以上、小保方研と同様、(若山研全体とはいわずとも)関係試料については理研から山梨大に要請を行って、隔離して確保するのが筋だったはずであり、理研・若山研時代の研究成果だから若山氏経由で依頼するとしても、試料そのものは理研に直接送ってもらうようにするのが適当だったと考えられる(他は、直接(若山研を経由せずに)取り寄せている)。
そのような問題がある中で、FES1に関するマウス系統の齟齬という、調査の根幹に関わる問題が生じた以上、改めて、大田氏からFES1を直接取り寄せて再確認がなされる必要がある。」
■これを含め以下の点について、理研は、「再調査は必要ない」「調査は適切に行われた」と、個別の議論に立ち入らないままに入り口で回答を拒絶する、あるいは説明しようとしないというところが、ますます疑念を増すことになっています。
よほど立ち入ってほしくない機微な論点なのだろうと思われても仕方ありません。
料とされていたはずの試料が解析されていないだけでなく、帰属と所在さえ不
明のまま。
・FESのマウス系統に関する齟齬に関する疑問(=大田氏から取り寄
せたものだったのか?)が解消されないまま。
・行うはずだった遺伝子発現解析がなされているかいないか不明のま
まで、なされていたとしても報告書に反映されていない。
「行政不服審査」による申し立ては、「行政処分」が対象ですが、「再調査を要請する」「報告書の撤回を要請する」といった要請に対する拒否回答は、行政処分ではありませんから、客観的には不服申し立ての対象にはならないと思います。
「行政相談」制度も、こういう科学的判断に関する事案はなじまないような気がします。
ですから、なかなか埒があかないまま推移するかもしれませんが、いつまでもそれで持つかといえば、持たないでしょう。公的な場にいずれ持ち込まれたら、今のような木で鼻を括ったような応答では持たないということは、理研もよく理解していると思います。
3 特許出願関係
■欧州特許庁での手続き
昨年11月7日、最初の形での出願への拒絶理由通知に対する出願者からの聴取が、予定されていましたが、キャンセルされています。
これは、10月30日付けで、分割出願されましたので、それが理由と思います。
米国での出願パターンに欧州でも変更されたということで、改めて、分割出願に対する審査がなされるということかと思います。
■米国特許庁での手続き
昨年7月7日に、補正後の出願に対して、拒絶理由通知がなされて以降、特に変化はありません。
おそらく、6ヶ月の期限ギリギリで応答するものと思います。
その応答では、がん細胞における酸刺激によるOct4出現とどう違うのか?の説明がなされるものと思います。
それが審査官に対して説得的なものであれば、可能性が出てくるのかもしれません。
4 小保方氏の『あの日』の翻訳版への期待
ずっと書いていますが、『あの日』の翻訳版を作って、Kindleで世界に発刊してほしいところです。
昨年9月に、朗読したオーディオブックが発刊されています。
朗読したということは、やはりあの手記は渾身の思いで執筆したものでしょうから、やはり本命は英語での翻訳版の出版だと思いますし、小保方氏には、その能力、意欲ともにあると思います。
『日記』の中でも、講談社の編集者氏からの話に対して、「是非実現を望む」と書いていたかと思います。
日本は、情けない話ではありますが、やはり外圧が大きく影響します。おかしいと思っても自らできないまま、外圧で事態が動くこともしばしばです。
田中角栄の金脈研究も外国プレスが取り上げて初めて、ああいう展開になったのが典型例です。
海外に訴えれば、いろいろな反応も出てくるでしょうし、それが結果的に、小保方氏の研究者のとしての活動の場の確保にもつながっていくと思います。
期待したいと思います。