理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

【補足】STAP細胞についての特許出願の状況(2018.6.1現在)

 
 特許出願の状況ですが、少々ややこしいいので、概要整理しておきたいと思います。

1. 発明内容、請求項の減縮補正の有無

  もともと、「多能性細胞の作製方法」で出願していたわけですが、それを、「Oct4  発現細胞の作製方法」に補正をしているかどうかで、大別されます。
  WIPOサイトに掲載されている米欧日豪加の5カ国についてみると、

 (1)補正済み
   ① 米国 
    ・2017年5月に最終拒絶理由通知
    ・2017年6月末に、出願人が審査官と面談。
    ・2017年11月に減縮補正 +継続審査請求
    ・現在審査待ち
    ・昨年6月の審査官との面談公式議事録に記載された以下の点が、どう判断
     されるのかが焦点。
     「出願人は、撤回した論文とクレームの縮減可能性について協議し、審査官は、クレーム
      の縮減具合次第で拒絶理由が解消されるかも知れないということに同意した。

   ② 日本
    ・2017年9月に減縮補正
    ・2018年2月20日 拒絶査定
    ・4か月以内(6月20日まで)に、拒絶査定不服審判請求(+分割出願、補正)
     を行う必要。

 (2)未補正(概ね、当初出願の請求項のまま)
   ① 欧州(EPA
    ・2017年6月9日付で、バカンティ教授の宣誓供述書+意見書+補正提出。
    ・2018年3月20日付で再度の審査意見(拒絶理由)
    ・出願人から面談要請があったことを受け、11月14日と指定。
    ・審査意見書の冒頭に次のように記載されている。
     "In response to you letter of June 9th , 2017 (Ref.B37583), 
       the application has been re-examined in the light of the arguments filed with the letter. 
       The Examining Division finds that the amendments and the arguments provided do not over       come the outstanding objections. 
       The ED is minded to reject the application. As the applicant has requested Oral 
       Proceedings in this case, Oral Proceedings are summoned herewith. "
  
   ② 豪州
    ・2018年3月20日付で、最初の拒絶理由通知。
   ③ カナダ
    ・2018年4月20日付で、国内移行(審査請求)。

2 出願人(権利保有者)

 (1)米欧豪加  ハーバード大B&W病院から、V-CELL社に移行済。
 (2)日本 ハーバード大B&W病院のまま。


■ こうやってみると、日本の手続きが突出して先を行っている感があります。
  カナダでは、今頃になって、当初の国際出願のままで審査請求です。

 全体としては厳しい状況ではありますが、ともかく、米国USPTOで、発明内容の補正に対する判断が出ないことには、特許出願の問題は片付かないところです。
 以下の面談の公式議事録での一文の点がどうなるのかが、依然として焦点となっています。
 「審査官は、クレームの縮減具合次第で拒絶理由が解消されるかも知れないということに同意した。

  この面談が行われた昨年6月末から、減縮補正と継続審査請求が行われた11月までの5か月間、そして必要な宣誓書の提出も1月までに行われて現在に至るまでの半年間ということで、上記面談時から1年近くが、サイレントのままで経過しようとしています。
 日本の特許庁(JPO)と同じような考え方であれば、上記の一文のような同意はなされないでしょうし、JPOとは異なる判断がなされることになるのかどうか、注視されるところです。

  もし、「Oct4発現細胞の作製方法」に補正したもので特許が認められれば、以下の点で、インパクトがあると思われるということを、縷々書いてきています。

 ①小保方氏の研究部分が特許化されるということになること
 ②その方法で今後多能性が確認される細胞が作製されることになれば、その特許
  の権利範囲に入って来ること

 ともかく、米国の動きを引き続き待ちたいと思います。