理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

STAP特許出願の動きー継続出願に際しての小保方氏の宣誓書サイン「拒否」の意味合い

注】以下の記事は、「継続出願」と「継続審査要求(RCE)」とを混同する勘違いがあり、そのため、検討内容も違ってきています。この後の訂正・補足記事をご覧ください 

   ◎ いよいよSTAP特許成立か?―宣誓書提出は特許の見通しが立った証左では?

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 コメント欄で、「宝山」さんから、STAP特許出願に動きがあったことのご紹介がありました。有難うございます。
 それで、USPTOのサイトを見てみると、28日付で、
 Oath or Declaration filed というアクションが載っています。
 
  USPTOのサイト http://portal.uspto.gov/pair/PublicPair で、
   14/397080 とアプリケーションナンバーに入力し、
   imagefilewrapper タブをクリックすると、一連の動きが表示されます。
 
このOath or Declarationというのは、いくつかのサイトで調べてみると、2012年の米国特許法改正を踏まえた手続きのようです。
 要約してみると、次のようなことのようです。
 
「米国では、特許出願する場合には、発明者が出願することが原則で、発明者全員の宣誓書が必要。しかし、発明者が死亡、出願拒否、連絡不能等の事情がある場合には、事情説明、証拠等を提出することによって、他の発明者や権利譲受人(会社等)が出願することが可能というのが、2012年の特許法改正前の制度だった。
 2012年の改正によって、譲受人自身が発明者(出願人)になれることとなった。また、発明者が死亡、出願拒否、連絡不能等の事情がある場合に必要だった事情説明、証拠等の提出が不要となり、発明者の宣誓書に変えて、出願人が代替供述書(Substitute Statement)を提出すればよいこととなった。
 継続出願の場合には、改めて発明者の宣誓書が必要となる。その場合には、上記の改正後の仕組みが適用される。その際、権利譲渡されていて、譲渡された者が継続出願する場合に、発明人がサインする義務があるのに拒否する場合も同様の手続きが適用される。
継続出願時に宣誓書が提出されていない場合には、特許庁が通知する日までに提出しなければならない。
 
 こういう制度に当てはめて考えると、昨年11月に、ハーバード大から権利を譲渡されたV-CELL社が継続出願をしていますので、改めて発明者全員の宣誓書が必要となったことになります。その際、バカンティ兄弟と大和氏がサイン、笹井氏は「死亡」、若山、小保方両氏が「拒否」、ということで、出願人のV-CELL社が代替供述書(SubstituteStatement)を提出したというのが、今回記載されているアクションということになるかと思います。


 出願の権利者は元々はハーバード大でしたから、V-CELL社への譲渡に伴い、発明者はこれを拒否できないはずです。従って、この場合の小保方氏の「拒否」というのは、「権利譲渡に同意して宣誓書にサインする義務があるのに拒否した」という意味合いのようです。
 「連絡不能」というのは、別途の分類でありますので、連絡は取れたけれども、サインを「拒否」したということなのでしょう(一定期間内に応答がなかったということかも知れません)。2012年改正によって、拒否や連絡不能等の事情を説明した書類の提出は必要はなくなりましたので、その「拒否」の具体的態様は説明する必要はなく、「連絡先がわかっていて連絡したけれども、サインが得られなかった」というものである可能性が高いのではないかと思います。
 
 この小保方氏の「拒否」の意味は、紛らわしいのですが、「発明・出願内容が真正であることの宣誓を拒否した」というようなことではなく(実際、そういうことの宣誓・供述は2012年改正によって削除され、求められていません)、上記のように、「権利譲渡に同意してサインする義務があるのに拒否した」「連絡したけれどもサインが得られなかった」というものと思われます。
 
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【参考1】「宣誓書または宣言書」
「特許出願の一部として提出される宣誓書または宣言書は、以下の要件を備える必要があります。すなわち、
署名する発明者が法律上の氏名により特定され、
その宣誓書または宣言書の指示する出願が特定され、
表記された発明者が原発明者(original inventor)であると信じる旨の陳述、および、
発明者またはその権限を授与されたものが出願した旨の陳述
を含まなければなりません(37 CFR1.63(a))。
 
 2012年規則改正により、・・・自身がそのクレームされた発明の真実かつ最初の発明者であると信じる旨の陳述・・・は不要となりました。また、自身がその出願の内容を査閲して理解した旨、および、特許性に関する重要な情報の開示義務(37 CFR 1.56)を認識している旨の陳述も宣誓項目から除外されましたが、宣誓する際には出願内容の理解および開示義務の認識が必要であることに変わりはありません(37CFR 1.63c))。
 
【参考2】
「米国特許法が2011年に改正され、発明者の宣言書、宣誓書等に関する改正部分については、2012年9月16日から施行されることになりました。この改正法が適用されるか否かによって、取り扱いが異なりますので、注意が必要です。
・・・新法が適用されるのは2012年9月16日以降の全ての通常出願、継続出願、一部継続出願、分割出願、PCTバイパス出願です。
 
(旧法適用)
米国では、発明者が特許出願をすることが基本であり、出願にあたっては原則として発明者全員がサインした特許出願の宣言書(Declaration)または宣誓書(Oath)を提出することが必要となります。しかし、様々な事情で、発明者が出願を拒んだり、発明者の死亡、不在等でそうすることが不可能な場合には、従来より、一定の条件を満たせば他の発明者、会社(譲受人)等が出願できることを認めてきました。
・・・一部の発明者が所在不明である場合、又はサインすることを拒否する場合は、残りの発明者全員がサインすれば出願することが可能です(米国特許規則1.47(a))。但しこの場合には、適切な努力をしたことの事情説明、関連事実に関する証拠、サインしない発明者についての最後に分かっていた住所を含む申請書を提出しなければなりません。
(新法適用)
前記の2011年9月16日の米国特許法改正により、上記に関係する条文の改正が行われ、出願手続自体は譲受人ができることになりましたが、宣言書等に可能な限り全発明者のサインが必要とされる点は変わっておりません。しかし、宣言書等の要件が緩和され本件ご質問のようにサインができない(死亡、無能力者、連絡不可、サイン拒否)発明者については、それらの発明者の宣言書に変えて、出願人が代替供述書(Substitute Statement)を退出すればよいこととなりました。」
 
【参考3】
2012916日にて米国法改正により宣言書の書式が変更(譲受人が発明者になれる)されているため、同日以降に出願する分割・継続出願は新たな書式の宣言書を再度提出する必要がある。」
出願時に宣言書が添付されていない場合は、米国特許庁から通知が発行される。この通知に2か月以内に応答する必要がある。
 
 
【参考4】アメリカ特許制度の改正] 7)出願人・宣誓書に関する要件の緩和
 
これまで米国における出願人は基本的に発明者でなければなりませんでしたが、今回の改正により、権利の譲受人が出願できるようになりました(§118)
また、宣誓書(oath又はdeclaration)についての要件も見直されています(§115)
(中略)
また、(1)発明者が死亡、法律上の能力がない、又はどうしても見つからない場合や (2)権利を譲渡する義務があるのに署名するのを拒否した場合には、宣誓書に代えて代用陳述書(Substitute Statement)を提出すればよいことになりました。
また、提出期間もこれまでよりも緩和されており、特許の許可通知(notice of allowance)がなされるまでに必要な書類を提出すればよいことになりました。
 
この改正事項は、2012916日以降に提出される出願に適用されます。
 
 
【参考5】USPTO's FINAL RULES on Inventor's Oath or Declaration
(1) ややこしい規則1.47を削除:
前回提案された規則1.47(発明者にサインをもらえない場合に発明者に代わってサインできる人とサインをもらえないことを証明するための理由書の書き方を規定していたが、現行の規則を大幅に簡略したものではなかった)を削除した
  今回の改訂(最終規則)によって、たとえば4人の共同発明者による特許出願の場合に、2人が宣誓書にサインを拒否する場合には、サイン可能な発明者にはPTOのフォーム1、(発明者一人づつに個別の宣誓書が必要)を使用し、サインを拒む2人の発明者にはPTOのフォーム2 (Substitute Statement) (サインを拒む発明者一人ずつ個別のSubstituteStatementが必要)を使用することで従来のように規則1.47に基づく諸事情を説明し、その証拠を提出する必要が一切なくなります。
 ★尚、上記フォーム2は、譲受人、譲受る義務下にある人、利益享受者、法的継承人、共同発明者の何れかがサインをすることで対応可能。」
 
(5)発明者死亡、法的無能力、サイン拒否、連絡不通の場合の対応を規定:
さらに、規則1.64で、(i) 発明者が死亡(規則1.43)(ii) 法的無能力者になった場合(規則1.45)、(iii) サインを拒否する場合(規則1.63)、或いは、(iv) 発明者と連絡が取れない場合の出願手続きが規定されており、発明者に代わって代替書類(Substitute StatementPTOのフォーム2)にサインする者の名前、発明者との関係、発明者の代わりに代替書類にサインをする理由を記載する(★ 上記,(i),(ii),(iii),(iv)の何れに該当するかを記載するのみ)必要がある。しかし発明者に代わって代替書類にサインをする者(★ 譲受人、譲受る義務下にある人、利益享受者、法的継承人、共同発明者の何れか)は、明細書の内容を理解し、IDSの開示義務を知っていなければならない。 さらに、代替書類において故意に偽りをする者は、罰金、懲役刑、或いはその両方が科せられるかもしれないということを認知しているというStatementを代替書類に記載することが義務付けられている。」