理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

第24回小保方晴子日記ー訴訟を躊躇する事情+リーガルチェック


 今週火曜日(1月4日)発売の婦人公論(1/23号)に掲載されている小保方氏の日記(第24回)を読みました。
 ※ 有志の会ブログでの「hide」さんのコメントをみると、元旦に届いたとありますね。定期購読にすると、かなり早めに届くようです。

 今回の日記で、明らかになった主な点は、次の2つかと思います。

(1)早稲田の学位剥奪に対する訴訟に躊躇した事情が明確になったこと。
(2)『あの日』の出版に際し、弁護団によるリーガルチェックが慎重に行われたこと。

1 早稲田の学位剥奪に対する訴訟に躊躇した事情
 これは、2015年11月17日のところに明確に書いてあります。

「三木弁護士に早稲田大学に対する訴訟について相談に乗ってもらった。三木先生は慣れていることでも、私には訴訟のすべてがとてもハードルが高いものに見える。費用のことも大きなネック。でもそれ以上に、必ず一度は私が法廷に立たなければならないといういけない、と言われたことが、今の私にはとてつもなく困難なことに思える。」

 つまり
 ① 必ず一回の出廷の必要性について、精神的に到底困難と思えたこと。
 ② 費用面での心配。
 ③ 訴訟自体に対する抵抗感。

 前回のブログ記事で、次のように書きましたが、精神面で対応できるだけの余裕がほとんどないというのが、この時点での最大の理由だったようです。

「そして、(訴訟により)早稲田の学位復活を目指すのかどうかを判断する際には、今の状況下で、労力・時間・コスト・再バッシングのリスク等を念頭においても、なお復活を目指す意義があるのか?という点が検討されることでしょう。現時点では、その意義に乏しいと判断されてもおかしくはありません。」

2 弁護団によるリーガルチェック―人名掲載と表現

 全編を通じて弁護団にリーガルチェックコメントをしてもらった、とあります(11月21日付)。法的な問題から訴訟提起可能性まで含めてだそうです。
 片山弁護士からの意見が一番慎重で、表現や人名を出すかについても、一番の安全策を提示してくれたが、そうなると「内容がぼやける気もする」と小保方氏は書いています。そして、
「慎重派と過激派で原稿への意見が割れている。・・・講談社の顧問弁護士の意見を待つことになった。」(11月27日付け) 
講談社の顧問弁護士からのコメントが待ち切れず、これまでのコメントをもとにできる限り書き直してベロニカさん(=編集者)に送った。」(12月2日)
 とあります。

 最終的にどういう弁護団の意見が反映されたかは、今回は書かれていませんが、改訂作業締切が11月27日だったそうなので、上記の小保方氏判断による修正でファイナルとなったのかもしれません。
 ある程度、片山弁護士による「安全策」が反映されたような気がします。

 発行された『あの日』を見ると、問題となり得る局面で登場する人名としては

○若山研については、実質的には若山氏のみかと思います(+大日向氏)。
理研側は、
 ・竹市氏(自己点検委員会報告書取りまとめ段階(2014年5月)での小保方氏による資料提出の却下/その他過程全般)
 ・川合理事(マスコミへのリーク者等さまざまな内情について小保方氏に内話)
 ・遠藤氏、大日向氏、林氏(仕組まれたES細胞混入ストーリーへの関与
○学者としては、以下の2人に名前を出して批判的に言及してはいますが、相手も実際に述べたことですから、小保方氏には反論しようがない記述ぶりになっています。「活き活きとしたバッシング」という表現が、学者たち全体への総括的批判となっているかと思います。
 ・日本分子生物学会 大隅理事長(声明)
 ・九大中山教授(落書きレベルとのコメント)

■読者側から見て、カギを握ると思われる人物の人名は明記されていません。
例えば、次のような人物です。

① 川合理事や事務方幹部から、リークしている人物と名指しされていた者
② 桂調査委員会に小保方氏が若山研での研究実態の証拠資料を提出しようとした際に、助言という名の検閲を行い、削除した「とても信頼していた」者
③ 若山氏がこのままでは訴えると言われて「慌ててMTA書類を出してきた」ことを小保方氏に教えた「理研幹部」 
④小保方氏が情報流出を訴えたが、「とても悔しい」と曖昧な返事のみだった「理事」
⑤「事務方幹部」(複数)
 ・秘匿情報をリークしている者がいることを幹部が認識していて、口頭注意もしたことを述べた者
 ・自己点検委員会報告書の偏重、推測等への批判を小保方氏に述べた者
 ・「我慢するんだ」「ぐっと耐えろ」と繰り返した者
⑥ネイチャー発表から1週間後に竹市氏に小保方氏批判の手紙を送ってきた学者たちとその所属学会
⑦若山研で、そっとSTAP幹細胞関係の論文を撤回した学生

■慎重なリーガルチェックがなされたということから想像されることは、若山研での研究実態についての一連の記述を裏付けるメールその他の「証拠」と小保方氏が考え、提出しようとした資料を、弁護団としてもチェックしたと思われることです。
 『あの日』での最大の抗弁対象は、言うまでもなく若山氏ですが、かなり詳細に若山研での研究実態や論文撤回経過を書いているのも、それらを裏付けるメールがあるということでしょう。
 繰り返し本ブログで書いてきていますが、『あの日』の「資料編」として、それらの一連の資料が発刊されることを、切望します。

※ 三木弁護士も含めたチェックが入り、「弁護団の活躍が多く追記されていた」中で、次のような、三木弁護士にとっては少々不名誉な点(一度は、世間の反応と同じく、小保方氏を疑ったという点で)についても、記述を残したのは、フェアだと感じます(「もうもたないよ」のニュアンスの私の理解が違うのかもしれませんが・・・)。

「(若山氏の会見とそれと前後する一連のリークで、混入犯に仕立て上げられていった際に、丹羽氏、相澤氏は激励してくれたが、)三木弁護士からは、「これまで応援してくれていた多くの一般の人たちからも、このような事実が発表された以上、もう応援することはできない、と連絡が入ってきている。もうもたないよ」などと電話がかかってきた。」p205)