理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

【頭の体操3】告発状案(3)―石川氏を道具とした若山研関係者らによる虚偽告発の間接正犯


 以前、STAP細胞事件に関して、告発するとすると、

  ①理研関係者らの秘密保持義務違反(時効3年)、
  ②STAP論文撤回に関する偽計業務妨害(時効3年)、
  ③石川氏による虚偽告発(若山研関係者らによる間接正犯)(時効7年)
  ④理研関係者による小保方氏の試料の窃盗(時効7年)

 の4点だと考え、①と②については、頭の体操として、告発状案をメモり、既にご紹介しました。
 今回、③についても、頭の整理を兼ねて、告発状案をメモってみました。
  佐藤貴彦氏の『STAP細胞 事件の真相』、及びDORAさんのブログ、有志の会のブログを全面的に活用させていただきました。
  
  ここでは、若山研スタッフらが、小保方氏の刑事告発を念頭において具体的材料を求めにきた石川氏に対する説明と資料の提供によって(それらは事実に反するものであることを若山研スタッフは認識していた)、小保方氏がES細胞を盗んだものとの錯誤に陥らせ、その錯誤に陥った石川氏を道具として、刑事告発せしめた、という構成にしています。
 若山研スタッフが、錯誤に陥らせた石川氏を道具として小保方氏及び氏名不詳者を刑事告発せしめたという、虚偽告訴罪の「間接正犯」という構成です。

 以前述べたように、錯誤に陥り、確信を持って告発した石川氏には、「虚偽告発」の故意を問うことは難しいと思われることから、石川氏主犯、若山研スタッフ共犯(教唆、幇助)での虚偽告訴罪での告発は、空振りになる可能性があると思われます。石川氏と若山研スタッフの共謀共同正犯とまでいうのも難しいような気がします。
 そうやって考えると、上記のような間接正犯の構成が、実態を反映したものであり、もっとも自然なものではないかと考えています。

 本当の黒幕は、理研関係者だろうと思いますし、刑事告発の決意を固めさせたのも理研関係者だと報じられていて、彼らも何らかの虚偽情報を提供して告発に誘導していた可能性もありますので、それらの理研関係者も間接正犯に含めています。

 Ooboeさんとそのパートナーさんが、先週段階で、再来週にも、本件で告発状を提出できるであろう旨を有志の会ブログのコメント欄で書いておられましたので、来週には提出する準備を整えておられるのかもしれません。もう専門家の方とも相談されて、準備済みかもしれませんが、下記の案が何らかのご参考になれば幸いです。
 Ooboeさんのパートナーさんが新たに入手された(入手される見込み?)の新材料についても期待しています。

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告発状(案)
  平成294月●日
兵庫県警察本部 御中
 
                 告発人  ○○○○○
 
                 被告発人 山梨大学若山照彦教授研究室関係者(氏名、住所不詳)
                        理化学研究所関係者(氏名、住所不詳)
 
第1 告発の趣旨
被告発人の下記行為は、刑法第172条に規定する虚偽告訴罪の間接正犯に該当すると思われるので、刑事上の処罰を求める。
記 
【告発事実】
山梨大学若山照彦教授研究室のスタッフは、2015年1月18日とそれ以降、STAP細胞実験で混入したとされるES細胞の窃盗容疑で小保方晴子氏を刑事告発することを念頭に来訪した元理化学研究所研究員の石川智久氏に対し、小保方晴子氏の理研での研究室で保全されていた冷凍庫内の細胞のうち、若山研の元留学生である李氏作製によるES細胞チューブ78本と、同じく同研の若山清香氏作製によるとするES細胞チューブ2本の計80本について、詳細な説明と多数の材料を提供することによって、それが事実に反することがわかっていたにもかかわらず、それらが若山研に本来帰属するものであり、盗まれたものであるとの錯誤に石川氏を陥らせ、確信を抱いた同氏をして、同年126日に小保方氏を被告発人として、514日に被告発人不詳として、それらのES細胞の窃盗容疑で刑事告発せしめたものである。
 
第2 罪名及び罰条
 
虚偽告訴罪 刑法第172
 
第3 告発の経緯
 
理化学研究所研究員の石川智久氏は、2015126日に、小保方晴子氏をES細胞の窃盗罪で兵庫県刑事告発した。同告発は受理には至らなかったが、同年514日に、被告発人不詳で受理された。しかしながら、翌2016518日に、神戸地検は、同県警による捜査の結果を踏まえて、嫌疑不十分で不起訴処分とした。その際、同地検は、「事件の発生自体疑わしい」旨を述べた。これは、小保方氏を含め何者かによって盗まれたものではそもそもなかったことを示唆している。
石川氏が、小保方氏によって盗まれたものとして挙げているのは、小保方氏の研究室の冷凍庫内で保全されていた細胞群のうち、若山研の元留学生である李氏作製によるES細胞78本のチューブと、若山清香氏作製によるとされるES細胞の2本のチューブの計80本である。石川氏は、理研CDB関係者から証言、資料を集めて告発の決意を固めた上で、告発直前に、山梨大学の若山研究室を訪ね、「若山研のスタッフから長時間にわたって詳細な説明と膨大な証拠を得ることができた」と述べ、それを元に告発書を改訂の上で告発したとしていることから、小保方氏又は何者かが盗んだとする告発内容は、若山研究室で具体的に説明されたものと考えられる。
しかしながら、神戸地検の不起訴処分の際のコメントや、以下に述べる諸般の状況からみて、それらのES細胞は、若山研に帰属するものではなく、小保方氏が盗んだものでもないことは、小保方氏の冷凍庫内の保全試料の帰属確認作業や、桂調査委員会による調査過程を通じて、若山研究室のスタッフは了解していたと考えられる。石川氏は小保方氏の告発をするための裏付けとなる材料集めのために若山研を訪問したわけであり、その材料として、小保方氏によって2種のES細胞が盗まれたと錯誤、確信させるものを、事実に反することが分かっていたにもかかわらず提供したことによって、同氏がその提供を受けた材料を具体的裏付けとして告発に至ったことは、外形的に明らかである。
これは、石川氏に材料を提供した若山研スタッフが、故意又は少なくとも未必の故意により、錯誤に陥った石川氏を道具として、虚偽の内容により刑事告発せしめたことになり、刑法第172条の虚偽告訴罪の間接正犯に該当するものである(20151月及び5月の双方の告発が該当)。以下、順次説明する。
 
(1)石川氏が、20151月に小保方氏を告発したのは、若山研の元留学生である李氏作製によるES細胞78本であり、同年5月に受理された告発では、これに加えて、若山清香氏作製によるとされるES細胞2本の、計80本である。写真週刊誌『フライデー』誌には、次のように書かれている。
「小保方実験室のフリーザーからは、中国人留学生が作った移植核ES細胞のボックス以外にも、若山研究室の他のスタッフが作ったES細胞入りのチューブが複数見つかっています。これらのES細胞も、STAP幹細胞の捏造のために使われていたことが明らかになっていますが、私はこれらの細胞が、いつ、誰が作ったのかも特定しています。そして、それらが盗まれたと推測される時期は、小保方さんがSTAP細胞の実験を行っていた時期とまったく矛盾しません」(石川氏の説明として。『フライデー』2015220日号)
 
「受理された告発状の内容は以下の通りだ。盗まれたのは、若山研究室が理研にあった当時の中国人研究員、リ・チヨン氏が作成、保管していたES細胞入りのチューブ78本と、若山清香研究員が作成した同チューブ2本の計80本。これらは、若山教授の山梨大への異動にともない、同大に移管する予定だった。」(『フライデー』201565日号)
 
(2)石川智久氏は、『フライデー』の201526日号によれば、理研CDBの複数の関係者から証言と材料を集めた上で、刑事告発の決意を固めたとしている。
 
「この幕引きに強い不信感を持った石川氏は、昨年末から、捏造の舞台となった理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)の複数の関係者から独自に証言や資料を集めた。その結果、小保方をこの1月中にも刑事告発するという決意を固めるに至ったのである。」
 
(3)そして、実際の告発に当たって、その裏付け材料を山梨大学の若山研究室のスタッフから得たことは、同氏自身がそのFacebookにおいて、次のように述べていることから明らかである(2015228日付)。 
 
「私は刑事告発を念頭に、研究論文の疑義に関する調査報告書(平成26331日付)、CDB自己点検検証委員会の報告書(平成26610日付)、研究不正再発防止のための改革委員会の提言書(平成26612日付)、STAP現象の検証結果(平成261219日付)、研究論文に関する調査報告書(平成261225日付)を徹底的に読み直しました。その結果、それらの報告書には掲載されていない事実、即ち若山照彦研究室からのES細胞の窃盗にたどり着いた訳です。
このままでは、「若山照彦氏が小保方晴子氏との共犯にされてしまう」という危機感を覚えたので、すぐさま若山氏に会うために今年118山梨大学を訪問しました。若山照彦氏とはそれまで一切面識もコンタクトもありませんでしたが、彼は甲府駅で私を快く出迎えてくれました。精神的に酷くまいっておられた若山照彦氏とは5分くらいしか話せませんでした。代わりに若山研究室のスタッフから長時間にわたって詳細な説明と膨大な証拠を得ることができました。短時間でしたが、若山照彦氏の真摯な態度には感銘を受けました。彼こそが直接的な「被害者」であると確信しました。
自宅に戻ってすぐ刑事告発書の文章を改訂し、その後、飯田橋総合法務オフィスの小竹広光・司法書士と相談しながら刑事告発書の最終版を仕上げていきました。」
 
(4)次に、小保方研究室で見つかったES細胞が、小保方氏又は何者かによって盗まれたものであるとすることは、事実に反するものであり、そのことは、若山氏及び若山研スタッフを含めて認識していたことは明らかである。この点は、神戸地検が不起訴とした際に述べた「事件の発生自体疑わしい事案」とのコメントからして、既に兵庫県警による捜査によって明らかになっていると思われるが、念のため述べる。
まず、元留学生の李氏作製によるES細胞が入っている「ntES BOXLi」について説明する。
第一に、「ntES BOX Li」については、小保方氏は、「若山研引っ越し時に残っていたので保存していた」と証言している。同様の趣旨は、理研CDBが作成した小保方研冷凍庫保全試料リストの備考欄に記載されている(同リストは情報公開請求により開示され、請求者らによって公表されているが、平成26514日付けの書類にはLi氏作製のES細胞が入ったBOX-Liの備考に「若山研引越の時に残っていたので保存していた」との記載がある)。この保全試料リストは、山梨大の若山研にも送られ確認されているが、特段の異議は出ていない。
(注)週刊新潮2015226日号の記事では、理研関係者の話として、次のように記載されている。
「引っ越しの際、問題のES細胞も山梨大へ持って行くはずでした。元々は若山研究室に在籍していた中国人留学生が11年夏に作成したもので、帰国後もそのまま保管されていたのですが、若山先生が、その試料がないことに気付いたのは昨年(注:2014年)の中頃。理研が現場保全のため小保方研究室の試料を逐一チェックし、リスト化して山梨大に送ったところ、先生は、およそ80本のES細胞入りチューブが、なぜか彼女のもとにあると分かって驚いたのです」 
更に、同リスト掲載試料の帰属関係は、運営・改革モニタリング委員会評価書の参考資料によれば、「(2014年)719日に小保方氏立ち合いのもと、保全試料リストを確認し、帰属が最終的に確定した」と記載されている。「ntES BOX Li」が山梨大若山研の帰属ではないことが、20147月時点で、理研CDB、若山研を含めて、公式に共通の了解となっていたことになる。
 
第二に、「ntES BOX Li」が発見された前後で、盗難・紛失届が出されていないことも、関係者において、盗まれたとの認識がなかったことを裏付けるもののである。フリージャーナリストの上田眞美氏(ハンドルネーム「木星」)は、「若山研究室、旧理研CDB自体、山梨大にも「細胞の紛失・盗難届けはだされておらず、若山研も電話取材で「盗難・紛失届けは出していない」と認めました」と述べている。
石川氏が、2015522日の『フライデー』デジタル版で語るところによれば、「ntES BOX Li」は、その価額は同氏の推計で約4千万円あるとのことである。その当否は別として、一義的な管理者として、研究に使用予定の価値のあるものであれば、善管義務があるはずであり、引っ越し段階でチェックしなかったとは到底考えられない。紛失したと認識すれば、盗難・紛失届を提出して当然である。
 
第三に、若山研が、理研から山梨大に移転するに際してのMTA(研究成果有体物移転契約書)にも記載されていないということである。このMTAは、上記の研究試料の帰属確定後の2014825日に結ばれており、情報公開請求によって得られたものが、請求者である上田眞実氏が関係するブログで公開されているが(『小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会』ブログの2016222日付け)、そのMTAの中には、「ntES BOX Li」は含まれていない。
 
 以上から、「ntES BOX Li」内のES細胞78本は、若山研に帰属するものではなく、したがって、盗まれたものではないこと、及びこの点を若山氏と若山研スタッフが認識していたことは明らかである。
 
(5)次に、若山清香氏作製によるとされるES細胞について説明する。
 上記(1)に記載の通り、石川氏は、小保方氏の冷凍庫にあった若山清香研究員が作製したと石川氏が述べるES細胞のチューブ2本も盗まれ、これがSTAP幹細胞捏造に使われたと主張している。しかしこれは、以下の理由から事実に反する。
 第一に、石川氏が若山清香氏作製のものとして指し示すES細胞のチューブ2本には、「129G FPES」と書かれていたということである。石川氏は、松本道弘氏との対談(ノースチャンネル『TIMEを読む』0126号サムライ・トーク201525日配信) において、「小保方氏は若山研からES細胞を盗み、それをSTAP研究に用いた」と述べながら、「129GFPES」の写真を示している(この写真は、小保方研保全試料のリストにある写真と同じものである。『小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会』201663日のブログにその写真が掲載されている。あるいは『日経サイエンス20153月号の40頁と53頁にも掲載されている)。
 以下の、『DORAのブログ』(2016年12月25日付)の記事と写真を参照されたい。
 
 第二に、しかしながら、桂調査委員会報告書の解析によれば、「129GFPES」は、元若山研の研究員であった大田浩氏の作製になる「FES1」だとされていることである。即ち、若山清香氏が作製したものではないということである。
 
 第三に、桂調査委員会の質問に対し、若山氏とCDB若山研のメンバーは「129GFPES」について全く知らないと回答していることである。このことは、次のことを意味する。
①「129GFPES」は、若山清香氏作製になるものではないことを、若山氏及び若山研メンバーが認めているということ。
②「129GFPES」は、若山研の帰属ではなく、従って盗まれたとの認識はないと認めていること。
 
(6)次に、山梨大を訪れた石川氏に対して、若山研スタッフが説明し提供した材料が、事実に反するものであったと考えられる根拠について説明する。
 第一は、上記(4)(5)で説明した通り、李氏作製によるES細胞は、小保方研冷凍庫保全資料リスト、MTA等の公的文書の作製・確認過程において、盗まれたものではないことが明らかとなっており、若山清香氏作製と石川氏が述べるES細胞についても、そもそも若山清香氏作製になるものではないことや盗まれたものではないことが、桂調査委員会報告書によって確定している。そして、そのことは、理研関係者、若山研関係者を含めて、共通の認識になっていたということである。そしてそれは、2014年の7月から12月までの間にである。
 
 第二は、それにもかかわらず、石川氏が、2015年に入ってから、そのFacebook及び『フライデー』誌において、若山研から膨大な証拠と材料を得たとして、告発内容として語る内容は、小保方氏又は何者かが盗んだということであるから、若山研から提供された証拠と材料とが、盗まれたことを示す内容であったと考えられることである。
 なお、フリージャーナリストの上田眞実氏は、2016222日付けで、次のように語っている。
「石川智久氏の取材をし「フライデー」に記事を書いた取材記者と直接面談し、取材資料を見せて頂きました。そこには情報提供者の名前の中に大日向博士の名前があり、記者は「若山清香夫人とメールのやり取りをしている」と言っていました。ですので「小保方晴子さんを窃盗で刑事告発する!」と騒いだ石川智久氏への情報提供者はこの二人である事は間違いない事です。該当記者はわたくしが今後の処遇を憂慮して送った私信をフェイスブックで晒しましたので、こちらも「取材源の秘匿」の仁義を切らせて頂きました。」
 
 第三は、元留学生の李氏の主張内容から見て、若山研関係者が、同氏のES細胞は小保方氏が盗んだものとして説明していることが強く推認されることである。
 李氏は、2014726日に放送されたNHKスペシャル『STAP細胞 不正の深層』において、NHK記者からの電話取材に対して、小保方氏が不正入手したものであるとの認識に立って語っている(BPO2017210日決定参照)。更に、ハンドルネーム「感想」氏が、20167月末時点で、李氏にメールインタビューした際にも、20132月まではその作製したES細胞あったがその後行方不明となったこと、小保方氏がそれを不正入手したものであるとの認識を語り、これを認めなかった兵庫県警の聴取と捜査に不満を述べている。
 しかし、李氏は、201210月には既に中国に帰国しており、その作製したES細胞の管理に関しては、若山研スタッフに委ねていた以上、李氏の認識はすべて、その所属していた若山研関係者から聞かされたものとしか考えられない。即ち、若山研スタッフは、李氏に対して、2016年に至ってもなお、小保方氏が不正入手したものであるという説明をしていたことが推認される。
 
 第四は、石川氏による刑事告発後も、若山氏及び若山研スタッフが沈黙を保ち、その内容について否定しなかったことである。
 石川氏が告発を目的として来訪し、そのFacebook、フライデー誌その他の媒体で、「若山研のスタッフから長時間にわたって詳細な説明と膨大な証拠を得ることができた」とした上で、小保方氏が若山研管理下にあったはずのES細胞を盗んだとして強く非難して、刑事告発していることに対して、事実と異なるのであれば、直接の当事者としては、それを否定するのが通常の常識的行動であるはずである。しかしながら、若山氏及び若山研スタッフは沈黙を保ったままであった。このことは、石川氏の言動に対する暗黙の支持と解釈されるものである。
 
(7)以上の通り、若山研スタッフは、石川氏に対して、事実に反する告発材料を提供し、小保方氏の冷凍庫で発見された計80本のES細胞のチューブが、小保方氏又は何者かによって盗まれたものであるとの錯誤に陥らせたと考えられる。石川氏は、元々、小保方氏を窃盗容疑で告発することを目的として、その具体的裏付け材料を求めて若山研を来訪したことから、そこで石川氏にそれらの事実に反する材料を提供すれば、同氏はそれを証拠として確実に告発するであろうと、容易に予測できた。
 他方、石川氏は、「若山研スタッフから長時間にわたって詳細な説明と膨大な証拠を得ることができ」たとし、若山氏こそが、「直接的な「被害者」であると確信しました」としていることから、その錯誤により、小保方氏を告発することが、虚偽告発との犯罪を構成するとの主観的認識を欠いていたと考えられる。その意味で、石川氏は、若山研スタッフによる虚偽告発のための「道具」となっていたと考えられる。
 したがって、石川氏に事実に反する説明を行い材料を提供した若山研スタッフは、小保方氏又は何者かがES細胞を盗んだと錯誤、確信させた石川氏を道具として虚偽告発をさせる故意又は少なくとも未必の故意があったと考えられ、虚偽告訴罪の間接正犯に該当する。
ついては、早急な捜査の上、被告発人に対して、厳正な処分を行うことを求めるものである。
 
(8)なお、小保方氏研究室の冷凍庫から見つかった「ntES BOX Li」等のES細胞群が、小保方氏が盗んだものであるとする虚偽の構図の印象操作と、石川氏による刑事告発には、理研関係者が関わっていた可能性が高い。
その理由の第一は、『フライデー』(201526日号)に次のようにあることである。
「この幕引きに強い不信感を持った石川氏は、昨年末から、担造の舞台となった理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)の複数の関係者から独自に証言や資料を集めた。その結果、小保方をこの一月中にも刑事告発するという決意を固めるに至ったのである。」
「ある理研関係者は、『あの時、若山研究室はCDBから山梨大に引っ越すためバタバタしていた。そこにスキを見た小保方が、20131月から4月頃に盗んだとしか考えられない」と語っている」
 石川氏に対して、小保方氏がES細胞を盗んだ可能性に確信を与えた理研関係者がいたということを意味する。


理由の第二は、2014618日に、インターネット掲示板の「2チャンネル」に載った怪文書(しばしば関係者の間では、「オホホポエム」と呼ばれる)の記述である。そこには、「小保方が、引っ越しのどさくさに若山のところから盗んだ細胞が箱ごと発見されたことも公表しろよ」と記載されている。
小保方氏の研究室からES細胞のボックスが見つかったことや、それを「小保方氏が若山研から盗んだ」とする話は、その後、NHKスペシャルが同年726日に放送した内容や、石川氏が刑事告発した容疑として現れるが、この怪文書掲載時点では、マスコミ、インターネットを含めてどこにも現れてはいなかった。そして、これは小保方氏の実験室の保全試料についての内部情報を知る者でなければ、決して語ることができない内容であった。つまり、この怪文書は、理研関係者による「秘密の暴露」であったと考えられる。
これらの理研関係者は、「ntES BOX Li」のES細胞群については、20147月の試料の帰属確定時点で、小保方氏が盗んだものではないことを認識していたはずである。それにもかかわらず、2014年末からの時点で(前掲『フライデー』誌記事による)石川氏に対して、「小保方氏が盗んだものとしか考えられない」との説明をしていたということは、悪意により、虚偽の説明をしていたとしか考えられない。
そして、石川氏がFacebookで自ら記述するところによれば、若山氏とは面識もコンタクトも一切なかったが訪問したこと、若山氏が体調不良の中わざわざ出迎えたこと、その当日に若山研究室のスタッフから長時間にわたって詳細な説明と膨大な証拠を得たとされている。若山氏と若山研スタッフのこれらの対応からみて、若山研に対して石川氏訪問の仲立ちをし、その趣旨の説明と協力とを依頼した然るべき人物の存在が想定されるが、それは理研関係者だと推定される。
これらの悪意の理研関係者は、石川氏の刑事告発に向けた意思形成に密接に関わっているものと考えられるため、本件事案の捜査に際して、併せて究明がなされるべきと考える。
 
                                                            以上