理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

Ooboe様、そのパートナー様

Ooboe様、そのパートナー様
 
 有志の会のコメント欄でのコメント有難うございます。
 告発を実際にしておられるのはOoboeさんとそのパートナーさんですので、自分で告発するわけでもない私が横から水を差すようなことを申し上げるのは、申し訳ないと思っています。
 ただ、書きましたように、刑事告発によって真相が解明されることは大変意義があると思いますので、お二人のご尽力が実を結ぶことを期待して、敢えて書かせて頂いているということをご理解いただければ幸いです。
 その上で、追加的にコメントさせていただきますと、
 
■若山氏が、会見発表の際、「第三者機関」に依頼したとする実態が、実は法医研の「知り合い」(個人)だったことについては、私も本ブログで縷々批判してきました。「第三者機関」といえば、公正中立性を印象付けるものであり、その実態が異なるのは不公正ではないかという趣旨です。そのコスト負担の話もありますので、大事な論点だったと思います。
 
実際、すぐ後に、法医研の広報に電話で問い合わせた録音を公開している方がおられましたが、それによって、法医研が組織として受託したものではないということが明らかになりました。
 
 若山氏は、「どこの機関かはいうことはできない」とも発言していましたから、そうやってその実態を明らかにしないままに、公正中立性を装うかのような「第三者機関」という使い方をするのは印象操作ではないか、ということはその通りで、そういう意味では大いに問題のある発表の仕方だったと思いますし、それが、「偽計」の要素にもなるのかもしれません。
 
■ただ、「偽計業務妨害罪」という刑事上の問題を検討するのであれば、それによって、どういう業務が妨害されたのか、論文撤回に至ったのは法医研という組織の解析だからだったのか、個人の研究者の解析だったとわかっていたら撤回に同意しなかったのか? というところがポイントになってきます。
 ご報告の「その4」を見ると、
 
616日、偽称したまま、記者会見で知人個人の解析結果を第三者機関解析として大々的に報道させました。
これは、公的第三者機関解析という権威の威力を利用した。偽計であった。また、大メディアの、巨大発進力の威力を利用した。偽計でもあった。
この記者会見の前、63日には、 強力に論文撤回を反対していた。バカンティ先生や、小保方さんを、笹井先生、 丹羽先生など、全員公的第三者機関の、放医研という、機関解析という、権威の解析であったから、論文撤回理由書にサインしたのだ」
 
「バカンティ先生、丹羽先生、小保方氏 若山先生、それぞれ任意で権威ある放医研が解析したから論文撤回理由書に サインしたのか、または、他に理由があったのか、被害者という認識、意識があるのか、被害者という、意識があったとしたら、なぜ、告訴しないのか、などなど」
 
 とありますから、「法医研という組織が受託して解析した結果だから、著者たちは撤回した」という構成になっていると思います。
 
■しかし、それが法医研という組織が受託したものではなく、法医研の研究者個人が解析したものだということは、理研の6月16日の発表で、情報はシェアされていたという次の記述から、具体的な解析者がどういうものだったのかもシェアされていたと推定できます。
 
山梨大学若山教授は第三者研究機関にSTAP 幹細胞株のDNA解析を依頼した。その情報は理研と共有され、理研 CDB保全されている STAP関連幹細胞株の解析を進めてきた。
 
また、上記発表にある通り、理研に残されたサンプルについて、同様に解析したところ、「若山研のサンプルの解析結果と一致した」とあります(これはやはり、「若山氏から、STAP 幹細胞の CAG-GFP 遺伝子挿入位置の情報提供を受け」という前提ですが)。
 
ですから、実態は、法医研に所属する研究者個人に依頼した解析結果だったとしても、それが理研側でも確認された形になっており、その内容に疑義があるとは、この時点では捉えられていなかった、というのが、公表文書から読み取れるところです。
 
■もちろん、もし仮に、若山氏が「STAP幹細胞の CAG-GFP 遺伝子挿入位置の情報」を故意に間違ったものを教え、間違った解析結果が出るように仕組んだとか、理研の解析者と示し合わせていたといったことが情報公開請求結果で明らかになっているのであれば、それ自体が、悪質な偽計ということになりますが、そこまでは、踏み込んでおられないように感じます。
 
■シニアオーサーであるバカンティ氏を始め、米国の共著者や小保方氏が論文撤回には絶対反対していた中で、撤回せざる得ないと判断のやむなきに至った決定打になったのは、次の『あの日』の記述にある通り、「若山氏しかマウス系統のデータは持ち得ない。その人が、データが間違っていると」主張しているという点にあります。そして、そのマウス系統が違っている(「若山研では維持されたことがなかった」)という若山氏の主張が、外部の者によっても「裏付けられ」、理研の解析結果でも同様の結果が出ているということが、その主張の信憑性を高めた形です。その主張が撤回の根幹的理由となったわけです。
 
「その後、バカンティ先生とネイチャー編集部との話し合いの結果、「STAP幹細胞のマウス系統のデータに関しては研究室の責任者であった若山先生しか情報を持ち得ない。その人が、データが間違っているとネイチャーに連絡を入れている。STAP幹細胞のデータがアーティクルに入ってしまっている以上、仕方がない。アーティクルも撤回に同意する方向で進めよう」と連絡が入った。」p195
 
■告発状の詳細な内容はわかりませんが、「625日に遠藤氏から解析間違いを指摘され、それをすぐに共著者や竹市氏に伝えなかった」という不作為を情報開示文書から明らかにされていますから、おそらくその点も盛り込んでおられると思います。
 そうであれば、単に「法医研という権威を偽装して、撤回させた」というパートナーさんがお考えの構成だけではなく、私が縷々申し上げている
 
「解析情報が誤りだということが分かったのにすぐに連絡せずに、撤回再検討、撤回理由再検討の機会を奪い、撤回を確定せしめた」
「共著者全員で合意した撤回理由書を、単独で秘密裏に修正した。(少なくともアーティクルについては)権限なく修正した」
 
 という構成も盛り込まれているのでないかと想像し、期待はしているのですが・・・。それらが盛り込まれることによって、「偽計」の内容、範囲がより広くなると思っています。
 
■ご報告の中では、警察の対応として、
 
「バカンティ先生、丹羽先生、小保方氏 若山先生、それぞれ任意で権威ある放医研が解析したから論文撤回理由書に サインしたのか、または、他に理由があったのか、被害者という認識、意識があるのか、被害者という、意識があったとしたら、なぜ、告訴しないのか、などなど」
 
 というように、「他の理由」も含めて広く任意聴取がなされるようですので、それに期待をしたいと思います。
 
■いずれにしても、膨大な資料を収集され、それをもとに告発当事者になられるというのは、並み大抵のことではできませんから、それを実際に行い、今後も継続的に取り組もうとされているOoboeさんとそのパートナーさんには、敬意を表しております。
 私はプールサイドからあれこれ言うだけで申し訳ないのですが、補強材料として参考にしていただければと幸いです。