理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

【頭の体操2】告発状案(2)―STAP論文撤回に関する偽計業務妨害

 
 前回記事で、Ooboeさんのパートナーさんの告発状提出に関して、コメント記事を書きましたが、

 そこで、偽計業務妨害罪として、こういう構成がいいのではないか、と述べた内容を、告発状スタイルにしてみると、だいたい以下のようになります。
 概ね、小保方氏の『あの日』で書かれていることを中心にして構成しています。裏付けがとりやすいかと思います。

 赤字で書いた部分は、Ooboeさんが「報告」として書かれている内容から抜粋したものです。
 パートナーさんの参考になれば幸いです。

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告発状(案)
平成293月●日
兵庫県警察本部 御中
 
                    告発人  ○○○○○
 
                    被告発人 W~~
                         
第1 告発の趣旨
被告発人の下記行為は、刑法第233条後段に規定する偽計業務妨害罪に該当すると思われるので、刑事上の処罰を求める。
 
                               記
【告発事実】
 
被告発人は、20141月にネイチャー誌に掲載されたSTAP細胞に関する2論文の撤回に関して、撤回に強硬に反対していた共著者も含めて、全員が撤回同意のやむなきに至った根幹的理由となった遺伝子に関する解析結果(被告発人が法医研の研究者に依頼した結果)を、2014616日に公表した。その後、その解析結果が誤りであったことが判明したにもかかわらず、直ちに共著者に通知をしなかった不作為、及び共著者全員が合意して提出した撤回理由書を、無断で、かつアーティクル論文については権限なく書き換えて、ネイチャー誌に通知した行為は、他の共著者に対する背信的な偽計であり、それによって、共著者間における論文撤回の可否の再検討、論文撤回理由の再検討の機会を奪い、更には論文維持を前提とした小保方氏やバカンティ氏らの著者の研究活動の円滑な継続を阻害したものである。
 
第2 罪名及び罰条
偽計業務妨害罪 刑法第233条後段 
 
第3 告発の経緯
(1)被告発人は、20141月にネイチャー誌に掲載されたSTAP細胞に関する2論文の共著者の一人であるが、その内容に説明できない誤りがあるとして、外部の研究者に解析を依頼した結果を、同年616日に公表した。
それまで、小保方晴子氏や、米国ハーバード大のバカンティ教授ら米国側共著者は、論文撤回には絶対反対していた。
 この点は、小保方晴子氏の『あの日』において、次のように記載されている。
 
「(20143月時点で、竹市CDBセンター長からの論文撤回の提案について)アメリカの先生たちに連絡すると、「論文の撤回は日本と世界では意味合いがまったく違う。論文が撤回となったら、自分たちは職を失ってしまう。論文は絶対に撤回すべきではない」と強く言われ、私は再び板挟みになってしまった。(中略)アメリカの先生たちは強硬に反対していて、毎日電話で説得され、もう本当に一体どうしたらいいのか、完全にわからなくなってしまった。」(p159
 
「(被告発人がシニアオーサーであるレター論文の撤回に同意した後、20145月末~6月初め頃に)バカンティ先生からは、「レターはシニアオーサーである若山先生の判断に従うが、アーティクルについては撤回すべきでないと考えている」というメールが届いた。」(p192
 
(2)しかし、同書P194以下には、被告発人より、5月末~6月初め頃に、突然、「STAP幹細胞が若山研にいなかったマウスの系統で作製されたものだった」という小保方氏が全く知らない情報が大量に盛り込まれたレター論文の撤回理由書案が送られてきたとある。この情報は、この後616日に被告発人が発表した法医学研究所の研究者(いわゆる「第三者機関」)に依頼した解析結果に基づくものであった。
そして、その被告発人が示した解析結果を基に検討がなされ、実験に使われたマウス系統の情報は若山氏しか知り得ない以上、アーティクル論文の撤回もやむを得ないとの結論となったとある。同書では、次のように記載されている。
 
「その後、バカンティ先生とネイチャー編集部との話し合いの結果、「STAP幹細胞のマウス系統のデータに関しては研究室の責任者であった若山先生しか情報を持ち得ない。その人が、データが間違っているとネイチャーに連絡を入れている。STAP幹細胞のデータがアーティクルに入ってしまっている以上、仕方がない。アーティクルも撤回に同意する方向で進めよう」と連絡が入った。」(p195


63日、私がサインした直後に、どういうわけか私が論文撤回に同意したとの報道がすぐに出た。「撤回は本意ではないが撤回を強いられた」という三木弁護士のコメントも報道されたが、実際の原因はSTAP幹細胞のデータがアーティクル論文に載ってしまったからだ。」(p195
 
(3)そして、全共著者がサインした撤回理由書が、20146月上旬頃に、ネイチャー誌に提出された。そして、同年72日に、ネイチャー誌において撤回が発表された。
 しかし、同誌で公表された撤回理由は、全共著者がサインして送った内容と異なっていた。
    公表された撤回理由の和訳は、理研HPにおいて公表されている。
 
    そこでは、いくつかのミスの指摘とともに、以下の理由が記されている。
「これらの挿入されたgfp遺伝子の部位は、若山研究室で維持されていたマウス及びES細胞のものと一致している。このように、ドナーマウスと報告されたSTAP幹細胞では遺伝背景と遺伝子挿入部位に説明のつかない齟齬がある。」
 
    小保方氏の『あの日』では、撤回理由書がウェブ上で公開となった日、丹羽氏が「巧妙に書き換えられている」と、憤然として持ってきたと書かれている。
 
「プリントアウトされた撤回理由書を読み、その内容に目を疑った。最も重要な撤回理由が、著者たちが合意したものとは異なる内容に書き換えられていたのだ。著者たちが合意しサインした理由書は、「STAP幹細胞は若山研に決して維持されていなかったマウスの系統であった」というもので、マウス系統管理者の若山先生には誰も反論する材料がなく同意を強いられたものだったが、書き換えられた理由書には、「STAP幹細胞は若山研で維持されていたマウスとES細胞の系統に一致する」とあった。・・・STAP幹細胞のマウス系統の問題が他の著者らが撤回を迫られた一番の理由だったため、すべての著者がサインした後に、撤回理由書の一番重要な部分が書き換えられていることに対する他の著者らの憤りは強いものだった。」(p196197
 
(4)この修正部分に関して、「若山先生は「誰かが勝手に書き換えた」と発言し、新聞で報道され始めた」(同書p197)ことから、小保方氏よりネイチャー編集部に書き換えの理由を照会した結果に関して、次のように記載されている。
「若山先生が他の著者たちに知らせずにネイチャー編集部に送付した修正依頼のメールが共著者らに転送されてきて、やはり若山先生が著者たちが全員同意のサインをした後に、他の著者たちに知らせずに単独で撤回理由書の修正を依頼していたことが明らかとなった。」(p197
 
(5)共著者に知らされないまま修正がなされていたことに関しては、当時の各メディアも報じている。
理研関係者によると、若山氏の修正メールは共著者に共有されておらず、小保方氏や理研笹井芳樹副センター長、米ハーバード大の共著者も修正は全く知らなかったという。」
 
(6)実際、情報公開請求結果によれば、625日、遠藤氏が「第三者機関」の解析誤りを発見し、被告発人及び共著者の一人である理研CDB 解析担当の松崎氏にその日のうちに連絡していることが判明している。
 しかし、被告発人は、その解析誤りを他の共著者にただちに連絡することはなく、記者会見で大々的に発表した解析結果であるにもかかわらず、速やかに公表することもなかった(山梨大のHPで事務的に公表したのは、遠藤氏通報から1ヶ月近くが経過した7月22日である)。そして、単独で、ネイチャー誌に対して、既に提出済みの撤回理由の修正交渉を行った。

 これらの不作為及び作為は、以下の点で、極めて悪質である。
解析結果を公表した616日の会見によって、STAP細胞が捏造であり、小保方氏が捏造犯であるとの決定的印象を社会に与えたにもかかわらず、その解析ミスを公表して、捏造の印象を修正しようとしなかったこと。
 この解析結果が、如何に小保方氏にダメージを与えたかについては、同氏の『あの日』において、次のように記述されていることからも明らかである。
代理人の三木弁護士からは、「これまで応援してくれていた多くの一般の人たちからも、このような事実が発表された以上、もう応援できない」と連絡が入ってきている。もうもたないよ」などと電話がかかってきた。」(p205
被告発人発表の解析結果を決定的理由として、全共著者が撤回理由書にサインしたことが分かっているにもかかわらず、その解析ミスの情報を直ちに伝えなかったのは、背信的行為であること。
被告発人は、あくまでレター論文のシニアオーサーであって、アーティクル論文のシニアオーサーはバカンティ教授であるにもかかわらず、権限も委任もなくネイチャー誌側と撤回理由の修正の交渉を行っていたが、これもまた背信的行為であること。
更には、その撤回理由の修正について、当初自分が行ったことは否定し、「誰かが勝手に書き換えた」と発言したほか、「笹井氏、小保方氏が若山氏を含む他の著者に無断で原稿を修正した事実はない旨、説明しましたのでご心配は不要です」とのメールを小保方氏らに送り、自らが無断で修正した事実を認めようとしなかったこと。
 
(7)以上のような被告発人の不作為及び作為による偽計によって、以下のように、小保方氏を始めとした共著者らの業務が妨害された。
① 遠藤氏から解析誤りの連絡があった2014625日から撤回公表日の72日までの間に、共著者間で、撤回の根幹的理由が失われたことに伴う撤回の可否の再検討の機会が奪われた。
 もし、撤回に絶対反対だった米国側著者及び小保方氏が、この解析ミスの情報の通知を速やかに受けていたならば、撤回の可否を再検討し、留保したであろうことは、撤回に至る経過、撤回理由からして確実である。
仮に論文撤回の申し出を維持するとしても、共著者全員がサインした撤回理由の根幹的部分の修正もまた共著者全員で行われるべきところ(少なくとも、アーティクル論文のシニアオーサーであるバカンティ氏によって行われるべきところ)、その機会が奪われた。
アーティクル論文が撤回されていなければ、それを前提に小保方氏やバカンティ氏ら米国側共著者の研究活動が継続されたはずであるところ、それが損なわれた。
米国及び日本におけるSTAP細胞に関する特許出願に対する拒絶理由通知において、実施可能要件を満たさない理由の一つとして、論文が撤回されていることが指摘されており、知的財産権取得の阻害要因となっている。
 
(8)以上のように、被告発人は、STAP論文撤回の根幹的理由を構成する解析誤りが判明したにもかかわらず、直ちに共著者に通知をしなかった不作為、及び他の共著者全員が合意して提出した撤回理由書を、無断で、かつアーティクル論文については権限なく書き換えて、ネイチャー誌に通知した行為は、他の共著者に対する背信的な偽計であり、それによって、共著者間における論文撤回の可否の再検討、論文撤回理由の再検討の機会を奪い、更には論文維持を前提とした円滑な研究活動の継続を阻害した。
 ついては、早急な捜査の上、被告発人に対して、厳正な処分を行うことを求めるものである。