理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

【頭の体操1】告発状案(1)―理研幹部等の秘密保持義務違反


 STAP細胞事件を解明するために、文系的センスで比較的容易に刑事事件として構成できると考えられる以下の4つの局面について、頭の体操の延長で、告発状のイメージを順次メモってみたいと思います。
 ネットや書籍で出ている各種告発状の前例を眺めながら、作成してみるものです。

 私自身が告発するわけではありませんが、関心がある方々の参考に多少なりともなれば幸いです。

 ①理研幹部らの秘密保持義務違反
 ②小保方氏告発についての虚偽告訴罪
 ③ネイチャー論文撤回に関する偽計業務妨害
 ④小保方氏保有の4Nキメラサンプルのホルマリン漬け及びテラト―マ実験サンルの窃盗罪
   (注1)虚偽告訴罪、窃盗罪は、10年以下の懲役なので、時効は7年です。
   (注2)他にも構成可能と思われる名誉棄損罪や侮辱罪は、親告罪なので、小保方氏のみが告訴
       可能です。ただし、時効は名前を知ったときから6か月ですので、既に経過しています。
  

■まずは、秘密保持義務違反についてです。

 Ooboeさんのパートナーさんが、来週にも、告発状を提出予定とのことです。
 主として、若山氏の記者会見での発表に関連する点が中心のようであり、その中に、秘密保持義務違反の件までが含まれているのかわかりませんが、頭の整理の意味で、重複をいとわず、メモってみました。

 ここでの告発状案の対象は、以下の2点です。

  ①NHKスペシャル(2014年7月)で使われた実験ノートと電子メールの漏洩
  ②NHKニュース「『小保方証言』STAP問題の真相」(2015年3月)で使われた小保方氏聴取記録の漏洩

 BPO決定において、NHKが、取材源から入手した資料を元に構成した番組を放送することが、公共性、公益性の観点から認められたからといって、秘密保持義務を有する者が報道機関に漏洩することが、自動的に正当化され、秘密保持義務が免責されることにはならないということに留意されるべきです。
 比較衡量になりますが、その漏洩行為の問題性は大きく、免責されることにはならないと思いますし、益通報的性格は皆無であることは、以前から述べている通りです。
 
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告発状(案)
平成293月●日
兵庫県警察本部 御中
 
                    告発人  ○○○○○
 
                    被告発人 AB
                        いずれも氏名不詳、住所不明
 
第1 告発の趣旨
 被告発人の下記各行為は、その時点での所属に応じて、理化学研究所法第14条に規定する秘密保持義務又は国立大学法人法18条に規定する秘密保持義務に違反すると思われるので、それぞれの法令に定める刑事上の処罰を求める。

                           記
【告発事実】
1 被告発人A
 被告発人Aは、国立研究開発法人(当時は独立行政法人。以下同じ)である理化学研究所理研)においてSTAP細胞論文の調査委員会に関係する役職員、又は国立大学法人山梨大学若山照彦教授の研究室メンバーであるが、平成26726日に放映されたNHKスペシャル「STAP細胞 不正の深層」放送までの間に、同番組制作に関係するNHK記者に対して、その高度の秘密保持義務に違反して、入手した以下の調査資料を漏洩し、結果、同番組にてそれらの一部が放送されるに至ったものである。
 
 ①同調査の調査対象者である小保方晴子氏によって提出される等により入手した実験ノート
 ②同じく小保方晴子氏及び笹井芳樹氏によって提出される等により入手した両者間の電子メールの写し
 
2 被告発人B
 被告発人Aは、国立研究開発法人である理化学研究所の役職員であるが、平成27320日のNHKニュースにて放送又はWebニュースとして掲載された「『小保方証言』STAP問題の真相」の放送、掲載までの間に、STAP細胞論文の調査委員会による小保方晴子氏に対する聴取記録を、その高度の秘密保持義務に違反して、NHK記者に漏洩し、結果、同番組にてそれらの一部が放送、掲載されるに至ったものである。
 
第2 罪名及び罰条
理化学研究所法第14条に規定する秘密保持義務違反(第38条)
又は、国立大学法人法18条に規定する秘密保持義務違反(第23条)
 
第3 告発の経緯
1 NHKスペシャル「STAP細胞 不正の深層」に係る記者に対する漏洩について
 
(1)同番組では、上記の「告発事実」の「1」に掲げた実験ノートが映し出され、また電子メールが男女のナレーターによって読み上げられている。これらについては、小保方氏が、放送倫理・番組向上機構BPO)に人権侵害として、平成277月に審理の申し出がなされ、約1年半の審理を経て、平成291月に決定に至っている。

(2)同番組で使われた実験ノート及び電子メールは、あくまで調査委員会による調査目的に限定して、被調査者である小保方氏及び笹井氏から提出を受けたものである。
 このことは、小保方氏のBPOへの申立書(要旨)において、下記のように書かれていることからも明らかである。

 「当該実験ノートは、当時(現在も)、理研内において厳重に保管されており、その写しは、調査委員
にのみ交付されたものであって、調査目的以外では一切使用しないことになっていた。何者かが
違法に持ち出してコピーしたか、調査委員会委員やその関係者から違法に流出したかと思われる
が、前者ならば窃盗罪等に該当し、後者ならば、理研の秘密保持に対する違反になる」

 「本件番組内で、申立人と共著者である笹井氏との間で交わされた電子メールの内容が、両者の同
意もなく、完全に無断で公開されたが、これは完全なプライバシー侵害であり、通信の秘密に対する
害行為である。」
 
(3)留意されるべきは、NHKが、取材源から入手した資料を元に構成した番組を放送することが、公共性、公益性の観点から放送倫理違反が問われないからといって、秘密保持義務を有する者が報道機関に漏洩することが直ちに連動して正当化され、守秘義務が免除(違法性が阻却)されることにはならないということである。
 それは、報道機関に提供される情報内容と、秘密保持義務の要請との慎重な比較衡量の上に立って
判断されるべきものであるが、本件漏洩行為については、正当化されるべき事情は全くない。
 
(4)第一は、小保方氏の申立書にある通り、研究機関一般におけると同様に、実験ノートは厳重に保管されているところ、STAP論文の不正調査目的に限って交付されたものであり、それを外部に漏洩することは、不正調査に従事する者としての基本的職務倫理に反するということである。
 不正調査目的に限定するとの前提がなければ、交付されることは決してなかったものであり、その信頼を裏切った責任は大きい。

(5)第二は、実験ノートには、小保方氏の次の説明が示すように、秘密実験等の記録も含んでおり、それが外部に漏洩されるということは、知的財産としての価値を著しく損なうということである。

 ①平成2749日の記者会見
「実験ノートにつきましても、秘密実験等もたくさんありますので、ちょっとあの、全ての方に公開するという気持ちはありません。」

 ②平成28426日のBPOヒアリング
「実験ノートの番組での使用については、「(たとえ公共性・公益性があったとしても公開されることは)我慢ならない。何故なら、それには、私のこれまでの、全ての秘密が書かれているからだ。私が見つけた細胞の秘密、細胞の神秘、私の発見、私のその時の感動、それが全て書かれたものだった」と訴えた。」

 ③小保方氏『あの日』の記述
「私にとっては、重要な実験の結果とその先のアイデアが詰まった大切なものだった。」(p164
 
(6)小保方氏は、「秘密実験についても書かれているため、公開の予定はない」としていたが、特許出願を念頭においた場合、それが外部に漏洩されると、場合によってはそれによって「公知」となったとみなされ、特許要件である新規性要件が失われる恐れもある。その意味で、実験ノートの漏洩行為は、知的財産権を危うくする極めて危険な行為でもある(特許法の運用においては、守秘義務をかけずに外部の者に伝えれば、相手が特定者、不特定者を問わず、「公知」となったとみなされる)。
 また、特許出願しない場合であっても、研究成果を先に公表した者にその功績者になるわけであるから、その意味でも、漏洩行為は、知的財産を大きく損なう行為となる。
 
(7)また、小保方氏がSTAP細胞実験を理研の若山研究室で行っていた(実験ノートをつけていた)時点では、その研究は、ハーバード大学理化学研究所との共同研究契約に基づくものであり、小保方氏はハーバード大からの派遣された客員研究員であった。したがって、その実験ノートとその内容も、ハーバード大に帰属するものであり、理研の役職員が外部に漏洩するということは、共同研究契約にも反し、相手先であるハーバード大の信頼と知的財産とを大きく毀損するものである。

(8)第三は、番組での放映目的に合致しない提供行為だということである。NHKスペシャルで、実験ノートの一部が放送されたのは、「STAP細胞の作製の決定的な証拠だとみられるキメラマウスの作製実験がどのように行われたのかを検証する」ためだとされている。しかし、小保方氏が指摘するように、キメラマウスの作製実験は若山氏のパートであり、放映目的からすれば、若山氏の実験ノートが対応するものだったはずである。

 BPO決定では、「本件放送の全体的な構成が放送倫理上の問題があるほどに公平性を欠いているとまでは言えない」としつつも、「確かに、本件放送は、若山氏の説明に沿って作られている面があり、例えば、後述する実験ノートの扱いについても、キメラ実験を担当した若山氏の実験ノートではなく、申立人の実験ノートを取り上げるなどしており、申立人に対し不公平感を与える面があるかもしれない」との指摘をしている。
 漏洩者が、キメラマウスの作製実験に関する情報提供のために漏洩したのであれば、それは目的とは異なるはずだから正当性はない。目的を限定せずに提供したのであれば、なおのこと正当化できる理由はないことになる。

(9)第四は、電子メールについては、例え業務に関するものであっても、著作権等の知財権、著作者人格権(公表の決定権)、プライバシーの各視点から保護されるべきものであり、通信の秘密の観点からしても、外部に漏洩されるべきものではなく、放送内容にも全く公益性がなかったということである。
 NHKが番組で使用したメールの読み上げは、BPO決定によれば、「人権侵害や放送倫理違反とまでは言えない」としているが、それだけを見れば「単なる時候の挨拶」以上のものではないという理由によるものであり、「(それまでになされた一部週刊誌報道を読んでいる)一部の視聴者に対しては(両氏が男女関係にあるのではないかとの)誤解を与えるような紹介の方法であった点で配慮が十分でなかった」「品位を欠く」旨を指摘している。そして、坂井委員長は会見で、「私としては、いかがなものかと思っている。この番組のテーマからは、ここが必要だとは、私は個人的には全然思っていない。」旨を述べている。
 即ち、番組上、何らの必要性がなく、逆に、他のメディアで報じられている内容(それのリークも、内容から見て理研関係者と考えられる)と併せ見れば、両氏は男女関係にあったという印象操作をしている可能性が高く、公共性、公益性がないどころか、極めて悪質な内容となっている。そのような不適切な報道を誘発させたという意味でも、本件電子メールの漏洩行為は、決して許されるものではない。
 
(10)第五は、理研幹部の注意喚起、制止を無視して、繰り返し漏洩行為を繰り返していた悪質性である。
小保方氏の『あの日』によれば、理研内で守秘されるべき事項が、恒常的に幹部又は山梨大の若山研究室を通じて、外部に漏洩されていたとのことであり、しかも、事務方幹部を通じて注意喚起をしていたにも拘わらず、それが無視されていたとのことである。同書では、次のように記述されている。
 
「仲間だと思っていた人たちからの突き上げと確証のない内部情報のマスコミへのリークはとどまることを知らず、私のもとにはCDBの幹部(GD)か初期の頃から論文執筆に参加していた著者しか知らないはずの内容の問い合わせがメディアから相次いだ。そのために何度も理研コンプライアンス部門に個人情報を含む情報流出の通報をしたが、まったく効果がなかった。(中略)三木弁護士と新聞記者さんの会話の中であるGDの名前が出た際、「明らかにそのGDから情報提供を受けているようだった」と三木弁護士から聞き、強いショックを受けた。」(p173174

「(自己点検委員会の)書類の内容は発表前からいつものように毎日新聞にリークされ、・・・個人攻撃的報道がどんどん流された。」(p182

「個人攻撃的な情報リークがあまりにもひどいと事務方の幹部に告げると、「幹部の中には秘匿情報をマスコミと山梨に流出させている人がいることは認識していて、その人の目星はついている。実は、その人を呼び出して口頭で注意したけれど効き目はなかった」と聞かされた。「本人は正義のつもりでやっているから、困ったものだね」と他人事のように言われた。「山梨に行った情報はすべて毎日新聞NHKに流出するんだけど、止まらない」そして「若山先生には理研広報からも注意を呼び掛けている」ことも聞かされた。」(同)

 上記の通り、NHK毎日新聞その他のマスコミに対する恒常的な漏洩元が、ここに書かれた幹部及
び山梨大若山研究室であることが、事務方幹部の認識としてあったということは、NHKスペシャルで使
われた実験ノート及び電子メールも、これらの者を通じて漏洩された可能性が大きい。

(11)第六は、本件漏洩行為が、公益通報保護法の対象ともならず、それに準じた内部告発的性格も
持たないことが明らかなことである。調査委員会がそれらの提出を受けた資料その他に基づき調査を
進めており、その間に特段の隠蔽行為その他の不正行為があったわけではない。
 また、NHKスペシャル放映前から、小保方氏の採用問題等、小保方氏及び笹井氏に対する個人
攻撃的報道が相次いでおり、小保方氏も事務方幹部に善処を求めていたことが、『あの日』に記述されている(p182)。
したがって、本件漏洩行為の動機は、小保方氏らの評価を貶める個人攻撃にあり、その目的に沿った報道がなされるよう誘導するための漏洩であった可能性が否定できない。

(12)理研幹部らによる、小保方氏らへの個人攻撃を意図した積極的漏洩である可能性を裏付ける資
料として、毎日新聞の須田桃子記者にる『捏造の科学者』での記述がある(P224~)。
 そこでは、自己点検委員会報告書案を事前に須田記者に見せるという提案を、「さる人物」から提案を
受け(「目を通しに来られますか」)、数日後に指定された場所を訪問すると、「前置きもそこそこに資料
を手渡され」、コピーの代わりにカメラでの撮影の了承をもとめると、「相手は軽くうなづき、別の作業を
始めた」とある。
 自己点検委員会の報告書案に関わることができたのは、当然のことながらそれに関係する理研の役
職員及び委員である。上記の事務方幹部が小保方氏に語った話は、漏洩を受けた側の毎日新聞記者
の証言によって裏付けられていることになる。
 公表前に特定の新聞社の記者に、自らが持ちかけて敢えて漏洩する行為は、その内容を紙面で大き
く取り上げさせることを意図していたことは明らかである。実際、須田記者は、事前に報告書案の内容を
見て、小保方氏の採用問題をスキャンダル的に捉えて、社内で議論の上報じた旨を記載している。
 
(13)以上の通り、本件漏洩行為には、秘密保持義務を免除する(違法性を阻却する)ような理由は何らなく、逆に、漏洩によるダメージのほうが遙かに大きく、悪質性は高い。マスコミへの積極的漏洩により、STAP細胞をめぐる混乱が拡大し、科学的検証の域を超えて、小保方氏及び笹井氏に関するスキャンダル的報道を招き、ひいては小保方氏、笹井氏に対する人権侵害的状況を生ぜしめた責任は大きい。
 ついては、早急な捜査の上、被告発人に対して、厳正な処分を行うことを求めるものである。
 
 
2 「『小保方証言』STAP問題の真相」に係る記者への漏洩について
 
(1)本件ニュース及びそれに使われた小保方氏聴取記録の情報管理についての問題点は、以下のサイトに転載されている小保方氏弁護団によるNHK及び理化学研究所に対する抗議文に記されている通りである。
 
(2)同抗議書では、「上記記事掲載の前日である323日、野依理事長の記者会見の最後に、坪井理事は、調査委員会が行ったヒアリングは公開しないということで実施され、事実関係やヒアリング内容について調査報告書に記載されている以上のことについて理研から言及することはできないとの趣旨の発言をしていた。にもかかわらず、その翌日に NHK から、ヒアリング内容の詳細を入手したとしてその一部を引用した形で記事が掲載され、誤った印象を与える偏向に満ちた報道がなされたこと自体、極めて異常である。」としている。
漏洩者は、秘密保持義務を確信犯的に破るとともに、NHKによる事実に反する偏向報道に加担したものであり、本件漏洩行為を行った者の悪質性は極めて高い。
 
(3)ついては、早急な捜査の上、被告発人に対して、厳正な処分を行うことを求めるものである。