【再論】虚偽告訴罪の ①「間接正犯」 /②「教唆犯」「幇助犯」による告発という選択肢
虚偽告訴罪による告発についても、もう少し考えてみました。
誰しもが一致しているのは、石川氏が小保方氏告発に際して、その告発内容を支える証拠類になった材料は、若山研のコアメンバーから詳細に聞いたという内容だろうということです。
その内容が、どういう材料か次第ですが、
①石川氏が、小保方氏が盗んだと確信する内容であれば、「思い込
み」による過失で,不成立。
②石川氏にとって、多少曖昧な要素があったとしても、あえて処罰させ
るために告発したのであれば、未必の故意で、成立。
というのが、前回調べた内容から想像できる話です。
■しかし、そうすると、石川氏が「思い込む」ような内容だった場合(若山研のコアメンバーから聞いた話が虚偽に近い内容だった場合)、石川氏は罪に問われず、若山研のコアメンバーも罪に問われないということになってきます。
それは不合理ではないか、というのが皆さんの共通の受け止め方なのだろうと思います。
そうすると、次の2つの選択肢を並行して検討してみるというのはあるのかもしれないと思いました。
【選択肢1】
これは、石川氏による告発後の初期段階で、本ブログ記事で書いたことがあります。
幇助犯、教唆犯は、例えば以下のサイトなどをご覧下さい。
石川氏が多少曖昧な要素があったとしても告発したのだとすれば、石川氏は未必の故意で成立。
若山研コアメンバーの説明等に、幇助、教唆に相当するものがあれば、共犯成立。
(ただし、石川氏が「思い込む」ものだったら、石川氏が不成立となり、連動してコアメンバーも不成立。)
【選択肢2】
若山研コアメンバーを、虚偽告発の「間接正犯」で、被疑者不詳で告発する。
「間接正犯」というのは、他人を犯罪の「道具」として使う場合です。以下に書いてあります。
例えば、次のような事例です。
(例1)医師が、中味をビタミン剤だといって看護士に渡して、実際には
毒入りの注射をさせて殺させる。
(例2)物事がわからない幼児に、ナイフで刺させる。
石川氏が小保方氏の告発をするつもりで若山研を訪れたわけですから、そこで石川氏が「思い込む」ほどの情報を提供したとすれば、石川氏を道具として、虚偽告発をさせたという構図になるでしょう。
石川氏は、小保方氏が盗んだとする細胞として、元留学生のものに加えて若山清香氏作製のものをフライデー等で指摘しています。この情報は、元留学生の細胞のようにテレビ、雑誌で報じられていた情報ではなく、若山研メンバーでしか知り得ない情報のはずです。
それは、自らが告発したのであれば、虚偽告発になります。しかし、告発をしようとして相談にきた石川氏に、告発につながる虚偽のことを告げたのだとすれば、石川氏を道具として虚偽告発をさせようとしたと解釈できると思われます。その場合、少なくとも、未必の故意はあったと言えると思われます。
したがって、若山研コアメンバーには、石川氏を道具として虚偽告発させた「間接正犯」の疑いがあるという構成が可能ではないかと考えました。
警察は、時としてこういう立件の仕方があるのか・・・と思えるような立件をするときがあるようですが、「間接正犯」もそのひとつでしょう。
石川氏が多弁であれこれしゃべりまくってくれたお陰で、そうだろうと確信できる材料が提供されている形です。
この「選択肢2」は、皆さんが事件の核心にもっとも近い事項、関係者と考えているものを捜査対象とするというものであり、事件の真相解明に直結するものです。
■選択肢1と2のどちらがあり得るのかは、外部の者にはわかりませんが、県警と検察とは、石川氏による告発を受けて、既に若山研の聴取をしているはずですから、判断が容易ではないかと思います。
警察も検察も文系の人間です。このSTAP細胞事件に関心を持っておられる方々は、専門的知識によって、いろいろな手口や細胞の種類、遺伝子の型その他の矛盾等を詳細に議論されていて、それはそれでもちろん有意義な議論なのはもちろんなのですが、これを訴訟に持ち込む、まして時効まであまり余裕がない時に受理~起訴を目指すということであれば、警察、検察が比較的容易に理解できる内容で、できる限りシンプルに、外形的に構成要件を肉付けできるようにするのがいいのではないかと感じます。
時効は公訴時効ですから、それまでに起訴するということですので、それまでの間に、警察、検察が理解した上で受理し、起訴に至る捜査を完了させるということが必要となります。専門知識を要する材料を多く盛り込んでも、消化不良で時間切れになってしまう懸念があります。既存の公開材料等を使って構成するのが省力化にもつながることでしょう。
(補足)虚偽告訴罪の公訴時効は7年でした。
私は文系人間なので、文系人間としてシンプルに構成できるであろう選択肢として、あれこれ思い巡らしながら、次の3つの選択肢を考えた次第です。
①「論文の撤回」―偽計業務妨害罪
③「虚偽告発」―2つの選択肢を並行して。
■なお、小保方氏自身による民事・刑事の訴訟提起は、ご本人がその事情を総合的に勘案して決められるものと思いますが、第三者による告発等については、また別だと思っています。
第三者による告発が、体調不良の小保方氏を巻き込むのではないかと心配される方々もおられます。それはもちろんわかりますが、あまり過剰に心配することはないのではないかと思っています。それは以下のような理由によるものです。
①捜査、訴訟対応は、基本的には弁護士が行うものであること。
②受理されて訴訟になり証人申請等の局面になったとしても、体調のことは配慮さ
れるはずであり、長時間に亘るとも思えないこと。書面の提出等の代替もあり得
るのではないかと思われること。
③何より、小保方氏を苦境に追い込んだ一連の事件の真相解明につながり、その
名誉回復にもつながること。ひいては、早期の社会復帰のための環境整備にも
なること。
④小保方氏の手記『あの日』の裏付けが、司法の世界でかなりの程度得られると
思われること。小保方氏がいう「仕組まれたストーリー」の解明につながること。
しているとすれば、の話です。
【補足】
上記の「選択肢2」の場合、木星さんの重要証言が、傍証として有効かと思います。
「石川氏の告発に関係する「木星」さんの重要証言―フライデー記事の取材源」