理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

Ooboeさんへ―コメント拝見しての率直な感想です

Ooboeさん
 
 パートナーさんとともに、まざまな情報公開請求をされ、真相解明に努めておられることに心より敬意を表します。
 
 それで、有志の会ブログ欄の、以下のコメントを拝見しました。
 
367. Ooboe
   20170314 00:31
 山梨大学若山教授による偽称について
368. Ooboe
   20170314 02:16
 
その上で、率直なところを少し書かせていただければと思います。水をかけるものと感じられるかもしれませんが、冷静にお考えいただく材料になれば、と思い書かせていただくものです。
 
 まず、石川氏への刑事の名誉棄損は、親告罪ですから、第三者は告発できません。また時効は、名前を知ったときから6か月以内です。ずっと前に時効が過ぎています。このことは、ネットでの議論でも以前より指摘されています。
 民事の名誉毀損訴訟であれば、時効が3年ということです。
 
 もし情報公開等で、若山氏が会見前に、法医研の解析結果が間違いであることがわかっていたのに、それを隠して正しいかのように発表して、科学コミュニティやマスコミに錯誤を生じさせたということであれば、「偽計」に当たるかもしれません。
 あるいは、理研の解析担当研究者が、既に解析済みで正しい結果がわかっていたのに、若山氏が故意に正しくない結果を発表しようとしたので、それに合わせて結果を改竄した、ということであれば、それも「偽計」かもしれません。
 Ooboeさんは、それらを証明できる材料を、情報公開請求によって得たということでしょうか? 
 後者の点を指摘されていたような気がしますが、前者まで指摘されていましたでしょうか?
 
 若山氏が法医研の研究者に依頼した解析結果は、誤りだったということは周知のことですが、それは過失によるものだというのがこれまでの一般的理解かと思います。理研も同様に同じ相手に依頼した解析結果を発表していることからも、その解析間違いが、故意によるものとは考えにくいところですが、そうではなく、やはり、故意だということを証明できる材料をお持ちでしょうか?
たとえば、解析依頼をする際に、誤った結果が出るように、故意に試料を操作したり、前提を告げていたということが立証されれば、それ自体が立派な「偽計業務妨害」に当たるでしょうが、そこまでのことをおっしゃっているわけではないのだろうと思います。
 
 会見で発表した解析結果が間違いだったことが、過失によるものであれば、それ自体は、刑事的な問題が生じるわけではありません。。
 会見によって広く報じられて、間違った印象が広がったことも、解析ミスが過失によるものである限り、刑事的問題になることはないでしょう。
 
 法医研という公的組織に依頼したのではなく、それに属する研究者個人に依頼していたのが実態だったということは、(「外部の第三者」の権威を比較的上げることには多少はなるかもしれませんが)それ自体が「威力」なり「偽計」に当たるものではないと思います。
 若山氏が「公的第三者機関」という言葉を使った意味は、「信頼できる外部の者」ということだったと思われることは、既にご説明した通りです。自分で恣意的に解析したわけではない、という趣旨です。その趣旨の下では、「機関」の実態が、組織であろうと研究室であろうと個人であろうと、あまり関係ないわけです。
 理研も同様に、「第三者機関」に依頼したという言葉をずっと使っており、最後のモニタリング委報告書でも同様の言葉を使っています。ですから、若山氏が、「公的第三者機関」という言葉を使ったとしても、それ自体が、何か刑事的問題を生じさせるものではないと思います。
 
 「威力」は、暴行・脅迫、社会的地位等を利用した威迫、力の誇示等、「人の意思を制圧するに足りる勢力の一切」と解説されています。「権威」も「威力」に含まれるとしても、それが「意思の制圧」につながるものという意味合いとワンセットでの用語です(例えば、従わなければ地位を奪う、取引を止める等の言辞より威迫して、無理に業務の適切な遂行をさせないようにする等の事例)。
 法医研という公的組織に依頼した結果であったかのように印象操作したとしても、それ自体が誰かの意思を「制圧」するものではないと思われます。
 (公的機関によるものか個人によるものかを問わず)間違った解析結果の発表により、人々をSTAP細胞はあり得ないという錯誤に陥らせたことは事実ですが、それが故意の計略等によるものでなければ、「偽計」には当たらないと思います。
 
 では「偽計」による「業務妨害」に当たるものは何かといえば、 
(1)放医研の研究者に依頼した解析結果の間違いが、ミス(過失による)だったことが判明した後も、
それが
①その解析結果によって、論文撤回に強硬に反対する共著者らも撤回に同意せざるを得なくなったとの事情を知りながら、また、
②共著者全員がサインして提出した撤回理由書の内容と異なることを知りながら、
敢えてそれを共著者に連絡することなく、撤回理由の錯誤に陥らせたまま、論文撤回再検討の機会を失わせたこと。
 
(2)ネイチャー誌に対して、無権限で(全共著者からの授権なく)、撤回理由書の書き換えを単独で行い、共著者全員で合意した理由書とは異なるもの内容によって、撤回を確定せしめたこと。
 
(3)以上によって、
 ①撤回再検討を行うという業務を妨害したこと、
②論文撤回が確定し、その論文が有効であることを前提とした研究活動、特許出願等の業務を妨害したこと。

と考えたわけですが、刑法の専門家から見て、どう評価されるのかは、わかりません。
 
 なお、業務妨害の動機のことを言われるご意見がありますが、特段、動機まで証明する必要はないと思います。動機無き殺人などはしばしばあります。
 しかし、ここでの動機は、単純に、「論文撤回を実現すること」ということかと思います。
 若山氏は、310日に突然、他の共著者に相談することなく、撤回を呼びかけて以来、一貫して撤回することを目指して働きかけを各方面にしていました。それは外形的にもメール等の物証によっても確実に証明できることです。
 解析間違いを知らせなかったことは、解析結果が論文撤回合意の決定的要因であり、その間違いを知らせることが再検討につながることを知っていたからですから、「論文撤回完遂」が動機だったということか思います。
 
9 Ooboeさんとそのパートナーさんの真相解明に向けた長期に亘る熱意と取組みは、真似しようとしてもなかなか真似ができないところで敬服する次第ですが、ただそこで収集された材料を以て、訴訟にするということになると、法律独特の論理構成なり訴訟上の常識に即したものにする必要があります。
以前、情報開示請求で非開示(不存在)処分に対して異議申立てをしておられましたが、申立て理由のお気持ちはわかりますが、情報公開法の仕組みにはそぐわなかったということかと思います(ただ、不開示ではありましたが、異議申立てによって事情説明がなされましたので、それはそれで大きな成果だったと思います)。
 やはり、(三木弁護士である必要はありませんが)弁護士さんには、初期段階で、論理構成と必要な材料の当てはめ方などのご相談はされたほうがよろしいかと思います(もし既にされているのであればお許し下さい)。そうでないと、せっかくいろいろ取組みをなされているのに、その労力と時間とが無駄になってしまいます。
 なお、石川氏が使ったような行政書士ができるは、あくまで告発状その他の書類の(物理的な)作成、提出の代行業務だけであり、告発等の紛争に関係してくる中味の法律相談はできません。
 
10 冒頭「1」でご説明したとおりですので、小保方氏や三木弁護士に名誉毀損の刑事訴訟提起の表明を求めるのは物理的に無理というものです。
 また、民事訴訟を提起するかどうかは、文字通り諸事情を総合勘案してご本人が決めることですし、まだ時効までには十分な時間があるわけですから(20181~3月頃まで)、今の時点で意思の有無の表明を迫ることは適切ではないと感じます。外部にはわからない諸事情もあると思います。
 BPOの方も、ああやってNHKが反論していますから、三木弁護士としては、そのフォローも必要でしょう。
 
 
 以上、率直なところを書かせていただきましたが、決してOoboeさんを批判するつもりで書いているわけではありませんので、ご理解賜ればと思います。