理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

NHKの意図的な誤認誘導―「『小保方証言』STAP細胞の真相」ニュースの「手口」と共通


 前回記事でも書きましたが、少数意見の奥委員は次のように述べて、NHKの取材不足と、わかっていたのに誤解を招かないようにする努力をしなかったことを批判しています。
 
「3.なぜ、名誉毀損ではないのか――私の見解」で述べたように、本件放送の関係部分は、元留学生が作製したES細胞(前記のZ)と遺伝子解析でアクロシンGFPが組み込まれていることが分かったSTAP細胞=ES細胞(前記のX=Y)との異同にはふれていない。
ところで、NHKはZの作製者である元留学生に電話取材した際、ZにアクロシンGFPが組み込まれているかどうかを確かめなかったのだろうか。すでに遺伝子解析でX=YにはアクロシンGFPが組み込まれていることが分かっているのだから、ZにアクロシンGFPが組み込まれていることを作製者から確認できれば、その事実を媒介にしてX=Y=Zが成立する。申立人に投げかける疑惑はより確かなものとなっただろう。こうした確認をしなかったとしたら、不十分な取材だった言わざるを得ない。むしろNHKは、ZにアクロシンGFPが組み込まれていないことを把握していたと考えるのが自然だろう。
 
 そして、「誤解を招かないようにする努力をしなかったこと」を以て、放送倫理違反に当たるとしているものです。
 「むしろNHKは、ZにアクロシンGFPが組み込まれていないことを把握していたと考えるのが自然だろう。」とまで認識していながら、「誤解を招かないようにする努力をしなかった」と述べています。普通、認識しながらも、それを明確にしないとすれば、そこには何らかの誤認誘導の意図があった可能性もあるのではないか?と考えるのではないかと思うのですが、そういう様子はありません。
 
 奥氏がそうやってNHKに好意的に解釈しようとしているのは、このNHKスペシャルが優れた調査報道だという評価に立っているからのようです。後にES細胞だと判明したことを、いち早く材料を発掘して報じたもの・・・という理解をしているようです。
 
 「不正入手疑惑」に関して、NHKが、「盗んだかどうかはわからないが、ファクトとして留学生のES細胞がそこにあったことを伝えた。」と述べており、裏付け取材をしていないことを事実上吐露しているにもかかわらず、そのことは不問に付しています。それも、優れた調査報道だという評価に立っているからのことでしょう。
 
 しかしそれは、それこそ誤解であり、あのNHKスペシャルは、20143月以降、「小保方ぁ~地獄の底はまだ深いぜ~」と呟いた悪意ある理研関係者のリークの重要な受け皿、拡声器としての活動の一環であることは、一連の動きをフォローしている人々はよく理解しています。
 NHKは、「誤解を招く努力を怠った」のではなく、「あえて誤解されるように誘導した」というのが真実でしょう。もし奥氏が、多少なりともそのことに気がついていれば、より重大な意味での「放送倫理違反」であり、「人権侵害」であるとの判断に至ったことでしょう。
 
■できれば、NHKスペシャルの8ヶ月後の20153月に流されたニュースの「『小保方証言』STAP問題の真相」も併せて、放送人権委員会の場で審理がなされていれば、NHKの記者の悪意と誤認誘導的問題とが、より明確に理解できただろうと思います。
 
このニュースの酷さは周知の通りで、多くの皆さんが指摘している通りです。
 
聴取の調書を意図的に切り貼りして、小保方氏が自家蛍光かどうかの確認を一切していないかのように印象付けようとした、極めて問題のある内容でした。すぐに悪質な切り貼りだということは判明しますから、このニュースの制作者と、NHKスペシャルの制作者とが共通であることを理解すれば、NHKスペシャルも、「あえて誤解するように誘導する」という意図によるものだっただろうということが、実感として理解できたと思います。
 
 ちなみに、上記の20153月の「~真相」のニュースですが、流れからみて、このニュースのタイミングは、小保方氏を限りなくクロに近い印象形成をした桂調査委報告書の翌1月に、石川氏が小保方氏を刑事告発したものの、小保方氏が被告発者では受理が難しくなってきて、被疑者不詳に切り替えざるを得なくなった時期に当たります。
 何としても小保方氏を貶めようとする執念のようなものを感じます。
 
■ 今、北朝鮮金正男氏の暗殺に関して、北朝鮮政府が騒いでいますが、騒げば騒ぐほど、北朝鮮が仕組んだことだろうということが強く印象付けられます。言っていることが、死因は心臓麻痺だ、司法解剖するな、即遺体を引き渡せ等々無茶苦茶な話ですから、かえって北朝鮮の仕業だろうということが確信になってきます。
 STAP細胞事件においても、それと似たようなところがあります。自己点検委にしろ、改革委にしろ、石井調査委、桂調査委にしろ、小保方氏参加の検証実験にしろ、あまりにも内容や進め方に無理や飛躍があり過ぎます。NHKのニュースやスペシャルもまた然りです。
 なぜ、ここまで無理を重ねてでも、STAP細胞や小保方氏を徹底的に否定しようとするのか、ということが、逆に大きな疑問となって浮上してきて、これは特定の関係者による「仕業」だろうという確信に変わります。いったい誰がシナリオを書き、演出しているのか? いずれ明らかになる日が来ることでしょう。
 
■ それが直接は誰であるのかは別として、その後ろ盾になっているのは、STAP論文発表から約1週間経った頃に竹市センター長に届いたメールの発出人として、連名で記載された「日本で一番大きな生物学分野の学会に所属する有名な先生方」であろうことは容易に想像できます(『あの日』p142)。
発表からわずか1週間後に、「過去の論文にゲル写真の使いまわしの疑義がある」とし、「悪質な研究不正を行う人であることが明白なので、耳が痛い話とは思いますが、容易に信用しないように」という決めつけをする有名な先生方には、STAP細胞と小保方氏を潰す強力な動機があったことでしょう(パラダイムシフトになってしまっては、それこそ死活問題でしょうし)。それがその後の一連の無理筋の報告、報道の連続を招いたのではないか?と、どうしても連想してしまいます。
若山氏にしても、有名な先生方の連名でのアンチ小保方、アンチSTAPの姿勢を知らされた時に、自分の今後の研究者人生を考えたのかもしれない・・・とも想像してしまいます。(2014年)2月下旬までは、あれだけ強力に小保方氏とSTAP細胞の存在を擁護していたにも拘らず、そして問題となった箇所も、若山氏を含む著者全員のサインの下にネイチャーには訂正通知がなされていたにも拘らず、その直後に他の著者には相談なく撤回をいきなり呼び掛けたり、毎日新聞の須田記者にアプローチして撤回の理由と(あれだけ否定していた)ES細胞の可能性をPRしたりと、常軌を逸した行動に出るようになったのも、よほどの何かがあったからだろうと感じますが、その大きな要因の一つに、有名な先生方の存在と強力な意向があったのかもしれないという気がします。
 
ところで話は飛びますが、最近、科学界では、「利益相反」という話があれこれ議論されています。直接的には、自分が研究費をもらって開発に参加している製薬会社の製品の効能等について、第三者的立場に立ってそれを認めるというようなことが念頭にあるようです。STAP細胞問題においても、最初に竹市氏にメールを送った「有名な先生方」が、もし、改革委や桂調査委に参加しているようなことがあれば、それは一種の利益相反になると思いますが、そのようなことはないのでしょうか・・・?
そのメールを寄越した「有名な先生方」の名前を知りたいものです。