理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

【補足2】検証実験と不正調査の関係/若山氏が「被調査者」でない点について

 
 ご指摘のように、桂調査報告書では、「不正調査規程に基づく調査であり、調査対象は小保方、若山、丹羽の3氏」とされています。


 この字面だけをみれば、規程に基づく不正調査の被調査者の立場から逃れたという言い方は正確ではなかったかもしれません。
 しかし、言わんとすることは、規程に基づく不正調査であれば、小保方氏の場合と同様、山梨大の若山研とその保管試料(理研からの移管試料)を証拠保全した上で、調査をすすめなければならなかったのであり、山梨大も同様に自らの大学における研究不正として(研究が行われた機関は規程上は関係ありません)、同様の措置を取らなければならなかったが、そうはしなかった、という点が基本的な問題であるということですね。
 桂調査委には、山梨大の久保田教授も委員として参加していますから、共同調査のようなものでしょう。


 基本的試料の保全がなされず、被調査者自身がアクセスでき、外部機関にも出し、自らも解析できる状態のまま、任意に提出を受けた試料をもとに調査しても、それは証拠能力に乏しいというのが一般的な捉え方ですし、FES1のように、重要試料が山梨大の若山研経由で調査委が入手したのであれば、論外でしょう。実質は、被調査者ではなく、協力者としての扱いだったということです。
 
■そして、丹羽氏については、笹井氏と同様、「ES細胞では説明できない」と指摘した点に関して、「彼らがどうしてそう言うのかわからない。調査対象外だ。」とし、丹羽氏が公式の記者会見で指摘した「確かにSTAP細胞由来と思われるGFP陽性細胞が胎盤組織に インテグレートしていることを、切片を顕微鏡で自分の目で確認している」という証言を無視し、逆に、画像だけを見せて、「図によっては胎盤なのか別の組織なのか、専門家は、疑わしいと言っている人がいる。疑わしいという言い方だが・・・。」という程度の話で、「卵黄嚢の可能性が高く、強引に胎盤と断定した可能性あり」と断じてしまっています。これでは、丹羽氏を改めて聴取をし精査した上で結論を出したとは到底いえません。

 以上のように、調査プロセスと調査内容の両面で、基本的問題があるわけですから、字面だけで、若山氏も丹羽氏も調査対象にしました、と言われても、内実はそうではなく、調査としての基本的体をなしていないといわざるを得ないということですね。