理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

責任著者の若山氏を「被調査者」の立場から逃れさせる超アクロバッティングな構図を定着させたシナリオ

 若山氏が不参加の理由として、「ご多忙のため」と理研は説明していたかと思います。それは本来おかしいはずです。研究不正規程では次のようになっていて、被告発者の一人であるはずの若山氏は、協力しなければならないはずであり、現所属の山梨大も調査開始の通知を受け、同様に協力(又は自らも調査開始)する立場にあったはずです。
 不正調査の開始は、マスコミやネット、科学コミュニティからの指摘が契機ですから、研究不正規程に基づけば、レター論文の責任著者である若山氏が「被告発者」(=被調査者)の立場から逃れることはできなかったはずです。
 
「(告発等の取扱い)
第17条
5 学会等の科学コミュニティ、報道又は他機関から特定不正行為の疑いが指摘された場合は、告発があった場合に準じた取扱いをすることができる。
 
研究所は、本調査の実施を決定したときは、告発者及び被告発者に本調査の実施を通知し調査への協力を求めるとともに、被告発者が他機関に所属する場合は、当該他機関の長にも通知するものとする。
告発者及び被告発者は、第4項の本調査の実施の通知を受けたときは、調査に誠実に協力しなければならない。」
 
■ところが、研究不正規程の条項にもかかわらず、なぜ、若山氏が直接の「被告発者」の立場をはずされたかといえば、その根拠は自主点検委員会報告であり、改革委提言にあることは容易に想像できるところです。
 布石として、自主点検委は、当初から、笹井氏と小保方氏を対象として絞り込み、この二人が「研究不正」に直接関与したかのような構図を描きました。若山氏は、あくまで依頼されて、「技術支援」の観点から協力した受動的立場にあったに過ぎない、という構図を公式のものにすることが、この自主点検委報告の大きな肝の一つです
 
 そして、改革委は、この自主点検委が描いた構図を踏襲し、若山氏が責任著者である「レター論文の不正調査を実施せよ」と提言する一方で、「再現実験をさせよ」と提言したのは、小保方氏のみが対象でした。さらに、若山氏を、遠藤氏と並べて、理研内部で不正を追及した「勇気ある者」として高く称揚しました。
そして、日本の科学界の総本山とされている日本学術会議までが、この改革委提言と同様に、「研究全体が虚構であったのではないかという疑念を禁じ得ない段階に達している」とし、「前代未聞の不正」「世界三大不正」という改革委の指摘にお墨付きを与えました。「研究不正に最も深く関わったとされる小保方氏」と指摘もしています。
 
■かくして、若山氏は、日本の科学コミュニティの総意として、不正調査が行われるレター論文の責任著者でありながら、不正調査の直接の被調査者の立場から逃れることができ、「協力者」という立場を得た(・・・というより与えられた?)という、超アクロバッティングな積み重ねにより、シナリオライターは、「小保方氏主犯(単独犯)」との構図を公式に確定させる目的を成就させたというわけです。
 
検証実験に関する改革委提言で、監視委に進め方を決定させるように持って行き、それを科学の常識とは異なる「想定外の制約」を課することで、小保方氏の再現実験を失敗させるというところまで、すべてが一貫したシナリオの下で動いている印象を強く受けます。
科学コミュニティ全体がアンチSTAP、アンチ小保方ですから、シナリオ通りに動かしやすかったとは思いますが、冷静かつ客観的に見れば、明らかに異様な構図によるシナリオが罷り通ったというのは、徹底的なマスコミリークと反STAP、反小保方の各種発信による世論誘導が背景にあったことは間違いありません。
それでも、これだけのシナリオを完遂できる者というのは、よほどの力量と地位とがあるのだろうと感じます。笹井氏と同様、研究者でありながら、行政マン的能力があることを想像させます。