理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

改めて理研の情報公開のスタンスについて―棒グラフは「法人文書」であることは明らか

ooboeさんから、前回の私の記事に関して、一研究者ブログのNo7420で、 コメントをいただきました。
 
 開示情報の今後の整理をお待ちしたいと思いますが、この検証実験に関するデータの情報公開については、経緯がありますので、念のため整理しておきたいと思います。
 
 昨年3月に小保方氏のHPで、検証実験で得られた画像、データだとして公開されたものに対して、これを疑問視する方が、5月に理研に請求したのが最初でした。ご自身で書かれていますが、以下の記事でご紹介しています。
 
今すぐに出てきませんが、理研からの「不存在」「探したが見当たらない」との回答は、情報公開窓口からの回答になっていましたし、その回答書の写しの画像もどこかにアップされていたかと思います。
これに対して、小保方氏の三木弁護士が、理研の広報に、情報公開請求があった場合の対応について照会したところ、「公式記録保管開始日」以前のものは公開していない、との返答がありました。
 
更に木星さんが、具体的にその開始日なるものはいつなのか、を広報に照会したところ、9月16日だということがわかりました。
 
上記記事でも詳しく書きましたが、行政庁や独法に関する情報公開法では、
 
「職務上作成・取得した文書等で」
+「その行政機関の職員が組織的に用いるものとして」
+「その機関が保有しているもの」
 
 が、「法人文書」(行政庁では「行政文書」)の定義であって、公式、非公式云々ということは関係ないということは、ooboeさんも書かれている通りです。
 
 こういう基本的なことを理解せず(無視して?)、公式記録のみが対象だという情報公開請求への回答をしたことは、大きな誤りでした。相澤リーダーは、予備実験段階のものも含めて、報告論文にまとめているのですから、理研の回答は無理があり過ぎました。よほど、データを隠したかったのでしょう。
 
 しかし、これがもし、国政等の大きな争点に関する情報公開請求で、こんな回答をしたとすれば、間違いなく理事長、理事らの首が飛ぶ話です。上記の情報公開請求に対する回答を、誰が決裁したのか?今回、ooboeさんのパートナー氏に開示された際の決裁は誰だったのか?は興味深い話です。ただ、情報公開請求しても黒塗りで返ってくるのかもしれません。
 想像するに、人事異動で人が代わって、以前のような対応では大問題だということを新しい担当者と決裁者とが理解したのではないかと思います。それまでは、陰に陽に、開示しない方向に「圧力」的作用、雰囲気があったのではないでしょうか。
 
 いずれにしても、本来の「法人文書」の定義に従って開示するよう、改めたのはよかったと思います。
 
■しかし、問題はまだ続いています。ooboeさんによれば、
 
「棒グラフ化は、このデータを保存している機器のみで可能ですから、保有している理研さん頼んで頂くしか、方法は、ありません。以上がバイオラッド社さんの説明
 ということで、パートナーは、理研にこのバイオラッド社の説明を情報公開窓口に伝え、改めて、保有しているバイオラッド社製PCR で、遺伝子発現量の棒グラフ化資料の開示請求手続を取りました。」
 
 とのことでした。検証報告書にも使われた、棒グラフの形では開示してこなかったわけです。これも、明らかにおかしい話です。おそらく、開示請求した際の文言が、棒グラフということが明示的に読みとれないのを捉えて、一次的生データを出してきたということでしょう。
 しかし、それを解析し、棒グラフ化するには、理研所有の機器にかけなければならないのであれば、意味がありません。たとえて言えば、カセットテープを渡されて、渡した側の専用テープレコーダーでしか再生できないのに、「データは渡したからね」と言われているようなものです。
改めて、棒グラフの形で請求されたようですので、いずれ開示されることになるはずです。
 
 検証実験の際、理研内部で、「職務上作成・取得した文書等」として、「理研の職員が組織的に用いるものとして」、棒グラフが作成されていることは明らかですから(報告書にも掲載されています)、これを開示しないという余地は、理研にはないはずです。
 ooboeさんは、控えめにお願いベースでされているようですが、これは、理研の対応に大きな問題があるのですから、小保方氏弁護団木星さん、佐藤貴彦さん、DORAさんらが、正面から、7月から11月までの検証実験データの棒グラフ化したものを請求されれば、理研は出さざるを得ないはずです。
 
 本件データには、『あの日』に書かれているように、8月初旬(8月1~4日)に、最初に検証チームとして解析したときのデータが含まれているはずで、それがイコール、小保方氏のHPに掲載されている画像、データのはずです。
 それが今回の、理研方針転換後の請求で出てきたとき、5月に理研が「存在しない」「探したが見当たらなかった」との回答と齟齬を来すことになりますが、理研はどう説明するのでしょうか・・・? 一般的な捉え方は、「隠蔽した」「虚偽の回答をした」ということになってしまいます。
 それはともかくとして、いささかなりとも、小保方氏の名誉回復になるのは間違いないでしょう。あの画像、データが真実だったということが判明すれば、世界の科学コミュニティの見方もまた変わってくることと思います。