理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

破綻が一層明白となった石川氏の告発―謀略的疑いが濃厚に


 DORAさんが、佐藤氏の新刊のコメントをされています。
  http://blogs.yahoo.co.jp/nx3262p0yz057j/15323968.html

 遠藤氏の解析に対する外部有識者の検証結果は、全文40ページにわたる大部のものなのだそうです。
 また、若山清香氏作製の2本のチューブに関して、次のように述べておられます。


「中でもこの本における最も重要な新情報は、石川智久氏が「小保方氏が盗んだ」と主張する若山清香氏作製の二本のチューブのラベルについてのものである。
 そのラベルには「129/GFP ES」と書かれてあった。
このことは、ネット上でもさかんに推測されていたが、いまひとつ証拠が掴めてなかった。
 この本では、石川氏が「若山清香氏が作製した」と主張する二本のチューブが「129/GFP ES」であったということの根拠が述べられている。」

 
 DORAさんご指摘の点は、本書の冒頭の「第一章 でっち上げられた窃盗容疑」に書かれています。
 「小保方氏はマウスの系統に詳しくなかった」と桂報告書は述べ、若山氏も「小保方さんはマウスには全然詳しくなかった」と述べている状況下で、フリーザーにあるチューブのラベルを見て捏造のための利用を思いつくと考えることの不自然さを指摘した上で、
 
「これだけでもかなり無理のある話であるが、それでもなお、小保方氏が捏造犯だと仮定すると、さらに不思議なことがある。それは、マウスの系統を把握していなかった小保方氏が、若山研のフリーザーにあった種々雑多な細胞の中から手にしたものが、たまたまSTAP細胞の系統(129B6)とぴたりと一致したということである。
 もし、FES1が若山研に残されていたとすれば、それが唯一の129B6ES細胞だったのだが、それをどんぴしゃ手にしたというのである。
 こんな偶然があり得るだろうか。
 常識的に考えれば、小保方氏がFES1を入手し、それを混入させることなど到底不可能なのである。
 となると、奇妙なのは、次のことである。
 調査報告によれば、小保方研のフリーザーに「129GFP ES」と書かれた試料があって、この試料は、ゲノム解析より、FES1とほぼ同一であることが判明したという。
すなわち、「129GFP ES」のチューブの中身がFES1だったというのだ。
 だとすれば、小保方氏が入手することができるはずのないFES1が、なぜ小保方氏のフリーザーにあったのか。
 むしろ、その方が不思議である。
 しかし、さらに奇妙なことがある。」p16-17
 
 として、続いて石川智久氏による刑事告発の話に移ります。石川氏は、当初、中国人留学生のES細胞を小保方氏が盗んで、STAP細胞捏造に使ったかのような言いぶりだったものが、三木弁護士らに時期的矛盾を指摘されて、若山清香氏作製の2本のチューブを盗んで使ったかのように、主張を変遷させていることは周知のことです。
 それでは、その若山清香氏作製のチューブというのは、具体的にどれか?というと、桂調査報告では、混入されたES細胞というのは、「FES1」、「GOF-ES」、「129B6F1ES1」の3つに限定されていますが、後2者は、若山氏や学生から渡されたものなので対象から外されるため、FES1ということになってきます。しかし、それは桂報告書が述べる通り、大田浩氏作製のものであって、若山清香氏作製のものではありません。
佐藤氏は、この点を指摘の上で、


「ようするに、石川氏は、調査委員会報告書とまるで矛盾したことを、自信たっぷりに述べているのである。」


 とし、石川氏が、松本道弘氏との対談のweb番組(ノースチャンネル)で、「129GFP ES」(=FES1)と書かれているチューブの写真(日経サイエンス、有志の会等で掲載の写真と同じもの)を示して、小保方氏が盗んでSTAP研究に使ったと述べていることを指摘しています。若山清香氏が作製したという2本のチューブ=129GFP ESFES1というのが石川氏の主張ということになりますが、桂調査委のヒアリングに対して、若山氏とCDB若山研メンバーは、「129GFPES」については全く知らないと回答していますから、桂報告書と明らかな矛盾ということになります(p20-22)。
 このノースチャンネルの存在は、知りませんでした(現在は削除されている由)。
 石川氏は、告発に当たって、山梨大の若山研を訪れて詳細な事情を聴き、証拠を集めて告発状を修正して提出したとしていますから、それであれば、若山清香氏自身が、あの2本のチューブは自らが作製したものであり、盗まれたのだと主張して当然なはずですが、桂調査委に対しては「全く知らない」と述べているわけですので、石川氏の主張は完全に破綻してしまっています。

 【補足】DORAさんが、ノースチャンネルの映像を紹介しつつ、石川氏が129GFPES」を指し示す様子を解説しています。

 このように、その主張に完全破綻を来している石川氏を唆したのは誰なのか?ということを、p22以降、フライデー等へのリーク(「引っ越しのどさくさに小保方が盗んだ」)、オホホポエムの存在、若山氏の不可解な沈黙等に言及していき、悪意ある者が理研には存在したことを佐藤氏は縷々述べています。
 
■各種の公開されている諸材料から、佐藤氏が推定するように、「謀略」の存在が強く推定されるところであり、私自身も、佐藤氏が言及して下さったように(p92)、自己点検委報告書が強い政治的意図を持って作成され、それによって構築された枠組み、シナリオに沿って、改革委、桂調査委とも動いてきていると考えるものです。
 そのような公開材料以上に、石川氏による告発の背景にある悪意、政治性等をより直截的に明らかにすることができるのが、兵庫県警の捜査資料です。
 これは、以前にも繰り返し述べましたが、STAP細胞事件を解明するための公共財的な一級資料です。
 
もし、小保方氏側が、BPOの審理決着後の次の一手として、石川氏に対する名誉棄損の民事訴訟を提起すれば、それらの捜査資料が明らかになる可能性があります。
 刑事事件での捜査資料を、関連する民事訴訟で証拠として開示を受けて援用することができる制度運用がありますので(すべて可というわけではなさそうですが)、それを活用するということです。ただ、刑事事件としては不起訴となったことや事件の性格から、それを民事事件で証拠として申請できるのか、裁判所に開示されるのかは微妙なのかもしれません。しかし、活用できれば、県警の事情聴取で、誰が何を陳述したのか? 若山夫妻、若山研メンバーがどう説明しているのか? 理研CDBの施設・物品管理担当者はどう話しているのか? そして、もしかすると、オホホポエムを投稿した理研関係者も突き止められて事情聴取を受けているかもしれません。


 捜査資料の開示が難しくても、当然、関係者の承認申請はなされますから、石川氏、若山夫妻、理研関係者が証人として、どう語るのか? 沈黙は許されない状況になりますから、その内容が注目されるところです。更に、佐藤氏が述べるような桂報告書との重大な矛盾もありますから、場合によっては、桂調査委員会関係者を証人申請することもあり得るでしょう。
 
 小保方氏の名誉回復のためには、BPOでの審理が第1陣だとすれば、石川氏に対する名誉棄損訴訟が第2になると思われます。小保方氏の体調その他の考慮要因もあるのかもしれませんし、一義的は小保方氏個人の問題ではありますが、ここまで大きな社会的事件となったSTAP細胞事件を解明するためにも有効な手段ですし、名誉棄損の立証は比較的容易だと思われますので、第2陣の検討を期待したいところです。
 それは、STAP細胞問題の風化と、小保方氏捏造犯の印象定着とを防ぐ効果も期待できます。近々なされるであろうBPOの決定で、一定の注意喚起は期待できるとは思いますが、基本的には、番組構成自体の人権、倫理上の問題指摘に留まりますので、それだけでは全体の真相解明に至らないでしょう。時間の経過とともに、事件への関心も薄れ、小保方氏がES細胞混入の捏造犯という印象が定着しかねません。


 名誉棄損訴訟を通じて、小保方氏がES細胞を盗むどころか、ES細胞を混入させる余地はなかったことを、明確に立証することができると思われますから、その過程を発信していくことによって、世間の見方も変わってくることを期待できると思います。
 
 年が明けて、1月初めが、米国特許出願に対する第1回拒絶理由通知に対する応答期限(3か月+延長3か月=6か月)ですので、それがどうなるのかも気になるところです。
 続いて、BPOの決定の通知・公表が控えていますから、ここしばらくは、目が離せません。



 ※ 先ほど、コメント欄に、nnooさんが、以下のコメントを入れて下さっていました。有難うございます。一研究者ブログのその記事のコメント欄で、そういう情報提供がなされているとは全く気が付きませんでした。さっそく見てみたいと思います。

一研究者プログ、ライター粥川スレを覗いたら、ooboe という方が、この方のパートナーが、次次
理研から重要資料を入手して、資料をもとに、小保方エール派としての根拠を遡りましたら9月あたりから展開されてます。なかなかの、切り口であのような、狭いスレでは、もったいないと思いました。今回新刊佐藤貴彦本
にもない、資料を報告されてます。
併せて、覗かれることを、お薦めします。
このパートナーという方は、
小保方再現性実験時の予備実験7月から10月末までの緑色フィルタ赤色フィルタ分離画像500枚、PCR 遺伝子発現資料50枚を入手して、専門家に見極めの判断をしてもらうため、コンタクト中だそうです。」
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