理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

【メッセージ】 木星さんへ

木星さんへ
 
 暫く落ち込んでおられたようでしたが、また記事が復活したようで何よりです。安心致しました。
 一連の騒ぎの中で、木星さんがブログでぽろっと書かれた、「小保方さんあっての私であり、私がいくら叩かれても関心を持たれない」という趣旨の短い一文が、強く印象に残ると同時に、実名で様々なリスクを背負って活動されている木星さんの取材の成果にフリーライドしていることに、申し訳なく思いました。
 既に皆さんがコメントを寄せられていた通り、木星さんのSTAP細胞問題におけるご貢献には極めて大なるものがあるとつくづく感じています。問題の解明も、木星さんのご活躍がなければ、ここまでの展開になっていなかったことは間違いありません。小保方氏のフリーザーの保存リストや、山梨大と理研の間のMTAなどは、真相究明のための最もベースとなる一級資料として、多角的に使われていることは、周知の通りです。思わず息を飲むほどの仮説を展開されている「和モガ」さんも、その推理の主なベースの一つに木星さんの資料があると思います。


 また、ビジネスジャーナルなどで発信されている記事についても、一般のマスコミが、桂調査委報告以後の一連の動きについて報じることが、文字通り皆無に近い中で、ネットマスコミの一員として、社会に対する注意喚起を活発に行っておられることもまた、多大なご貢献の柱です。小保方氏の手記『あの日』がベストセラーとなって広く受け入れられた背景には、木星さんが主宰され多くの読者を得ている『小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会』のブログでの情報発信も大きな要素としてあったと思います。
木星さんの記事の切り口、取り上げ方等について、批判を含めていろいろな声はあると思いますし、時には若干のバイアスや勘違いもあるとは思いますが、その事実について広く社会に伝えるという貢献度合いに比して、それらは大きな問題ではありません。もともと木星さんにおける「小保方氏擁護」「STAP細胞あり」というスタンスは明確であり、その点からのバイアスがあることもまた明確ですし、専門的で難しい内容の理解に関して、時として勘違いあるのは(もちろん好ましくはないですが)やむおえないところがあります。勘違いがあれば、訂正し告知すればいい話です。少なくとも、意図的なミスリード、誘導をしようとの狙いによるものではないことは、理解している読者は理解しています。黒を白と言いくるめて広めるデマゴーグとは全く異なります。
一般マスコミでは、意図的なミスリード、誘導は日常茶飯事ですし、書きっぱなしで訂正、謝罪などほとんどありません。
 
 今回の騒動において、木星さんがミスを認め謝罪されているので、外部の第三者がそれについてとやかくいう話ではありませんが、故意によるものではなく、過失によるものだということは明らかですし、「表現上の創作性のない部分又は思想、アイデアなど表現それ自体でない部分」についての著作権保護の可否に関してはいろいろ議論があり得ることもまた事実です。


 それはともかくとして、本件のミスを以て「科学の専門家でもないのに関わるからこういうことになるのだ。今後は科学に口出しするのはやめよ!」といった非難をする向きがありますが、少なくとも、このような非難については論外です。実は、これを言いたいために、あれこれ述べているのではないか、と勘繰られても仕方がない非難であり、それだけ、木星さんの存在が彼らにとっては邪魔だということの証左と言えるでしょう。
上記に述べたような様々な根幹に関わるような情報の発掘と、「不都合な事実」の社会へ注意喚起という貢献は、逆から見ると、邪魔で仕方がないということになります。
もし本当に、「桂調査委の結論で全く疑問がなく、科学コミュニティとして完璧な判断を下している」と信じているのであれば、非専門家の言うことなどは、雑音だと思って無視していればいいだけの話ですが、そうなっていないところが興味深いところです。
木星さんへの非難、攻撃は、その存在感、貢献を裏付ける勲章だと思えばいいと思います。
 
 私を含め、専門家でもない者がこれだけ多く、STAP細胞問題について依然として関心を持ち続けているというのは、日本の科学コミュニティの判断に釈然としない・・・というより、明確な疑念を持っているからに他なりません。
 もともと科学者は、非専門家に対して、初歩的疑問も含めてわかりやすく説明する責務を負っているはずです。わずかな予算の獲得にしても、行政や政治、それを支える国民に対して、その意義、正負の影響等について説得できなければ困難です。研究の実施や成果物の利用に関しても、その安全性について、風評の類いも含めて、わかりやすい言葉で理解が得られるようにしなければ、何も始まりません。科学者の専門知識からすれば、馬鹿馬鹿しく思うような質問に対しても、馬鹿にすることなく、理解を得なければ前に進まないのです。原子力発電の件を想起すれば、それは明らかでしょう。
 今や、あらゆる行政分野において、施策の決定、実施に際しては、官庁は広く国民の意見、疑問を受け付けて答え、時には修正するためのパブリックコメントを制度化しています。それに対して我々は、率直な疑問や問題点をぶつけますが、かなり詳しく回答がなされ、時には撤回、修正がなされることも出てくるようになりました。
 
 そういうことを念頭においたとき、STAP細胞問題に関して、科学コミュニティ、直接的には理研・桂調査委は、他で一般化しているような国民の意見、疑問に広く答える機会を持ったでしょうか?
学会の幹部たちは、あれだけ検証実験を税金の無駄遣いだと非難し、阻止しようとしましたが、結果が自らに都合のいいものになったら、それきり黙ってしまいました。
 STAP細胞・現象の有無が、国民的関心事となったからこそ、税金を使って検証実験を行い、不正調査も行ったわけですから、その結果について、わかりやすく説明し、広く意見と質問を受け付け、そのすべてについて書面で答え公表するというパブリックコメントのプロセスを踏む必要が、本来あったはずです。そういう基本的、初動的対応もせずに、科学者でもない門外漢は黙っておれ、といわんばかりの姿勢は、納得できるものではありません。
 
また、遺伝子や細胞に関して専門家の人々であっても、法律なり公正手続きに関しては「門外漢」です。その視点から見た時に、一連のSTAP細胞事件の推移は、問題が多すぎました。
 研究不正に関しては、一義的には科学コミュニティの判断に委ねられているとしても、懲戒処分や名誉棄損等関係してくれば、最終的には裁判という法律の世界での決着となります。その際には、相手方のすべての主張に有効に反論できなければ敗訴してしまいます。
 STAP細胞問題に例をとれば、「小保方氏はES細胞を混入させて、STAP細胞と偽って渡したのだ」という者に対する名誉棄損訴訟が提起されたとした場合、時系列の5WHの立証に加えて、それがES細胞なのかという点についても、笹井氏、丹羽氏らが提示したES細胞ではあり得ない材料との関係について整合ある説明をしなければなりませんし、「混入ではなくすり替えだ」という遠藤氏の主張に対しても反駁しなければなりません。すべての事象について整合的説明が必要になります。更には、ES細胞を使って再現実験を行い、STAP論文における現象をそのとおりに再現することを求められます。


 自己点検委員会が、かつて研究不正と判断してその研究者から訴えられた苦い経験を踏まえて、決して、「小保方氏と笹井氏がES細胞で捏造したのだ」とは直接書かずに、それを所与のものとして、重大不祥事に対する対応として提言をまとめたり、桂調査委が、限りなくクロに近い書き方をしながら、決して小保方氏が混入犯だと断じることはなかったことは、そのような名誉棄損訴訟を回避するためであることは容易に想像できます。しかし、幸か不幸か、石川氏のように、小保方氏を告発したような人もいましたから、仮に訴訟となれば、石川氏の主張に連動して、桂調査委の調査、判断内容について、法廷の場でその当否が争われることになるはずです。しかし立証は難しいでしょうから、敗訴の可能性大です。理研チームがネイチャー論文に投稿・掲載された「STAP細胞はES細胞である」という論文が援用材料になるわけではありません。
 そういう事態を念頭におけば、現在、(少なくとも潜在的には)理研・桂調査委や科学コミュニティは、かなり危うい立場、状況にあるということが分かると思いますし、科学者以外による議論、指摘も、STAP細胞問題を総合的に検討する上では有効だということもまた、理解できると思います。
 
 話が少し逸れましたが、上記のことを縷々書いたのは、木星さんに対して、「科学の専門家でもない者は、今後は科学に口出しするのはやめよ!」という非難は全く論外であることを、(以前から書いていますが)改めてご説明したかったからです(もちろん、ご理解されていると思いますが)。
 STAP細胞問題に関心を持ち、発言する人々は、それぞれ固有の問題関心を持ち、それぞれが置かれた環境下で、考えたり調べたりしながら発信しています。それぞれが異なる論点、角度から発信したものが、外部に関心を持たれるのかどうかは、その時々の状況で異なります。別に関心を持たれたくてやっているとも限りません。既に論じられていることであっても、自分のペース、自分の言葉で、自分の中の整理の意味で発信する場合もあります。周回遅れであっても、時として有益な情報を発信できる場合もあります。
 全く同じ趣旨のことを述べることもあるわけですが、言葉が違うのはそれぞれの個性でそれはそれで面白いものです。私だとついつい長文書いてしまいがちな内容を、DORAさんであれば、少々言葉は乱暴でも、簡潔明瞭に本質を論じておられることもしばしばです。
 ともかく、それぞれが発信を続けていれば、それらが集合となって新事実、真相・深層が見えてくると感じます。
 
 木星さんが、様々な動きを、ブログ記事やビジネスジャーナル記事で広く伝えておられることによって、それを材料として、各所で新たな情報発信が始まるというサイクル形成になっている面も多分にありますから、今後も引き続きご活躍いただきたいと思います。
 特に、近々のうちに、主宰されている「不正な報道を追及する会」の最大の問題関心である「不正報道」の極みとも言えるNHKスペシャルについてのBPO決定が控えていますから、その決定を契機にさらに情報発信を加速していただき、STAP細胞問題の「真相・深層」の究明にご尽力いただくことを、心より祈念するものです。
 長文失礼しました。
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