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BPO8月会合結果―今回は「素案」で、次回以降に「決定案」の審理


 コメント欄でご指摘のあったように、BPOでの委員会決定文素案の審理についての8月会合の議事録がアップされていました。
 
「・・・今回の委員会には、89日の第1回起草委員会での議論を反映した決定文の素案が提出され、各委員が意見を述べた。9月に第2回起草委員会を開き、次回委員会で「委員会決定」案について審理をさらに進めることになった。」
 
 とあります。まだ煮詰まってはいないようです。
 これまでの「人権侵害」決定や「放送倫理上重大な問題あり」決定において、直前の会合(決定の前月の会合)での審理の議事録がどのように書かれるか、2015-16年の分をちょっと調べてみました。


 これらを見ると、直前の会合の議事録では、決定内容を予測させる表現が盛り込まれているようです。
(例)「細部にわたりさまざまな意見が述べられた」→補足意見あり。
   「一部の委員は結論が異なる少数意見を書くことになった」→少数意見あり。
 
 こういった表現がなければ、全会一致での決定となるようです。
 
2016215日 放送局:フジテレビ
「ストーカー事件再現ドラマへの申立て」に関する委員会決定(勧告:人権侵害(補足意見付記))の決定直前の会合での審理 
「・・・この日の委員会では、4回起草委員会を経た「委員会決定」案が提示され、前回委員会以降の修正点等について起草担当委員が説明を行い、各委員から細部にわたるさまざまな意見が述べられた。その結果、一部表現・字句を修正したうえで大筋で了承され、委員長一任となった。「委員会決定」の通知・公表は2月に行なわれることになった。」
 
2016215日 放送局:フジテレビ
「ストーカー事件映像に対する申立て」に関する委員会決定(見解:放送倫理上問題あり)の決定直前の会合での審理 
「・・・この日の委員会では、第2回起草委員会を経た「委員会決定」案が示された。審理の結果、一部表現・字句を修正したうえで大筋で了承され、委員長一任となった。「委員会決定」の通知・公表は2月に行なわれることになった。」
 
20151211日 放送局:NHK
「出家詐欺報道に対する申立て」に関する委員会決定(勧告:放送倫理上重大な問題あり)の決定直前の会合での審理 
「・・・この日の委員会では、前回委員会での検討を経た「委員会決定」の修正案が示された。審理の結果、決定案は一部表現、字句を修正したうえで大筋で了承され、委員長一任となった。「委員会決定」の通知・公表は12月に行われることになった。」
 
20151117日 放送局:TBSテレビ
「謝罪会見報道に対する申立て」に関する委員会決定(勧告:人権侵害(少数意見付記))の決定直前の会合での審理 
「・・・委員会では、第4回起草委員会での検討を経て修正された「委員会決定」案を審理し、了承された。これにより、「委員会決定」の通知・公表を11月中旬にも行う運びになった。なお、一部の委員は結論が異なる少数意見を書くことになった。
 
 ちなみに、「問題なし」の決定の場合は、決定直前の会合やそれ以前の会合も含め、あまり議論を重ねるという雰囲気の議事録にはなっていない印象です。
 
20151117日 放送局:フジテレビ
大喜利・バラエティー番組への申立て」(フジテレビ)に関する委員会決定(見解:問題なし)の決定直前の会合での審理 
「・・・本件の「委員会決定」文はこれまでの検討でほぼ固まっていたが、この日の委員会で最終的に了承された。これにより、前項の「謝罪会見報道」事案とあわせて11月中旬にも「委員会決定」の通知・公表を行う運びになった。」
 
 今回の会合の議事録を読むと、まだ、「決定文」ではなく、「決定文の素案」となっていることや(前回は「決定案骨子メモ」でした)、「各委員が意見を述べた」というようにこれまでの議事録と変わらない表現となっていることから、今回会合ではまだ煮詰まっていないものの、「次回委員会で「委員会決定」案について審理をさらに進めることになった。」とありますので、次回には、「素案」ではなく、「決定案」が提出され議論されるということのようです(「骨子メモ」→「素案」→「決定案」と段階を慎重に踏んでいるようです)。
 
 したがって、次回の9月会合で、そのまま一部修正の上了承に至るか、あるいは更に議論されて修正案が作られて次々回で了承に至るか、というところが焦点かと思います。
 そしてそこで、「細部にわたり意見が出されて」補足意見が付くか、一致せず、少数意見が付くかという点もまた焦点となるでしょう。


どうも、上記の諸事例をみると、「人権侵害」や「重大な放送倫理違反」の決定の場合には、「決定」案の審理は最低3回程度は行われているようです(=起草委員会は、素案作成段階から4回開催)。
そうすると、論点も多岐にわたりますし、次回会合で、詳細な「決定」案が初めて示されて、その場で議論が収束し、修正の方向が固まって委員長一任とはならないでしょうから、まだもう少しかかるのかもしれませんね。私の予測も迷走気味ですが(笑)、次回会合の議事録に注目したいと思います。
 
もう少し時間がかかるのであれば、私が書いたパワポ資料も読んでいただいて、多少なりとも反映してほしいなぁ・・・と思うんですが・・・(笑)
 
法学系の分野の専門家が多いBPO委員の皆さんであれば、問題の所在を容易に理解していただけると思います。