理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

【補足】いよいよBPOで決定案の起草作業に!


 「委員会決定」についての過去の例は、以下のサイトの右側に年度別の箇所をクリックしていただくと、コンパクトに決定内容と要点が書かれています。

 これをみると、「見解:問題なし」「見解:要望」という程度のものから、「勧告:重大な放送倫理違反」「勧告:人権侵害」まで多段階あります。
 「問題なし」とされるものは、審理時間も短いと思いますが、「重大な放送倫理違反」や「人権侵害」になると、審理を重ねた上で起草委員会での議論も何度か行っているのが通例かと思います。これまでの案件は、論点が一つの場合が多いのですが、それでもかなりの時間をかけています。
今回のNHKスペシャルは論点が多岐にわたることもあって、それぞれの論点ごとに判断しなければならず、また社会的にも大きな注目を集めたこともあって、慎重に審議を進めてきたのだろうと思いますが、論点の内容と審議の重ね具合からみて、「問題なし」「改善要望」となることは考えにくいところです。
 
2015年の「人権侵害」決定をみると、佐村河内氏が、聴覚障害者を装って記者会見に臨んだかのような印象を与えたというものと、社内いじめの再現ドラマで自分が首謀者であるかのような構成だったというものでした。
「重大な放送倫理違反」は、出家詐欺のあっせんブローカーでないのにそう思わせるような演出で、かつ人物が特定できるものだったというものでした。「重大な放送倫理違反」はそれ以前の年度にもいくつかありますが、「人権侵害」は2006年以降は2015年だけです。プライバシー侵害や名誉棄損的なものは、そういった認定がなされやすい印象です。
それらの事例と比較すると、NHKスペシャルは、各論点ごとに、「放送倫理違反」「重大な放送倫理違反」「人権侵害」の勧告の対象となっておかしくないように感じます。
元々そう思ってきましたから、バイアスがある見方かもしれませんが、過去事例(=判例的なもの)も踏まえた上で考えるそうなるのではないかと思っています。
 
 小保方氏弁護団によるBPO申立書要旨で指摘されている項目は、次のようになっています。
 
(1)番組全体構成の問題
(2)偏向的なイメージ構成の問題 
(3)根拠なき「窃盗犯」構成
(4)直前に根拠をなくした事実による構成
(5)実験ノートに対する問題点~著作権法違反
(6)実験ノートに対する問題点~引用のミスリード
(7)著しいプライバシー侵害
(8)取材過程での傷害行為
(9)番組クレジットがなかった点について
(10)直後の自殺
 
 以下に書きましたが、科学的議論に立ちいらなくとも外形的に判断しやすい申立て内容になっています。
 
 あくまで私の想像ですが、(3)根拠なき「窃盗犯」構成、(7)著しいプライバシー侵害の点は「人権侵害」、(1)番組全体構成の問題、(2)偏向的なイメージ構成の問題、(4)直前に根拠をなくした事実による構成 は、「重大な放送倫理違反」の勧告になるのではないかと推測しています(他は、少なくとも「放送倫理違反」)。

【補足】
(8)取材過程での傷害行為については、番組の中身そのものではなく、取材経過の問題なので、どういう言及になるのかよくわかりませんが、何らかの問題視する言及がなされると思います。

(9)番組クレジットがなかった点が争われて点については、多分初めてのケースだと思いますので、要注目です。新聞その他でも署名記事が原則ではないので、どういう判断になるのかよくわかりません。著作権NHK大阪放送局)にある旨表示
されていましたので、責任の所在はNHKにあることは明確であり、それ以上に企画制作者等を表示する義務ありということでは必ずしもないような気もしますが、微妙なところです。

(10)直後の自殺 については、申立人である小保方氏のことではないことと、因果関係が必ずしも明確ではないため、どういう扱いになるのかよくわかりません。
 ただ、鍋島自己点検委員長の「笹井氏はこの一件で積み上げてきたすべてを失った」という発言(ES細胞による捏造との前提の文脈)と、小保方氏と不適切な関係にあるかのようなメールの取り上げ方については、客観的には大きな問題があります。名誉棄損は故人に対しても成り立ちますから、委員会権限で言及がなされてもおかしくないと思います。

 さて、どうなるでしょうか??