理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

【補足】小保方氏HPの画像に関連する理研の回答について.


 少し、諸々感じたことを、補足的に書いておきたいと思います。

1 小保方氏のHPの画像、データに関する理研の「不存在」回答について

 三木弁護士の投稿での説明では、検証実験で撮られ、8月初旬に検証チームで共有されたものとのことでした。それで、理研に照会したところ、「公式記録保管開始日」以前のデータだったので、公式のものではないとして、情報公開請求があっても、「不存在」と回答している旨、回答があったとのことです。

 木星さんの広報への取材結果のご説明では、

「(2014年)7月1日から始まった再現実験では、「予備実験」、「ならし実験」でリハビリのようなもの。9月16日からが、正式な再現実験となっており、それから公式の記録扱いとなったようです。」

 とのことなので、公式記録保管開始日」というのは、9月16日ということなのでしょう。
 
 他方、小保方氏の手記のp220では、

「8月に入って、私が作製した、脾臓由来の細胞をATPで酸処理した細胞塊の遺伝子解析が初めて行われ、5つの細胞塊を解析した中で、3つの細胞塊に未分化状態を示す多能性遺伝子の発現があったというものだった」

 との趣旨の記述があります。その翌週には検証実験の中間発表が控えていたとあり、笹井氏が亡くなったのが8月5日とあります。検証実験の中間発表はそれで27日まで延期になりましたが、三木弁護士の説明にある「検証実験で撮られ、8月初旬に検証チームで共有されたもの」というのは、この3つの細胞塊の解析結果だったのでしょう。

 小保方氏としては、笹井氏急逝前の心身がまだもっていた時期における検証実験において、この5つの解析対象細胞塊のうち、3つで未分化状態を示す多能性遺伝子の発現があったということで、”typical result ” という表現をしたのでしょう(その後、HP上の表現変わりましたか・・?)。


 それで、理研広報がこれを、「予備実験」、「ならし実験」と呼び、公式記録保管開始日」以前の実験だと位置付けるのは自由ですが、だからといって、情報公開対象とならないわけではありません。

 前回記事で書きましたが、

 「公式」「非公式」「予備」等々、どういう位置づけ、呼称の実験データであっても、

  「職務上作成・取得した文書等で」
 +「その行政機関の職員が組織的に用いるものとして」
 +「その機関が保有しているもの」

 の3要件を満たせば、情報公開対象となる「行政文書」になるのです。

 小保方氏の実験データは、小保方氏という職員が職務上行い、理研職員が検証チームと小保方氏とシェアする前提で画像を撮影し、遺伝子解析したものですから、この「行政文書」の定義に該当することは、明明白白です。

 そもそも、これも前回書いた通り、相澤氏は小保方氏参加部分の検証実験結果の報告論文において、 監視なし(without supervision)の予備実験結果までも論文に含めてあると書いてあるのですから、予備実験結果も含めて、「職務上作成・取得した文書等で」 +「その行政機関の職員が組織的に用いるものとして」作製されたことは明らかであって、理研の言っている公式、非公式という分類が矛盾しているのです。予備実験結果も含めて、そもそも公式なのです。

The investigation reported here consisted of two types of experiments;  preliminary ones conducted without supervision, and formal ones conducted in  the presence of expert witnesses. There were nosignificant differences in the data generated in the preliminary and formal experiments, and all are included together  in this report.

 実際、用意ドン!の検証実験スタートの発表を7月1日にしているのですから、その過程におけるすべてが公式のものです。

理研が公式に公表・保管するデータは検証実験後半からのもので、それ以前のものは理研として正式に管轄していないために、上記のような回答にならざるを得ない』

 など、本当にこういう言い方をしたのであれば、馬鹿も休み休みに言えということです。

 情報公開請求で、

「2014年8月上旬において、小保方氏が作成した脾臓由来の細胞を酸処理した細胞塊を撮影した画像及び遺伝子解析した結果データのすべて」

 を対象にして請求し、その「不存在」回答に対して、異議申立て→訴訟で争えば、理研は確実に負けます。訴訟に訴える費用と時間が惜しいから、そこまでやる人がいないだけです。

 「非公式データだから情報公開対象にならない」というようなあり得ない考え方を本当に理研の担当窓口が持っているのであれば、理研の管理部門のレベルは改めて失格です。
 「不存在」で通るのは、物理的に作成・取得していないか、純粋に個人使用のために作成したものであって他の者とシェアしていないことが明らかか、文書保存期間が経過しているか、のいずれかのはずです。これはほとんど一般常識です。

 もともと、不正調査を行うのに、被調査者である若山氏を調査側に位置づけ、試料の保全もせずに、調査情報までシェアしてしても、何の違和感も感じない組織ですから、基本的センスが欠落してしまっています。
 今回の、「不存在」回答も、その延長でしょう。

 ただ、おそらく、今回の「不存在」回答は、以下の回答ぶりから推測すれば、上記の一般常識はある程度わかった上で、画像とデータの存在を「隠蔽」する意図に立ったものだろうと感じます。
 それは、下記の②の回答ぶりから滲み出ています。

  ①TypicalResultで示された写真3枚は、理研に存在しない。
②  ②類似のものも(理研が)調べた限り、見当たらない

 8月上旬に得られた画像とデータの存在は認識した上で、それらをそもそも物理的に存在しないというように世間に印象付ける意図に出たものであることは、容易に見て取れるでしょう。


●ご提案ですが、別の形で情報公開請求をしてみると、あるいはその辺の「隠蔽」ぶりがわかってくるかもしれません。たとえば、以下のような幾つかのパターンで請求をしてみて、とっかかりにするといいのではないかと思います。

「①2014年7月1日から始まった検証実験において、9月18日以前に、小保方氏が酸処理により作製した細胞塊の遺伝子解析を検証チームが行った日付、日々の件数を記した文書(それらの作製、解析が予備実験、非公式実験等か否かを問わない)

②7月1日から始まった検証実験の、日々の経過を記した文書

③8月1日から5日までの間に、小保方氏作製の細胞塊を、検証チームが撮影した画像及び遺伝子解析の結果を示す文書

④相澤氏の検証実験結果報告論文において、同報告論文に含まれると記載された予備実験において得られた撮影画像、遺伝子解析結果を示す文書のすべて」

 検証実験は、7月1日から公式に始まったわけですから、その経過を示す文書が「不存在」では、さすがに不審を買うでしょうから、違った反応があるかもしれません。


2 相澤氏の説明、論文との関係

 検証実験計画書では、予備実験でも立会人はつけるとしていましたが、相澤氏の会見では、立会人はつけなかったという説明があったとのことです。
 他方、小保方氏の手記のp217以降を読むと、監視人がついているかのようにも読めます。

 ちょっと混沌としている印象ですが、おそらく次のようなステップだったのではないかと想像しています。

 ①純粋に慣らしの実験―立会人なし
 ②予備実験―立会人なし+立会人あり
 ③本格実験―立会人あり

 ①の慣らし実験が、手記のp218で、

「実際に検証実験が始まり・・・実験を開始して数回目、緑に光る細胞塊を久しぶりに見た時、やはり自分が見たものは幻ではなかったのだと思い・・・」

 と描写している部分ではないかと思います。というのは、その文章の末尾に、

「久しぶりに肩の力が抜け、顕微鏡写真を撮ると、その場に倒れこんだ。」

 とあります。小保方氏自身が顕微鏡写真を撮っていますから、小保方氏のHPに載っている画像のような  Photography and gene expression analyses were performed by other members in the STAP verification experiment team. というものとは位置づけが異なるものでしょう。
   
 予備実験以降は、立会人はいないときはあっても、撮影と解析は検証チームが行ったということであり、それらが相澤氏の報告論文に含まれているということかと思います。
 その中には、8月上旬に得られた5件の遺伝子解析結果も包含されているはずなのですが・・・。