理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

小保方氏HPの画像に関連する理研の回答の大きな疑義―①「行政文書」解釈の恣意性 ②相澤氏論文との明白な矛盾

 
小保方氏のホームページの画像の由来について、三木弁護士が「がんばれ小保方晴子先生」のサイトに投稿しています。
 
 あの画像は、検証実験で撮られ、8月初旬に検証チームで共有されたものであるが、理研に照会したところ、「公式記録保管開始日」以前のデータだったので、公式のものではないとして、情報公開請求があっても、「不存在」と回答している旨、回答があったとのことです。
 
 これですべて合点がいきました。この、情報公開請求結果に関しては、以前、次の記事に書きましたが、物理的に存在していても、「不存在」という回答になる場合があるということです。
 
 情報公開法における情報公開の対象は、あくまで「行政文書」だということです。「行政文書」というのは、定義か書かれており、
 
「(定義)
第二条
2 この法律において、「行政文書」とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(中略)であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。(略)」
 
 つまり、次の3つの要件を満たす必要があります。
 
 「職務上作成・取得した文書等で」+「その行政機関の職員が組織的に用いるものとして」+「その機関が保有しているもの」
 
 理研が言っているのは、「職務上作成したものではない」「組織的に用いるものではない」という理解に基づく回答でしょう(まさか、「保有していない」=破棄したということではないでしょう)。
 
■ しかし、この理研の回答には、いくつかの大きな(かなり重大な)疑問があります。
 
 第一は、情報公開対象となる「行政文書」の解釈の恣意性、誤りについてです。
「公式記録保管開始日」というのは、理研が三木弁護士に回答した「検証実験後半から」という言葉からすれば、準備段階が終わって本格実験段階に移行してから、ということでしょうか?
 小保方氏が参加しての検証実験(再現実験)については、71日付けで進め方を発表しています。準備段階とその後の段階とに分けており、立会人がいることは共通ですが、24時間監視等の措置が取られるようになったのは、準備段階が終わって以降のようです。
 
 しかし、検証実験の準備段階、本格実施段階を問わず、理研が発表した「進め方」に即して、立会人を付けて実施した実験データは、すべて、「職務上作成し」「組織的に用いる」ことになるはずです。話が少々ややこしくなりますが、仮に準備段階のものは「公式記録」とはみなさないとしても、行政文書としては、「職務上」「組織的に」作成したものですから、情報公開対象となるということです。
 実際、準備段階でも、理研の新設実験室・設備・備品を利用し、指名する立会人をつけ、マウスや試薬等の試料も利用し、解析も理研職員が業務として行い、チーム皆で共有したのですから、職務上作成され、組織的に用いられたデータでないわけがありません。
 
(注)三木弁護士の投稿の中に、5月中旬から検証実験チームに技術指導を行っていたとありますが、小保方氏が参加する72日以前のものではないはずです。小保方氏のHPの画像の注釈では、
 The cell culture was performed by Haruko Obokata. Photography andgene expression analyses were performed by other members in the STAPverification experiment team.
とありますので、小保方氏が参加して以降であることは間違いないでしょう。8月初旬にシェアされたとあることからも時期的に合います。いずれにしても、この画像は、情報公開対象になるということです。
 
 しばしば、官庁や自治体の様々な会合の議事メモなどの情報公開の是非が争われることがあります。「不存在」を理由とする不開示決定に対して、そんな重要な会議で議事録を取っていないはずはないとして異議申立てがなされますが、その際には、本当に職員個人の備忘的なものだったか(他の人には字がきたなくて読めないほどのもの等)、他の職員とシェアされていないか、議事録が作成されていないとしても不合理ではないと考えられるか、等をヒアリングその他の調査をもとにして判断しています。つまり、正式に作成したものか、職員の判断で作成したものかを問わず、それが組織的にシェアされれば、「行政文書」になるというわけです。

 本件の画像は、そういう個人だけに留まる性格のものではなく、検証実験計画に基づき、そこで位置づけられた準備段階において、理研職員である小保方氏が作成した細胞を、理研職員である検証チームスタッフが撮影し、解析したものですから、「行政文書」の要件を満たさないはずはありません。理研は、「公式」という言葉によって、あたかも公開対象である「行政文書」ではないかのように誤認させようとしていると思われます。しかしそれでは、情報隠蔽になってしまいます。
 
 理研は、画像については、

 ①TypicalResultで示された写真3枚は、理研に存在しない。
② ②類似のものも(理研が)調べた限り、見当たらない

 と回答していますが、それは一般的な受け止め方は、物理的にないということでしょう。百歩譲って、これが情報公開対象の「行政文書」ではないとしても、検証実験の準備段階で得られた画像、データは公式のものとはみなさず、「行政文書」には当たらない旨の注釈をつけるべきだったと思います。しかし、そのような注釈を付けたら、「では準備段階で得られたものの中にあるのか?」と問われてしまい窮地に立ちますから、そのような注釈をつけなかったということでしょう。
 こういう解釈による対応を、他の国民的関心事の案件で行ったとしたら、情報隠しとしてスキャンダルになり、幹部の首は飛ぶことでしょう。
 

 第二の疑問点は、小保方氏再現実験結果に関する相澤リーダーの論文での記載と矛盾するということです。

 相澤氏の論文については、以下の記事で書きました。
 
 相澤氏は、論文での報告対象として、準備段階と正式段階との双方の実験データを含めている旨を明記しています。
 
【監視のない予備実験と監視のある本実験とがあったが、結果に本質的な差はない】
The investigation reported here consisted of two typesofexperiments;  preliminary onesconductedwithout supervision, and formal ones conducted in  the presence of expert witnesses. There were nosignificant differences in the data generated in the preliminary and formalexperiments, and all are includedtogether  in this report.
 
 結果報告の論文では、準備段階の実験データも含めるが、情報公開対象としては含めないなどという話がありようはずはありません。
 
 こうなってくると、本当に、理研は都合の悪いデータは隠蔽しているということになってきます。
 理研のガバナンスは機能しているのでしょうか・・・??