理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

【補足2】ハーバード大の巨大な投資ファンド―VCell Therapeutics社は、大学発ベンチャー企業的な可能性はないか?


 VCellTherapeutics,Incの出資者がどういう構成なのか、気になります。ハーバードの大学ベンチャーキャピタルから直接又は間接に資金が入っている可能性はないでしょうか?
 
 それで、ハーバード大の大学ファンド関係で次のわかりやすいサイトがありました。元総合商社の方の『ハーバード留学/研究員記録』というサイトです。

ここに書かれている話を読むと、STAP細胞の特許出願の VCellTherapeutics, Incへの全面譲渡は、「見切りをつけた」というよりは、「産業化、実用化に向けて次のステップに進んだ」という意味合いが強いのではないだろうか?と、(希望的観測ではあることは否定しませんが)感じたりもします。
STAP細胞論文の不正問題騒動が日本でたけなわの時であっても、米国防総省関係の「CDMRP」のスキームでの支援の下で、淡々とB&W病院の他の研究室とベンチャー企業AxoGen社)との軍産学共同研究を進めたり(20146月)、新たにバカンティ氏と小島氏のSTAP関連研究で特許出願したりと(20153月)、研究を前に進めてきています。

この昨年9月に公開された特許出願では、「改良プロトコルによる新実験により、成体ラットの脊髄損傷治療として、脊髄ニューロン(痛覚過敏応答と熱応答)の喪失後に脊髄ニューロンSTAP幹細胞移植で機能回復できたらしい」(JISAIさんのご紹介)とのことですから、本当であれば再生医療の実用化に向けた進展がみられつつあるという状況かと思います。
 
そういう流れの中で、その昨20153月の特許出願を、同9月に公開したわずか3か月後の12月に、突然、一連のSTAP細胞特許出願に「見切りをつけた」というのはまた、あまりに唐突で不自然ではないでしょうか?
下記の記事と合わせ読むと、約3兆円と有数の大学投資ファンドを持ち、リスクを取って直接間接に投資し、リターンを増やし続けている(年率10%増、20年でファンドが6倍に!)中では、実用化に向けて、ベンチャー企業(といっても既に実績のある再生医療関係やベンチャー支援で複数の企業を経営する研究者が代表)を大学基金の投資対象とし、特許関係のすべての権利もここに集約させた・・・と考えるほうが自然なように感じます。
 
ハーバード大学は巨大投資ファンド(1)2013-11-14
ハーバード大学は一般に、日本の大学同様に研究と教育に取り組む機関であると理解されている。但し、決定的に異なる機能を持っていることは、余り知られていない。ハーバード大学は、アメリカでも有数の投資ファンドの機能を持っている。
日本がアメリカから学ぶべきノウハウはここにある。
 
アメリカの私立大学は、どこの大学も「大学基金」を持っている。これは授業料収入や、例えばケーススタディなどの教材の売上も含まれているものの、最も強力な資金源は「寄付金」と、その「運用益」である。ハーバード大学基金は、約3兆円の資金規模を有しており、約2兆円規模有しているイェール大学基金と共に、大学基金の世界でのリーダーの役割を果たしている。
 
3兆円と言っても、投資の仕事をしていない限りは、即座に規模感がイメージしづらいと思うものの、例えば日本の大学、慶応大学基金が約400億円、早稲田大学が約300億円、東大が約100億円と言われているので、日本の最も大きい大学基金と比較しても100倍ぐらい大きい資金を有していることになる。
このパワーオブマネーが、ハーバードの高水準の研究、教育活動を支える不可欠なリソースとなっており、また政府からの補助金を期待せざるを得ない日本の大学と比較して、圧倒的な自由度と独立性を確保する手段になっている。
 
実はハーバードの大学基金は、20年前の1990年頃には約5000億円程度の規模であったと言われている。当時まだ日本の大学基金とのギャップは10倍強。つまり投資のリスクを取って、20年掛けて基金の規模を6倍にしたことになる。20年で6倍というのは、複利計算の場合は、年率10%前後の投資リターン。
特に2000年代に入ってからは、積極的な投資スタンスに切り替え、更にパフォーマンスを向上している。リーマンショック時の一時的な投資損失は発生したものの、現在においても毎日ハーバードの大学基金は着実に増え続けている。
 分かり易さを最優先に単純化してご紹介すると、巨額の資金を増やすためには、まず考えるべきは、現金や銀行預金のままにしておくのではなく、債券や株式を購入して、投資リターンを出していくことになる。アメリカや日本に限らず、あらゆる投資家は、まさに国債社債、あるいは株式などの投資信託などを購入することで投資リターンを出すために日々努力をしている。
一方で、ハーバード大学ほどに高いパフォーマンスを維持し、資金規模を着実に増やしている投資家は非常に少ない。例えば、日本の国債を買ったとしても、あるいは日経平均に投資をしたとしても、20年掛けても到底年率10%の投資リターンは達成できない。」
 
ハーバード大学は巨大投資ファンド(4) 2013-12-03
 
「ハーバードは「大学」として、どういった体制で、どういった対象に投資を行っているのかについてご紹介したい。
最大の特色は、「ハイブリッド・モデル(リンク先ご参照)」と呼ばれる体制である。ハイブリッドとはハイブリッドカーが、ガソリンと自家発電を組み合わせているように、二つの異なるアプローチを統合する戦略であることを意味している。
具体的には、ハーバード自身が具体的な投資先企業を見つけてきて直接投資する部分もあり、一方で、その分野で一流のアセットマネジメント会社を見つけてきて、資金を預けて代わりに投資をして貰う部分もあることを意味している。つまり、自分でも投資する部分もあり、他のプロに委託する部分もある。
 アセットマネジメント会社を間に入れると、手数料を支払う必要があるため投資リターンは低くなってしまうデメリットがある。
一方で、手数料を節約するために、自社内に投資チームを作ってしまうと、その分野への投資を打ち切る際に、担当者を解雇する必要があり、機動的に投資ポートフォリオの変更が難しくなるデメリットがある。
 
ハーバードは本来が研究機関であるため、個別企業の業績予測に最も強みがあるというよりは、このブログでも度々ご紹介してきたジオポリティクス(地政学)や、政治経済のマクロの流れを把握することに最も強みがある。
 従って、マクロ政治経済の流れ次第で、機敏に投資対象を組み替えられる自由度を確保しながら、アセットマネジメント会社への手数料を節約することを目指すことに合理性があり、結果「ハイブリッド・モデル」を採用していると考えられる。
例えば、ハーバードの卒業生の中に「中国でベンチャー起業したい」中国人の学生がいるとする。これまでご紹介してきた通り、大学は各種の起業支援のプログラムを持っているため、そういったプロセスを経て事業の成功確度を評価した上で、直接投資することもできる。
 
また、大学基金ベンチャーファンド(いわゆるVC)にも投資運用委託を行っているため、その中国人学生を紹介することで、VCに自分達に代わって評価、投資をして貰うこともできる。
特に大学が得意とする基礎研究に近い分野であればまだしも、商業ベースのハイテク起業(例えばFacebook)ということになると、技術的な価値以上に、商業的な価値が重要になるため、当該マーケット動向に精通したVCを通した方が無難と判断される場合も多いと思う。」