理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

「大きな制約」に言及している相澤氏の小保方氏再現実験報告論文―その存在は広く知られるべき


 コメント欄でJISAIさんが言及されている相澤氏による小保方氏再現実験結果を説明した論文ですが、この論文の存在というのは、広く認識されていましたでしょうか・・・??

 迂闊ながら、初めて存在を知りました。丹羽氏の検証実験結果の論文は知られていると思います。

 丹羽氏の論文は、2015年9月28日付けで、相澤氏の論文は、同10月7日付となっています。

■ 相澤氏の論文の冒頭部分を斜め読みすると、単に実験結果だけでなく、その関連事情が述べられていて、特に、相澤氏が記者会見時に認め謝罪していた「大きな制約」のことが具体的に述べられていました。
 他方で、監視のない予備実験と監視のある本実験とが行われ、それらを総合して実験結果としてまとめられていることも述べられています。
 また、この論文発表時点で、小保方氏とは実験終了以後連絡が取れていないことも記されています。

【小保方氏と実験終了後連絡がとれず、論文に名を連ねることの了解を得ることができないが、結果は重要なので報告するもの】
 Unfortunately, I have been unable to contact  her since the completion of the trial, or toobtain her agreement to be listed as an author on this article. Nonetheless, given the extraordinary degree ofattention and  controversy the originalSTAP publications and research misconduct generated, I feel it is important toreport the results of this investigation in the interests of  clarifying the scientific record.
 
【監視のない予備実験と監視のある本実験とがあったが、結果に本質的な差はない】
The investigation reported here consisted of two types ofexperiments;  preliminary ones conductedwithout supervision, and formal ones conducted in  the presence of expert witnesses. There wereno significant differences in the data generated in the preliminary and formal experiments, and all areincluded together  in this report.
 
【小保方氏は、日常使っていた研究室ではなく、すべて新しくセットされたスペースで、自ら解析もできなかった】
The experiments were conducted in a new setting, not in the  laboratory that Obokata had used for theprevious studies described in the retracted Nature(publications. All reagents, materials, instruments,and  experimental spaces were freshlyfurnished. Obokata was permitted to conduct experiments only in designated rooms, and she did not make any of theanalyses  herself, other than observationsby phase and fluorescence microscopy; she prepared cell aggregates for analysis by other members of the team.

 相澤氏が記者会見の最後で述べた次の謝罪発言で言わんとしていることを滲ませたものでしょう。

「小保方研究員にカメラや立会人を置いて検証実験をするというのは科学のやり方ではない。犯罪者扱いのようにやることは科学としてあってはならないことだ。責任者として深くおわびを申し上げるとともに、責任を感じております」
 
【補足】
1 記者会見での説明では、次のようにあります(http://logmi.jp/31914
 相澤 大きな制約ということですけれども、それは実際に大きな制約がありました。モノの出し入れも、好きなものを自由に取りに行ったりあるいは注文したりということも出来ず、またいちいち記録されますし。

それから彼女が細胞塊を採ったあと、そのデータの解析は彼女自身が他の部屋において出来るわけではなくて、彼女の実験はモニターのある部屋に限られるということですから、そのようなことは他の人に委ねられなければいけないので、それはもちろん大きな制約であることは間違いないと思いますが。そういう事とは違うなにかを想定されてのご質問なんですか?

記者 具体的に、小保方氏がどんな点を「予想を遥かに超えた制約」としたのか、そのような不本意な点を……

相澤 今おっしゃられる事は、2つの事が……制約の問題と、彼女が記者会見とかで物事をしゃべらない、という事に話は分けられると思うんですが、制約のほうについては、私から見ても明らかに大きな制約があったと思います。」


2「予想をはるかに超えた制約」に関して、スポーツ紙には次のように書いてありました。
「小保方氏の隣には立会人が張り付き、モニター2台で常時監視。モノの出し入れも記録され、生成した細胞塊の解析は別の研究員が行うことが義務付けられた。(中略)
「出社した小保方さんはいつも孤独で、机の上の整理ばかりしていた。人と談笑するところは見たことがない。彼女のせいで神戸の事業所は規模が縮小され、職を失った人もいる。彼女を露骨に無視する人もいましたね」とは、内部関係者の話だ。」
 

■ もう少しよく読んでみたいと思いますが、それにしても解せないのは、丹羽氏の論文にせよ、相澤氏の論文にせよ、理研として行われた実験であるにも拘らず、理研からの発表、言及が何もないという点です。
 理研のHPで、関連して紹介されているのは、桂調査委報告書をもとにしたネイチャー誌に昨年9月24日に投稿されたSTAP細胞ES細胞混入によるという論文だけです。

 相澤氏のこの論文は、上記のような「大きな制約」に関して言及しているなど、多分に個人的見解が含まれているものですので、理研として言及できないだろうということはわかりますが、少なくとも丹羽氏の検証実験結果紹介の論文については、言及があって然るべきではないかと感じます。
 ネイチャー誌に投稿された「STAP細胞ES細胞だった」という論文にのみ、言及しているのは、バランス的におかしいのではないかと思います。

■ 相澤氏がわざわざ、「大きな制約」について具体的に言及していることは、次の記事にも書いたように、これらの実験では極めて微妙な調整を要し、実験室や試薬のロット、シャーレ等が変わるだけでも、自身であっても再現がなかなかできないものである旨若山氏が述べているような、分子生物学者らにとっては「周知の事実」を想起させるためのものだったことは明らかでしょう。

 こういった論文での制約への言及などからも、小保方氏が手記で、相澤氏を理解者の一人として、「私の先生」の一人として特記していたこともわかるような気がします。手記で、相澤氏の論文の存在に言及すればよかったのに、とも思いますが、他方で、それはかえって相澤氏に迷惑をかけると考えたのかもしれませんね。
 連絡がとれなかったというのは、物理的には三木弁護士事務所を通じて取れるとは思いますが、早稲田大の「再指導」のバタバタの最中だったことや、精神的にもそういう余裕はなかったということだろうと想像されます。