理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

兵庫県警の捜査資料は、「STAP細胞事件」解明のための公共財的な貴重な一級資料!―名誉毀損訴訟により明らかにできる可能性大


 三木弁護士が、神戸新聞でのコメントの中で、


 刑事告発により著しい名誉毀損を受けた。告発者には謝罪してもらいたい」


  と述べています。


 石川氏は「立件できると思っていましたが非常に残念です」と、NHKの取材に対してコメントしていますから、謝罪するつもりはないでしょう。


そうすると、名誉毀損訴訟に至るのかどうかが大きな関心事項になってきます。これは、当事者である小保方氏が決めることではありますが、兵庫県警の捜査資料は、STAP細胞事件を解明する上では、第一級の資料であることは間違いありませんから、名誉毀損訴訟(民事訴訟)が提起されれば、その捜査資料が明らかになる可能性は高いと思います。


 小保方氏側の刑事面での対応選択肢としては、2月の次の記事で書きました。 



  名誉毀損罪と虚偽告訴罪での可能性です。石川氏だけでなく、若山氏及び若山研究室もその幇助罪、教唆罪で告発する可能性について書いたものです。


 ただ、こういった刑事面での対応は、事実関係の詳細等について立証負担がないという利点はありますが、時効が過ぎていると考えられることと、実際に立件にまで至るか不透明なこと、そして、それらの刑事面での対応によって、兵庫県警の捜査資料の詳細が明らかになるとは限らないといった問題があります。


 神戸地検が「事件の発生自体が疑わしい事案」と判断して嫌疑不十分で不起訴とした現時点においては、民事での名誉毀損訴訟のハードルが格段に低くなりましたから、むしろ、その名誉毀損民事訴訟を通じて、石川氏に謝罪をさせるとともに、その過程で兵庫県警の捜査資料を訴訟資料として援用することによって、「STAP細胞事件」での関係者の係わり方、見解等の詳細を明らかにし、その真相を解く契機とするほうが、小保方氏とその「愛息子」であるSTAP細胞にとっての名誉毀損=捏造疑惑を晴らす効果的な方法ではないかと考えています。


 このように、刑事事件の捜査記録を,その関係の民事事件で活用することができるということは、以前、次の記事で書きました。私も、知り合いが関係した事件でそういう実例を知っています。



 兵庫県警は、おそらくこの1年強の間に、多数の関係者の参考人聴取を重ねてきているはずです。その中には、小保方氏、石川氏、若山氏、若山研関係者、理研関係者は当然含まれているでしょうし、NHKやフライデーにも登場し、窃盗被害者であることを滲ませたLi氏にも聴取していることでしょう。さらには、もしかすると、2CHで「小保方~地獄の底はまだまだ深いぜww」と書き込みをした、明らかに悪意ある理研の内部の者についても、IPアドレス等から割り出して、事情聴取しているかもしれません。この書き込みが、NHKスペシャル等の報道、フライデー記事、石川氏の告発などへの重要な伏線になっていましたから、捜査対象になっていると思います。

(補足注) 誰を参考人聴取したかということは、捜査段階では公表されないこと前提に行われたであろうことは、2月に小保方氏の事情聴取報道がなされた時に、三木弁護士が一度は否定した理由として述べていたことからもわかります。他の関係者についても、そういう前提で参考人聴取されていることでしょう。
 しかし、それらの参考人聴取記録である調書も、それと密接に関連する民事訴訟で、当事者から閲覧・開示の求めがあれば、認められるということだと思います。



 この記事をご覧いただくと、兵庫県警が、若山研関係者に参考人聴取をする際に行うであろう総論的質問、各論的質問の例を、推定で書いています。


 徹底的に情報を整理して、詳細を極める質問をしているはずです。警察を舐めてはいけません。ともかく、少しでも矛盾があれば鋭く突くのが警察ですし、地検の担当検事にも逐次報告がなされ、補充捜査なども行っているはずから、その聴取の結果として調書としてまとまるのは、関係者を網羅し、聴取内容も事実関係の把握のためにかなり突っ込んだ、かつ整理された内容のはずです。


 こういう聴取を、石川氏、若山氏と若山研関係者、理研関係者、Li氏らからは、必ずしていますから、そこで整理された話は、「単に、引っ越し時に不要となったジャンク細胞が小保方研に引き継がれただけ」という小保方氏側の主張を裏付けるものしかなかったのでしょう。そもそも、被害意識が誰にもない(被害届が誰からも出されていない)わけですし、移管契約書(MTA)などの物証も、NHKやフライデー、石川氏らによって流布されたストーリーを否定するものでしたから、窃盗など成立する余地はなく、検察の判断も、嫌疑不十分での不起訴となったのでしょう。


 「嫌疑不十分」と聞くと、「『嫌疑なし』ではないから、怪しかったが、証拠不十分ということだろう」と勝手に解釈し流布する人もきっといることでしょう。「嫌疑なし」は、人違いなどの場合です。神戸地検がわざわざ、「事件の発生自体が疑わしい事案」と注釈をつけて公表したのは、地検の発表を我田引水的に勝手な解釈をして、更に小保方氏らへの非難の材料としようとする動きを阻止するという思惑もあったものと想像しています。



それはともかくとして、以上のようなことで、兵庫県警の捜査資料には、関係者すべての参考人聴取の調書がついていますから、これらも含めて明らかにできれば、STAP細胞事件の全貌とまでいかなくても、次のような重要な点が明らかになる可能性は十分あると思います。


○石川氏告発に際しての、若山氏や若山研の関与の内容、沈黙の理由・背景
○若山研内でのマウスや試料の管理状況
○問題視されたFES1が、小保方研の冷凍庫のBOXにあった事情
○太田氏の証言(理研から移転時の試料の整理、山梨大に送った事情等)
○ラベル記載の記入者(筆跡)
Li氏の細胞の若山研での扱い、Li氏の帰国・再来日予定等の事情
Li氏へのNHKの取材の経過(仲介者、依頼内容、取材の進め方、振付け等)
○小保方研の貯蔵庫とそのうちのBOXの研究室所属の推移、管理状況
○封鎖された小保方研への出入りの状況
○2CHに投稿した者の正体、投稿の背景  等等


  小保方氏に対する悪意による作為の存在が多分に感じられますが、その背景事情が、この兵庫県警の参考人調書を含む捜査資料によって明らかになってくるでしょう。それは小保方氏のみならず、STAP問題に関わり、関心をもつすべての人々にとって、真相、深層解明のために大きく寄与する一級材料という意味で、国民全体の「公共財」だと思うのです
 


 石川氏と彼を動かした(支えた)であろう関係者は、臍(ほぞ)を噛んでいることでしょう。小保方氏を社会的に抹殺しようと企てて、とどめを刺すつもりの刑事告発だったものが、逆に、自分たちの企てが事実上明らかになってしまうことになり、しかも、「事件の発生自体が疑わしい事案」=俗な言葉で言えば「でっち上げ」として断罪されることになったわけですから、誤算も誤算、大誤算でした。「過ぎたるは及ばざるが如し」の典型事例です。「致命的なオウンゴール」といってもいいかも知れません。


  この兵庫県警の精力的な捜査結果に加えて、BPOにより予想される「NHKスペシャル」に対する「重大な人権侵害、放送倫理違反の勧告」を受けて設置されるであろう第三者委員会での、取材過程の事実関係の調査がなされるでしょうから、それらによって、更に真相、深層の解明に結びつくであろう諸事実、材料が揃ってくるものと思われます。


 
 最近、小保方氏が素直に不正を認めて謝罪すれば、再出発を受け入れる素地も生まれるだろうとか、小保方氏や若山氏らの過去のことをあれこれ言って非難しても建設的ではないから、もうそんなことは止めて将来に向かって進もうとか、一見、「やさしい」雰囲気の議論が目立つようになっている印象があります。


 しかし、そのようなことはあり得ない話です。論文上の本質に関わらないミスを以て、科学史上に残る一大捏造事件の犯人扱いされているのですから、そのような汚名を受け入れられるはずがないでしょう。立場を変えてみればわかります。まして、少しずつ、自らの汚名を雪ぐ・・・というか冤罪を晴らすことができる材料も出てきているのですから、それらを棚上げにして、不問も再出発もなにも、そんなことは論外だと感じます。


 悪意を以て他人を貶めた人間は、相応の処罰を受け、謝罪するというのが社会のルールです。一見「やさしい」言辞は、「形勢が怪しくなってきたので、これ以上追及しないでくれ」と転換されて聞こえます。