理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

神戸地検の「事件の発生自体が疑わしい」との不起訴処分のインパクトの大きさ


 コメント欄でのご教示の通り、ES細胞盗難告発の件は、不起訴となった旨、夕方から報じられています。
 
 
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ES細胞盗難告発、嫌疑不十分で不起訴に 神戸地検
STAP細胞論文の研究不正問題に絡み、理化学研究所の研究室からES細胞(胚(はい)性幹細胞)が盗まれたとする告発について、神戸地検は18日、不起訴処分(嫌疑不十分)にしたと発表した。神戸地検は「事件の発生自体が疑わしい事案であり、犯罪の嫌疑が不十分だった」としている。
 元理研研究員の男性が、研究室から何者かがES細胞を盗んだ疑いがあるとして兵庫県警に告発していた。」
 
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「ES細胞窃盗容疑は不起訴 神戸地検「事件疑わしい」
  理化学研究所(神戸市)の研究室から胚性幹細胞(ES細胞)が盗まれた疑いがあるとして告発され、兵庫県警が容疑者を特定せず捜査結果を書類送付した事件について、神戸地検は18日、嫌疑不十分で不起訴処分とした。「事件の発生自体が疑わしい」と判断した。
 理研の元研究者が県警に提出した告発状は、小保方晴子氏が、STAP論文の共著者若山照彦氏=現山梨大教授=の研究室に在籍していた2011年4月以降、何者かが盗んだとしていた。小保方氏側は関与を否定し、理研も被害届を出していなかった。」
 
 3月末の兵庫県警の被疑者不詳での送検の際に、次の記事を書きました。
 
 そこでは、「罪とならず」か「嫌疑不十分」かのいずれかだろうと書きましたが、神戸地検の発表では、「嫌疑不十分」の区分であり、「事件の発生自体が疑わしい」(!)事案であるとしているのですから、もともと、そのような疑わしい話などなかったということでしょう。
具体的な捜査内容がこの記事ではわかりませんし、発表の中でもこれ以上のことが書かれているわけではないでしょうから、どういう事実関係に基づくものなのかはっきりとはわかりませんが、単純に、「実験室に残されていた雑多なジャンク細胞を、そのまま小保方研が引き継いだ」ということだったのではないでしょうか。
 
 告発した石川氏はコメントすべきでしょう。石川氏は、山梨大の若山研に赴いて十分な証拠を得て、それを踏まえて告発した、と述べていたのですから、その証拠なるものが何だったのか? そして、それが「事件の発生自体が疑わしい」として、ほぼ全否定されたわけですから、当然、見解を述べて然るべきです。
 また、石川氏が若山研で証拠を得たと言って告発しているのですから、若山氏なり若山研も、見解を述べる義務があるはずです。小保方氏が刑事犯となる材料の提供元として当の告発人から言及されていたのですから、もともとノーコメントでは済まされなかった話です。
 
 また、次のように書いた通り、小保方氏参考人聴取をあたかも立件間近であるかのように報じ、「手記発刊に対して、県警が舐めるなといって怒ったから聴取したのだ」としたり顔で報じたところもありました。それらの紙誌や評論家もまた、見解を述べるべきでしょう。
 
「小保方氏の手記が出てから、小保方氏への聴取が報じられた際に、「手記の発刊について、兵庫県警が、舐めた真似をするなと怒って、参考人聴取した」という曲解の上に「逮捕間近」という希望的観測?による想像を逞しゅうして記事を書いているところがありましたが、馬鹿馬鹿しい話です。小保方氏の手記という新たな材料が出たこともあり、告発事案に関係のありそうな点も含めて、聴取したということに過ぎないと思います。」


■ さて、これでES細胞告発案件が片付いたとなると、これは、「NHKスペシャル」についてのBPOの審理にも影響は必至でしょう。以前、下記の記事に書いた通りです。
あの番組で、Li氏が残したES細胞が、小保方氏によって盗まれ、STAP細胞捏造に使われたという構図を決定的に印象付けたNHKスペシャルですが、その構図は二重の虚構の上に立ったものだったということが明確になりました。これは、NHK側にとっては極めて不利な材料の一つになりますが、もし、BPOで延期されていたNHKへのヒアリングがまだ行われていないとすると、この点についても委員からの質問は集中するでしょう。

もう一つの可能性は、石川氏に対する名誉棄損の訴訟提起です。以前、次の記事で書いたように、
民事訴訟で提起すれば、警察の捜査資料は閲覧、開示請求できるようになっていますから、立証負担が大きく軽減されますので、これでハードルはぐっと低くなりました。やはり、1年強の捜査で、どういう事実関係が判明したのかを明らかにするという意味でも、この名誉棄損の訴訟提起は意義があるのではないかと思います。いったい、何が事実で、各関係当事者がどういう見解だったのかがさっぱり外部には出てこないままに、小保方氏の窃盗、捏造疑惑の証拠のように扱われていた点ですから、そのSTAP細胞事件」の真相、深層を明らかにするためには、この兵庫県警の捜査資料及び神戸地検の嫌疑不十分での不起訴判断理由というのは、公共財的な貴重な一級資料になると思います。
もしかすると、例の2CHの「小保方~地獄の底はまだ深いぜ」の投稿や、各メディアで盛んにリークしていた悪意があることが明らかな「理研関係者」に関係する事実関係も含まれている可能性もあります。あの投稿や「理研関係者」の説明では、「小保方が盗んだ」との観点で述べられており、それらが、疑惑形成に大きな影響を与えている面がありますから、これらの点についての事実関係も知りたいところです。
 
もちろん、訴訟提起は、諸々の負担と事情とを考慮した上で小保方氏側が判断することではありますが・・・。
仮に提起されるのであれば、石川氏は、「名誉棄損訴訟は受けて立つ」といっていたのですから、のぞむところでしょう。
 
一歩一歩ですが、STAP細胞事件の真実、深層と、STAP細胞の有無に関する材料が出始めている印象です。この1年で大きく構図が変わってくるような気がします。

【補足】
(1)NHKニュースが、石川氏と三木弁護士のコメントを紹介しています。

「告発した研究者の男性は、「立件できると思っていましたが非常に残念です」とコメントしています。
小保方元研究員の代理人「当然の結果」
これについて、小保方晴子元研究員の代理人を務める三木秀夫弁護士はNHKの取材に対し、「研究室が引っ越しをした際に残されていたES細胞を保管していたことはあったが、窃盗に当たらないのは明白で当然の結果だ」と話しています。
そのうえで、「小保方元研究員に伝えたところ『事実を理解していただけてよかったです』と話し、ほっとした様子だった」と話しています。」


(2)神戸新聞での、三木弁護士のコメントです。

不起訴処分を受け、小保方氏の代理人、三木秀夫弁護士は「当然の判断。小保方氏は研究室に残されていた物を処分できずに保管していただけで、刑事告発により著しい名誉毀損を受けた。告発者には謝罪してもらいたい」とコメントした。」