理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

STAP特許出願で、カナダで4月5日に出願維持料が支払われていることの意味は?


 STAP細胞の特許出願の件ですが、各国動向がどうなのか、ちょっと見てみました。
 気付きの点をメモってみます。

1  まず、WIPO(国際知的所有権機関)のデータベースですが、
  国際出願番号が、「PCT/US2013/037996」ですので、これで検索すると、

 のサイトで国際出願の概要が示されています。
 それで、タブの「国内段階」を見ると、次の5カ国・組織が表示されます。


国内段階移行に関する情報(詳細)
        官庁                    移行日         国内番号  国内ステータス
Australia17.10.20142013251649Published: 06.11.2014
Canada24.10.20142885576 
European Patent Office24.11.20142013780959 
Japan24.10.20142015509109 
United States of America24.10.201414397080Published: 23.04.2015
  
  これまで、この5カ国・地域国際機関「にしか」国内移行がなされていないということで、(栗原先生の「まさかの国内移行」)という表現でのご紹介のされ方もあり)漠然と、特許化を狙う対象国を絞り込んだかのような印象があるような気がするのですが、そういうことでもないのでは?と感じます。
 「国内移行」(各国での出願)の制度はいろいろのようですし、出願から審査請求までの期間もまたいろいろで、ちょっと国際比較をみただけでも、5年とかになっている国も多いようです。

 国際出願の際に指定した国、地域国際知財機関(ヨーロッパ、アフリカ、ユーラシア=旧ソ連地域)は、ほぼ世界中をカバーしていますから、まずは米国で特許化の手続きを優先的に進めて、それを他に及ぼそうということではないかと思います。

2 それで、国内移行した国の審査状況を見てみました。
 そうすると、最近の動きとして記載されている点が、2件ありました。

(1)カナダ で、出願維持料が、この4月5日付で支払われています(100ドル)。
   出願から3年が経過する4月24日が期限だったものです。この維持料は毎年支払うもののようで、今後の支払い期限も書いてあります。

(2)EPO(欧州特許庁)ですが、
 Most recent event が、というところをみると、2015年11月20日付で、
  Change - classification
  Change - date of supplementary search report
 と記載されていて、12月23日付で公開されています。

  中身を見てもよくわかりませんが、サーチレポートということなら、先行出願、研究の調査の補足ということでしょうか・・・??
  一番下の欄の、Documents cited というところでは、理研の桂調査委の調査結果をもとにして理研の研究員がまとめた "STAP cells are derived from ES cells", Nature, (20150924) の論文も掲載されていますので、審査はそれなりに進んでいるということなのでしょう。

3 次に日本の特許庁ですが、
 以下の工業所有権情報・研修館のJ-Plat-Pat というデータベースから、出願状況、審査状況が検索ができます。

  その右端の「経過情報」タブの、
 「1.番号照会」とありますので、そこに、「2015-509109」 というSTAP特許出願の番号を入れて検索すると、表示されます。特に動きはないようです。
  7人の代理人の氏名が書かれています。筆頭の高島一弁理士は、検索してみると、高島国際特許事務所の所長とあります。武田薬品知財部長をされた方だそうです。

  「公表記事」をクリックすると、特許出願やその明細書の請求項の内容も、日本語で書いてあるので助かります。

 ここの記載では、審査請求は「未請求」となっており、また、「経過情報」タブの「3.最終処分照会」を見ると、「未処分」となっています。ですので、まだ、審査請求の有無や、それがなされない場合の強制取り下げの有無は、このサイト上ではまだ不明ということになります。

● 以上が、WIPOや日本の特許庁のサイトをみて、気が付いた点です。
 別にこれらで何か明確にわかるわけではありませんが、ただ、カナダで、同じタイミングの4月24日期限で、出願維持料が支払われているというのは、注意を惹くところです。
 
 米国で、昨年12月時点で、特許出願の持ち分をベンチャー企業とシェアし、バカンティ教授と小島教授の別途の特許出願についても同様にシェアされているわけですが、カナダで出願維持料をこの4月初めに支払っていることとも考え併せれば、日本での出願を止めるという選択肢があるのだろうか?というのが正直感じるところです。
 別に、希望的観測で言っているわけではなく、米国、カナダで、直近時点で、特許出願継続の動きが明確に出ている中で、知財の日米欧の三極の一つである日本で、放棄するという選択をするというのは少々考えにくいのではないだろうか? ということです。
 いずれにしても、その結果は、栗原先生がおっしゃるように、近々、上記サイトに表示されるでしょうから、それをフォローしたいと思いますし、記載に動きがあったことにお気づきの方がおられれば、ご教示いただければ幸いです。