放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会での小保方氏へのヒアリング.
BPOのサイトをみると、放送人権委員会の4月の定例会合と、臨時会合の議事録が続けて公開されていました。これまで、議事録が公開されるのは、10日くらい後であるのが一般的で、4月19日の定例会合の議事録もつい数日前までは公開されていなかったのですが、急遽、26日の臨時会合の分まで含めて公開されたのは驚きです。
新聞報道もされるように、大きな関心をもってみられているために、早期に公開したということでしょう。
■ それでまず、4月19日の定例会合の議事録は、次のようになっていました。
「今回の委員会では論点と質問項目を確認したうえで、ヒアリングを行うために4月26日に臨時委員会を開催することを了承した。」
4月の定例会合で、論点整理と質問項目を固めるだろうということは、過去2回の議事録から想像はしていましたが、そこから当事者に通知して、1か月後の会合でヒアリングをするのだろうとばかり思っていました。ところが、その1週間後には、ヒアリングをしたというわけですから、びっくりです。
全般に審議が後ろ倒しになっていましたので、ここで期間を取り戻そうとしたということでしょう。
■ そして、そのヒアリングが行われた4月26日の臨時会合です。
「本事案についてヒアリングを行うため、この日臨時委員会を開催した。ヒアリングには申立人が代理人弁護士2人とともに出席し、各委員が詳しく事情を聞いた。被申立人のNHKのヒアリングもこの日予定されていたが、熊本地震の報道対応のため主なメンバーの出席が不可能になったことから実施を延期し、5月中に行うことになった。」
審議時間をみると、実に5時間です。いつも、5~6件の案件があって、22時近くまでやっていますが、今回は、この1件だけで、5時間を費やしています。委員は全員出席していますから、相当、力が入っています。
日時:4月26日(火)午後3時~7時55分
出席者:坂井委員長、奥委員長代行、市川委員長代行、紙谷委員、
城戸委員、白波瀬委員、曽我部委員、中島委員、二関委員
NHKは、看板番組で人権侵害認定されるかどうかという極めて重要な局面でのBPOのヒアリングのときに、熊本地震対応だといって出席見送りなどするだろうか?という疑問も湧きますし、委員たちの心証もよくないと思いますが、結果として、小保方氏へのヒアリングだけで5時間近くが費やされたことはよかったと思います。
あくまで想像ですが、NHKは、ヒアリング項目を通告されてから1週間では対応の準備ができなかったということでしょう。小保方氏の手記も出て、当然それに関係するヒアリング項目もあるでしょうから、1週間では十分な準備ができないだろう、ということはわかります。
この流れでいくと、もう1~2回臨時会合で揉む必要があるでしょうが、それを前提に考えると、次のような段取りで進み、結論が公表されるのは、夏か初秋あたりでしょうか。
5~6月に、ヒアリングを踏まえた考え方の整理と決定の方向性検討。
6~7・8月に、起草委員会による起草と議論。
8~9月に、決定の公表。
その頃には、米国側の動きも含めて、新しい動きが見えてきているかもしれません。
BPOでは、おそらく、「重大な人権侵害」と「重大な放送倫理違反」の認定による「勧告」がなされると思っていますが、そこから第三者委員会が立ち上がり、企画、取材、演出まで含めて厳しい検証がなされることになるでしょう。そこで様々な事実関係がまたわかってくるでしょうから、そうなってくると、世間の受け止め方にも大きな変化が出てくるかもしれません。