理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

小保方氏のホームページ開設と、関連する動きに関する感想


 小保方氏のHPが解説され、主として科学的データ、手法等について発信していくということのようです(hidetarouさん、コメント欄で早々に情報を入れていただいて有難うございました)。
 再現実験結果を示したり、STAP細胞作成のための詳細なレシピを記載したりするなど、本人が心身ともに不調で、自らが実験できない環境下で、世界の研究者に再現をしてもらうための情報を提供しようということが、このHPからわかりました。
 
 また、”I am ashamed of my careless mistakes.”とありますので、小保方氏のスタンスとして、改めて「捏造ではなく、ケアレスミス」との認識を明らかにしたということかと思います。
 
 また、博士論文については、訴訟又は他の大学院への再入学(=readmission)について関係者によって検討されている関係で、その結論が出るまでは延期せざるを得ないことをお詫びする、とあります。訴訟も選択肢の一つとして検討しているということですね。
 
 一時、特定の所からのものと思われる集中アクセスによって、閲覧ができなくなったようですが、STAP細胞の作り方のレシピを記載したサイトが、そのようなサイバー攻撃を受けるということは、「STAP細胞があってもらっては困る」という利害関係がある集団の存在が推定されるということになりますので、そのアクセス元の分析によって、その辺の情報が得られることに期待したいところです。そういった解析はIT関係者であればすぐわかることでしょう。
 
 TBSのニュースでは、次のように報じられています。 


「「世界中67か国から、昨日、(アクセスが)殺到しまして、今止まっている状態。特定の所と思われる所から、ものすごい数のアクセスがあって、他の人が見られないようにしている。(小保方氏は)『それほど私の研究内容を阻止したいのか』と不思議がっていた」(小保方氏の代理人三木秀夫弁護士)
 一方、理化学研究所は、ホームページが本人のものかどうか確認していないとした上で、「論文などで既に公開された内容ならば問題ない」としています。」
 
 ちょっと気になったのが、上記記事の末尾の理研のコメントです。「論文などで既に公開された内容ならば問題ない」ということは、裏を返せば、「公開されていないものであれば問題がある」ということでしょうか?
Results of the STAP verificationexperiment”のページに掲載されている画像については、
The cell culture was performed by HarukoObokata. Photography and gene expression analyses were performed by othermembers in the STAP verification experiment team.
 ということなので、丹羽氏らによる検証実験のほうではなくて、小保方氏の再現実験によるものということでしょうから、理研に公開の可否について云々される筋ではないように思うのですが、どうも妙なニュアンスの発言です。
 もし、小保方氏の再現実験であっても、解析したのは理研のスタッフだから、未公開のものがあればその公開の可否は理研が判断するということでしょうか?
 また、丹羽氏らによる検証実験の結果について、仮に、公開されていないデータがあったとした場合には、その公開は罷りならんということでしょうか?
 
 小保方氏はその手記の中で、再現実験において、鉛のように感じる重い服を着せられて、監視カメラと立会人による監視があり、更に、できた細胞の解析を他のスタッフが行うために、その解析結果のフィードバックによる実験の匙加減の調整ができなかった旨を述べていました。小保方氏が魔女であるかのような扱いであり、相澤氏が再現・検証実験公表時の記者会見の最後で小保方氏に謝罪したような非科学的な扱いを理研はしました。
 分子生物学会の幹部らは、「不正の解明が先」「税金の無駄遣い」として、小保方氏による再現実験、理研による検証実験に強硬に反対しましたし、理研の中でも、高橋政代氏の如く、「マスコミが殺到して静穏な研究環境が侵されて迷惑」といった発言もありましたので、STAP細胞の有無についての科学的解明ということには断固抵抗する流れがあり、理研内部でもそれに与(くみ)する人々がいて、それによって、再現実験の際に小保方氏を制約するような非科学的扱いにつながったのだろうと想像されるところです。
 相澤氏の会見での謝罪は、理研内でのそのようなせめぎ合いの存在を浮き彫りにしたものでした。
 深読みのしすぎかもしれませんが、小保方氏のHPに関する理研のコメントには、小保方氏への制約の流れやせめぎ合いの延長であるかのようなニュアンスを感じました。
 
 STAP細胞事件の一連の流れをみると、STAP細胞の有無について科学的に探究しようという向きは、笹井氏、丹羽氏を除いて皆無に近く、「STAP細胞は、あってもらっては何としても困る」という強力な「意思」が随所に感じられます。
 ES細胞では説明がつかない点については一切無視しますし、研究不正とは研究犯罪である以上、ES細胞だと断じる以上は、STAP細胞実験での一連の事象をES細胞によって再現してみるというのは、当然の基本的「捜査」の一環となるべき作業のはずですが、それを果たそうとはしません。研究不正の解明は、警察によるのではなく、まずは科学界の自治に委ねられているのですから、そこまでやるのは義務とも言えるでしょう。


 通常の刑事事件では、事実関係に争いがあれば、検察側はそこまで必ずやります。昨年12月に大きく報じられた東住吉女児焼死事件再審決定も、「自白」に沿った検察側の主張に対して、弁護側がまず放火の再現実験で、検察の主張は成り立たないことを主張し、検察側で行った再現実験でもやはり無理だった、ということで、再審決定に至ったものです。
 
 しかし、STAP細胞を否定する桂調査委も科学界も、決してES細胞による再現実験をしようとはしませんでした。ES細胞そのものなのか、浮遊細胞なのか、科学界の見立てがどちらなのかわかりませんが、そうだと断定する以上、また、小保方氏による混入、すり替えによるものだとする以上、(ES細胞の扱いには慣れているでしょうし)あの一連の実験経過を再現することは容易でしょう。そして、笹井氏、丹羽氏らによって形状、性質等からES細胞では説明できないとされた材料を説明することも簡単でしょう。
 研究犯罪である研究不正について、一定の事実認定に基づいて有罪判決を下すのであれば、そこまでやるのは「科学検察」の役割も担う科学界の義務だということです。「著者が再現できないので、STAP細胞の存在は確認できず、研究不正と『みなす』」という判断だけに留まるのであればまだわかりますが、そこから大きく踏み込んで、「正体はES細胞だった」と断じる以上、その立証責任は、そう断じる側にあります。
 
 にも拘らず、二言目には「まず小保方氏が立証するのが先だ」の一点張りで、このような義務を履行しようとはしませんでした。実験ノートやデータの話にしても、小保方氏は記者会見で明確に、「知財権の関係があって自分の一存では公表できないことをご理解下さい」と説明していることをフォローしようともせず無視して、延々と「データを出さないのはけしからん」「実験を行っていないからだろう」と壊れたテープレコーダーのように言い募ります。ハーバード大の国際共同研究の形になったSTAP細胞研究においては、権利関係が入り組んでいる模様で、実験ノートを含む研究試料には、組織として帰属関係があることは、モニタリング委報告書に記載されていますから、小保方氏の説明を裏付けています。また、実験ノートのうちの数冊はハーバード大側にあることも小保方氏は説明していますが、ハーバード側の開示は難しいことは、早稲田大の調査委の小林委員長の説明からも推測できます。小保方氏の手記にあった特許出願をめぐるハーバード側との緊張関係からしても、そのベースとなる研究試料の帰属は、大きな争点となっていたことでしょう。
 
モニタリング委報告書では、理研に帰属することが明らかになった試料で解析を行ったと記載されていますから、逆に言えば、ハーバード側の帰属になったものは解析できなかったということです。実験ノートもそれに含まれるわけであり、小保方氏がその一存で開示できるわけがありません。理研もその点は重々分かっているにも拘らず、説明しようとしません(というか、隠している感があります)。
 研究者個人又は研究室単位の通常の研究実験とは性質が異なり、開示については、一研究者(=実験当時はハーバード大の駒たる客員研究員)だけの判断では難しい状況があるということを全く無視して、ともかくSTAP細胞を否定し、小保方氏(と笹井氏)を非難する台詞を延々と吐き続け、理研当局もそれを放置するというのはおかしな話です。
 
 こうやって見てくると、「STAP細胞があってもらっては何としても困る」という、内外の既存科学界の「意思」が強く感じられますし、科学界がSTAP細胞ES細胞だったということは科学的に確定した事実」と強調すればするほど、その「意思」が感じられます。それは、今回の小保方氏が開設したHPへのサイバー攻撃によっても改めて浮き彫りになった印象です。
 STAP細胞は、万能細胞研究の世界において、パラダイムシフトをもたらす可能性があるものだけに、その受難の程度にも激しいものがある、ということでしょうか・・・・。
  
小保方氏の手記で、相澤氏が述べたという「こんなどろどろした業界ほかにないぞ」(p241)という指摘が実感をもって感じられてきます。