理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

兵庫県警のES細胞窃盗容疑の捜査資料の内容を明らかにする方策―名誉棄損の民事訴訟の中で閲覧・開示を求める

 
 今回の兵庫県警のES細胞窃盗容疑での告発案件が、被疑者不詳で送検後に、不起訴になるとして、そこでの県警の捜査資料が埋もれてしまうのは、真相解明の上でも惜しいことです。
 BPOでの審理・決定と、その後の第三者委員会による事実関係、原因等の解明作業が、STAP細胞事件の「真相」「深層」の解明に役立つでしょうが、この兵庫県警の捜査もまた、(石川氏とその背後にいる人々の思惑とは違って)真相究明の材料の一端になり得ると思います。
 
 それで、何か手立てがないだろうか・・・と考えてみたのですが、そう言えば、民事訴訟で、刑事事件の捜査資料を活用できる道がありますので、これが使えないだろうか?と思い至りました。

 「民事訴訟+捜査資料+証拠」というような組み合わせで検索すると、みずほ中央法律事務所というところの解説サイトがヒットしました。

【刑事事件記録=捜査資料→民事手続での利用|開示手続|運用の傾向】


 いろいろな手立てが最近では整備されつつある模様です。
 それでこれを読んでいくと、法務省が、不起訴事件記録の開示について」という指針を出していることがわかってきました。

 事故や傷害事件等の被害者が、民事訴訟損害賠償請求等を行う場合に、警察が刑事事件として捜査して不起訴になった場合でも、その記録の閲覧・開示を求めて、その証拠にすることができるようになっているようです。

「不起訴記録については,これを開示すると,関係者の名誉・プライバシー等を侵害するおそれや捜査・公判に支障を生ずるおそれがあるため,刑事訴訟法第47条により,原則として,これを公にしてはならないとされています。
  しかし,法務省においては,平成12年2月4日付けで被害者等の方々に対する不起訴記録の開示について,平成16年5月31日付けで民事裁判所から不起訴記録に関する文書送付嘱託がなされた場合の対応について,それぞれ全国の検察庁に指針を示しており,検察庁においては,刑事訴訟法第47条の趣旨を踏まえつつ,被害者等の保護等の観点と開示により関係者のプライバシー等を侵害するおそれや捜査・公判に支障を生ずるおそれの有無等を個別具体的に勘案し,相当と認められる範囲で,弾力的な運用を行ってきたところです
  近時,被害者等の方々からは,被害を受けた事件の内容を知りたいとの強い要望がなされているところであり,このような要望にこたえ,被害者等の方々の保護をより十全なものとするため,従来の指針に加え,刑事訴訟法第316条の33以下に規定された被害者参加の対象事件(以下「被害者参加対象事件」という。)の不起訴記録については,被害者等の方々が,「事件の内容を知ること」などを目的とする場合であっても,客観的証拠については原則として閲覧を認めるという,より弾力的な運用を図るのが相当であると考え,平成20年12月1日から実施することとして,同年11月19日付けで,全国の検察庁に通達を発出しました。」

 要するに、従来は刑訴法で不起訴記録は開示してはいけない、とされていたが、損害賠償請求の目的のために裁判所から請求があった場合や被害者から閲覧請求があった場合に、諸事情にも配慮しながら認めることに加えて、「事件の内容を知りたい」という目的であっても認めることとしている、ということのようです。

 そうすると、石川氏による「地位と名誉を得るためにES細胞を盗んで、STAP細胞を捏造した」という明らかな名誉棄損について、慰謝料請求をする民事訴訟を提起し、その中で、証拠として、兵庫県警の捜査資料を証拠として開示閲覧請求するか、又は裁判所から文書提出要請(「文書送付嘱託」)を出してもらう、というやり方があるのではないかと思った次第です。
 供述証書についても、裁判所からの要請があれば認められるようです。

 石川氏の告発の裏付けとなるとした「証拠」類がいったい何だったのか?、若山夫妻や若山研のメンバー、理研の関係者、Li氏らがどういう供述を県警にしたのか?、あのES細胞やボックス、冷凍庫等の備品管理台帳、移転契約書、マウスや細胞の管理状況等(これらは情報公開請求でも取れるものもあるでしょうが)はどうだったか? 警察や検事はこれらを踏まえてどう判断したのか?等の一連の捜査資料によって、小保方氏による窃盗など事実無根であることがわかるでしょう。
 「罪とならず」又は「嫌疑なし」の区分での不起訴となるでしょうから、窃盗容疑の裏付けがないことは結論としては明らかなわけですが、その結論に至るまでにどういう材料が積みあがったのかは、STAP細胞事件の一端を解明する上でも重要な材料だと思います。

 被疑者不詳事件であっても認められるのか、捜査資料のどこまでの開示が認められるか、専門家でないのでよくわかりませんが、状況次第で、そういう方策も検討できないものでしょうか? 三木弁護士や弁護団であれば、その辺もあるいは視野にあるのかもしれません。

 名誉棄損の訴えの時効は、刑事は半年、民事は3年ですので、刑事は時効ですが(しかし石川氏は、最近も何かしゃべっているようなのでそれを対象にする手もあり得るかもしれません)、民事はまだ2年の余裕があります。
 その間には、BPOの決定をはじめとして、状況もいろいろ変化してきているでしょうから真実を知るために名誉棄損の民事訴訟を起こす選択肢も十分考えられるでしょう。
 よく、金銭が目的ではなく、どちらが正しいかをはっきりさせる目的や、事実関係を裁判所に認めさせることを目的として、損害賠償や慰謝料を1円で請求するというような例もあります。そういう目的で行う民事訴訟もありますから、今後の展開次第で選択肢として(※)考えられるかと思います。

【補足】
 別にこれを今すぐ、ということではなく、今後2年の間には状況がかなり変わってきている可能性もありますので、「今後の展開次第」での、「兵庫県警の捜査資料の内容を明らかにすることを考えた場合の」「選択肢」として述べてみた次第です。刑事事件としての名誉棄損は、時効が短いので、当時の様々な発言がその対象となりにくいという憾みはありますが、現在進行形の諸々の発言もありますから、それを捉えるというやり方もあるかもしれません。ただ、あれだけ典型的な名誉棄損発言もないので、それほど訴訟上の負担が大きいということはないようにも思います。
 他にも選択肢はいくつかあると思います。マスコミに情報のリークをしていた理研関係者がいることは確実ですから、理研法で規定された守秘義務違反での告発というのが手っ取り早いと思います。時効は3年、だったかと思います。