理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

窃盗で訴えると言われて初めて持ち出した試料を申告した若山氏―その発信情報の正確性、裏付けが全く担保されないまま所与のものと扱われる理不尽さ

 
若山氏が山梨大に移る時の、試料の持ち出しについて、以下のような記述があります。これは、様々な点で、重大な問題点を示唆しています。
 
2014325日、小保方に渡したマウスと若山先生が解析したSTAP幹細胞のマウスの系統が違うとの報道が出た。理研に保存されているはずの凍結細胞サンプルが山梨で解析されたという報道から、私はこの時、初めて若山先生が冷凍庫内の私の名前が書いてあるサンプルボックスから、凍結保存されていた細胞サンプルを抜き取って山梨に持って行っていたことを知った。(中略)
 私は渡されたマウスで実験をしており、マウスの系統を管理していたのは若山先生だったので、若山先生が突然、「小保方さんから渡したマウスとは違う系統の細胞を渡された」と報道機関に発表する意図が理解できずにいた。理研の中では、「若山先生はどうして遺伝子を解析すれば自分の想定とは違う結果が出るかもしれないと予想できたのだろう。一体何の細胞を解析したんだろう」と不思議がる研究者もいた。しかし、当時のテレビでは「捏造ですね」と断言する、専門家を名乗る人たちも登場した。こうして、まるで私が恣意的に細胞をすり替えたのではないか、と世間に邪推させるための最初の伏線が敷かれた。
この時点ではこのような伏線に気がつくこともなく、サンプルが無断でいじられていた事実に驚き、理研の事務方に相談した。本来なら理研で作製されたサンプル等は理研に所有権があるため、理研外に持ち出す際には研究成果有体物移転契約書(MTA)と呼ばれる書類を作成し、何をいくつ持って行くかの契約を交わす必要がある。若山先生はMTAもされていないので「何をいくつ持って行ったのかは若山さんの自己申告以外にない」と事務の人に説明された。のちに、「(MTAを交わさないと)このままでは窃盗で訴える」と理研が若山先生に言ったところ「慌てて書類を出してきた」と理研の幹部の人が教えてくれた。そのため、若山先生が理研と交わしたMTAは若山先生の自己申告による事後契約となっている。
さらには、若山先生がSTAP幹細胞を第三者機関に解析に出すという話を聞いた。「共同研究者から譲与されたSTAP幹細胞がありますので」というコメントとともに、それらの細胞を第三者機関に解析を頼むと発表している、と理研事務の人から聞かされた。ここでの「共同研究者」というのが、もし私のことであるなら、私は「譲与」などのやりとりを若山先生とは一切交わしていない。若山研の凍結細胞が保存されていた冷凍庫は誰でも自由に出入りできる場所に置かれ、施錠などの管理はされていなかったが、引っ越しの際、細胞の保存がされていた冷凍庫の整理は若山先生によって行われていた。その後若山先生からメールでサンプルボックスを移動させるように指示が出され、私は自分のサンプルが置かれていた冷凍庫の引き出しに残されていたサンプルボックスをそのまま理研で引き継いだが、その前に若山先生は私の名前が書かれたサンプルボックスを開け、中身の一部を私には相談なく抜き取り山梨大に持ち出していたようだ。このようにして私に残されたサンプルボックスの中の細胞は、引っ越し時に若山先生によって選別されていたことを知る。
若山先生が自由に解析等を行う権利を行使していた一方で、2014315日の時点で小保方研に保存されていた凍結細胞試料はすべて林先生からの連絡を受け、理研によって証拠保全されていた。MTAもなされず、私の知らないうちにサンプルが抜き取られ持ち出されていた以上、私のサンプルボックスに何の細胞が残され、何の細胞を持って行かれたのかは、若山先生にしかわからない。事後に提出されたMTAが果たして真実であるのかも若山先生にしかわからない。私の上司であり研究室の長であったという情報量の多さの特権を持ち、その上、著者の中で唯一、自由にサンプルを解析し結果を発表する権利すら与えられている。こうして若山先生にとって有利な状況証拠をいくらでも作り出せる環境が作られていった。(p154~157)
 
問題点としては、


(1)若山氏が山梨大に移るに際して、若山氏が自由に試料を選別して持って行き、その選別に当たって、所有者の理研が何ら立会いや確認を行わず、MTA契約も交わさず、事後的に形式的にMTAを整えたに過ぎなかったこと。したがって、若山氏が何を持って行ったのかは不明であること。


(2)若山氏は、小保方氏に無断で小保方氏の管理下にあるはずのSTAP幹細胞を持ちだしたこと。


(3)論文に疑念が指摘された後、保全されたのは小保方研究室の保存試料のみで、山梨大に移った若山氏の保存試料の保全は何らなされていなかったこと。同じ被調査側の立場でありながら、小保方氏のみが調査対象であり、若山氏は調査側であるかのような根本的問題点を、最初の時点から孕んでいたこと。


(4)結局、若山氏が発信する情報は、その正確性、裏付け等が客観的に全く担保されていない状況にあるにも拘わらず、それがそのまま調査側の前提となる事実として扱われ、判断の基礎となってしまうという、およそ不正調査としてはあり得ない内実であることが改めて明らかになったこと。
(小保方氏の指摘する「若山氏にとって有利な状況証拠をいくらでも作り出せる環境が作られていった」こと)。


 このブログでは、当初から、山梨大の若山研の保全が小保方研と同様になされず、若山氏が調査側の人間であるように扱われ、その「告発」が、改革委及び学術会議によって高く称揚されるという、理不尽極まりない実態を、法治とはまったく相容れない重大問題として指摘してきましたが、それが小保方氏の提示する材料によって、改めて明らかになったということです。
 不正調査としての基本的要件が、初めから欠落しているのです。それをおかしいと思わないのが、改革委であり理研であり、学術会議であり、日本の科学者、マスコミです。いくら、善玉悪玉的思考で汚染されてしまっているといっても、その最低限の是非の峻別がつかないというのは、異常な世界です。


 なお、


「引っ越しの際、細胞の保存がされていた冷凍庫の整理は若山先生によって行われていた。その後若山先生からメールでサンプルボックスを移動させるように指示が出され、私は自分のサンプルが置かれていた冷凍庫の引き出しに残されていたサンプルボックスをそのまま理研で引き継いだ」

 ということが、小保方氏の口から語られています。ということは、やはり想像通り、若山氏及びそのラボメンバーにより選別された後、ジャンク細胞も一緒にそのまま引き継いだということではないでしょうか? 
 そして、そこに残っているのは、若山氏のスクリーニングを経た試料であり、本来若山研に持っていくべきものを小保方氏が窃盗したというものでは全くない、ということになります。
 逆に、若山氏がMTAも結ばずに勝手に持って行ってしまって、危うく理研側から窃盗で訴えられかけたわけですから、構図は逆です(笑)。
 石川氏から告発を受けた兵庫県警も、若山氏側が窃盗で訴えられそうになっていたと聞いて、さぞ面食らったことでしょう(笑)。