理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

不正調査委員会や自己点検委員会の不公正運営の材料―小保方氏の証拠提出を封殺


 先日の記事で、小保方氏の手記の中で、調査委委員会や理研の不公正な扱い振りを示す材料をいくつかピックアップしましたが、

調査委員会や自己点検委員会等の不公正運用を示す大事な材料が、手記にはまだまだまだありますね。当事者に十分な意見陳述、釈明の機会を与え、それを聴くということは、公正手続きの基本ですが、それが全く蔑ろにされていた、ということが伺えます。

また、自己点検委員会は、初めから論文の疑惑発生を奇貨として、笹井氏失脚をターゲットにしていたことが示唆されています。報告書を毎日新聞須田記者に全文リークして、大々的に書かせ、鍋島委員長は、(不正調査を行う二次調査委員会はこれからであり、STAP細胞の有無は今後の検証実験・再現実験で確認される予定であったにも関わらず,その前の時点での)NHKスペシャルの中で、「笹井氏はこの1件ですべてを失った」としたり顔で語りました。STAP問題が、権力闘争の具にされたということでしょう。
 
 
【助言という名の検閲で削除された小保方氏提出の証拠】

 桂調査委員会に対して、「若山研での実験の実態を伝えようと思ったが、多くの証拠が詰まっている若山研時代のメールアドレスは、ハーバードのものなので、すでにアクセスすることができなくなっていた。
 そこで、「委員会への取次を担当してくれた事務の人に相談したところ、当初は私の話を聞き、残っているメールなどの証拠を見たその人は、「若山さんが研究を主導していたのは明らか。調査はきっといい方向に行くはずです」と言った。調査委員会からの回答を求められていた質問状に対する回答の書類とともに、若山研での研究状況を少しでも伝えるための書類を同時に提出したいと考えていた。
 ところが、いざ調査委員会に「これらの証拠を提出したい」と若山研での実験の実態を示す証拠をまとめた証拠を見せると、助言という名の検閲が入り、公表されると理研に都合の悪い情報は、すべて削除された。・・・・その方をとても信頼していただけに、このとき私が感じた孤独感は、計り知れないものがあった。・・・川合理事から話があった、若山先生と私の情報量の補整も、結果的に行われることはなかった。」(p232~233)
 
【自己点検委員会の最初からのバイアス】

3月中旬にはPIメーリングリストを通じ、内部調査委員会の設置案が議論されていた。・・・第1次調査委の調査がまだ継続中であり、何も結果が出ていないはずの(2014年)3月中旬時点で、既に内部調査委員会(自己点検委員会)は、総括として、日本の科学に対する信用、神戸~都市構想、女性研究者、科学に興味を持つ若者の夢を裏切った、理研CDBの研究者への悪影響、共同研究における信頼関係を損なう事例」と結論づけていた。」
(笹井氏への非難報道につながる内容が内部から相次いだことについて)「笹井先生から、「センターのために尽くしてきたのに辛い、僕を引きずり落とすことしか考えていないようだ」という連絡を受けた。」(p173)
 
【封殺された自己点検委に対する意見提出】

5月中旬になると、竹市センター長から、改革委に提出する自己点検委の書類の中で、私が関与している部分の確認をさせてほしいとの要請を受けた。部分的にきかされた内容は、若山研での実験状況などは省かれていて、実情とはかけ離れ、責任の多くを笹井先生に押しつけているような内容だった。「このまま発表されては実情とはあまりにも異なっているので、私にも陳述させてほしい」と申し出たが、竹市先生ももう手一杯だったのか、「今さら変更が増えると混乱が起きるので、もうあきらめてほしい」と言われた。・・・・事務方の幹部の一人からは、「事実を淡々と、ということになっていますが、実際にはかなり推測がはいっているし、多くの部分について小保方さんに何の事実確認もなく偏重して書かれていて、かなりの試練になると思う」と伝えられた。」(p182)
 
 
 助言の名による証拠の削除、意見提出の機会封殺は、いずれも、小保方氏にとっては信頼している相手によるものだっただけに、なおのこと精神的打撃も大きかったことでしょう。
 それにしても、その不公正振りについては、想像以上のものがあありそうです。