小保方氏の手記発刊の意義と効用
小保方さんの手記『あの日』は、まだ入手できておらず、Amazonをみると、29日発売とありました。しかし、既にAmazonでは、読んでコメントしている方が数名いましたから(28日付で)、既に一部書店では、並んでいるわけですね(あるいは、キンドルで読んだのかもしれませんね)。
そういうことで、まだ内容はわかりませんが、この手記の出版によって戦々兢々としている人は少なくないでしょう。
これは、私の個人的な考え方ですが、居丈高に攻撃してくる相手に対しては、その相手が嫌がる点を徹底的に攻めるというのが良策であり、「冷静に話し合いで解決しましょう」などという綺麗事を言っても、何も解決しないと思っています。
居丈高になる人々は、その攻撃している相手が何も言わないとなると、ますます居丈高になって、事態の収拾は更に困難になります。
そういう時には、相手の弱点を洗い出して、それを徹底的に突くことによって、相手は初めて我に返り、それによって冷静な話し合いなどの環境ができるということです。
弱い犬ほどよく吠える・・・といいますが、そういう相手ほど、反撃は効果的です。
人間関係で、誰でもそういう経験はお持ちではないでしょうか?
国との関係でも然りで、中国のように、こちらが黙っていればその嵩のかかりようが尋常ではない相手に対しては、そういう対処でやるほかありません。
手記の内容はわかりませんが、おそらく、小保方氏から見た新たな事実関係も書かれていることでしょう。それをめぐって改めて議論になる可能性はあるでしょう。
小保方氏が反撃として書く以上、そいいう議論を巻き起こす「新事実」もあるのだろうと、期待しています。
タイミング的も良かったのではないでしょうか?
① (中身次第ですが、「新事実」が少なからず含まれているのだとすれば) 「小保方潰し」の狂騒が一段落して、「小保方は完膚なきまで潰した」と思っている人々にとっては、まさかの急襲になりうること。
出版の話は、突然の話でしたから、皆焦っていると思います(あえて、そういう戦術をとったのかもしれません)。ですから、STAP細胞についての支持・不支持を問わず多大な関心がもたれ、Amazonでも予約販売にも拘らず、「ベストセラー1位」になっているのでしょう(早々と星1つ付けてけなしている人もいますが)。
一番焦っているのは若山氏かもしれません。前に書いたように、若山氏の撤回呼び掛けは唐突すぎました。翌日には撤回呼び掛け理由の大半は、笹井氏らの説明で納得したと言っていたわけですから、呼び掛け前に笹井氏、小保方氏らに相談せずに、いきなり撤回呼び掛けをしたのはミステリーだと感じました。また、6月の会見の際に、「小さいマウスはポケットに隠して持ち込める」とまで述べて小保方氏の不正を印象付けようとしていたのには、かなりの違和感がありました。それらの唐突感、違和感の背景を解明する事実関係の一端なりともわかるかもしれません。
② 小保方攻撃に飽きたマスコミに対して、格好の材料の提供となり、大きく取り上げられる可能性もあること。
マスコミの節操のなさは誰しもわかっていることで、それを逆に利用することは悪いことではありません。講談社は、朝日新聞のように一枚岩の金太郎飴ではなく、メディアによって、右から左までいろいろあります(講談社学術文庫などは、本当に立派な企画だと思います)。フライデーが講談社発行とは気が付きませんでしたが、販促のために、週刊現代等で取り上げられ、それをもとに、テレビでも取り上げられるとすれば、主張の浸透にも役立つことでしょう。 『WILL』誌が、西岡氏その他の記事を載せることにもなるでしょう。
この辺にも手記で触れていると、そちらにマスコミの目が行くので、より効果的だと思うのですが・・・。
④ 放送倫理・番組向上機構(BPO)の審理も相当進んできて、今年前半には決定に至ると思われること。
また後ほど別記事にして触れますが、BPOでの論点整理は終わり、それぞれについて意見を述べ合って、更にヒアリングをして、煮詰めていくという段階まで来ています。そうすると、次次回あたりで、起草する決定案の方向性は決まることでしょう。
起草委員が起草した決定案を元にさらに議論がなされ、また別意見を持つ委員が自らの見解をまとめるという作業がありますが、夏前までには決定に至り、公表される可能性が十分あります。
そこでは、多かれ少なかれ、NHKスペシャルの人権侵害が認定されることでしょう。それと連動して、世の中の受け止め方にも変化が出てくるかもしれません。
BPOの人権委員会の議事録をみると、整理された論点ごとにヒアリングをすることになったとありますが、もしかすると、ここで、手記が材料として提出されることになるのかもしれません。普通は、主張は最初に述べたものがすべてであり、論点が絞られた後から追加しても、「遅れてきた主張」ということで却下されるでしょうから、主張の補強材料にはならないかもしれませんが、既に提示している論点の範囲であれば、それは補強材料になるのかもしれません。
このBPOの審理も多少なりとも関係している可能性があるのかもしれませんね。
⑤ 早稲田大の博士論文と関連データの公開が近々予定されていること。
小保方氏は、博士号取消に際して、論文やデータを「年度内(=3月末まで)を目途に随時公開していきたい」と述べていました。それを単に公開するだけでは効果が薄いので、今回の手記によって、改めて小保方氏自身の考え方、把握している事実関係を提示して、関心を高めて、博士論文公開への注目度も高める、という効果も念頭にあるのかもしれません。
・・・ということで、小保方氏から見て、どういう新たな事実関係が提示されているのかを楽しみに、本が届くのを待ちたいと思います。