何も語らない?STAP論文の他の共著者たち
運営・改革モニタリング委報告書の参考資料に、昨年6月に公表された自己点検検証委の報告の抜粋が載っています。
それを見ると、一連のSTAP問題に関しての動きの中で、ほとんど登場せず、注目もされなかった「論文著者」がいることに改めて気が付きます。
自己点検検証委「自己点検の検証について」抜粋(平成26年6月10日)
◎p5
(4)論文の著者リストについて
④二度の論文改訂の過程で共同研究に参加したCDBの研究者(電子顕微鏡解析室の米村重信室長、ゲノム資源解析ユニットの2名)がレター論部の著者として加わることになった。
◎p8
2.STAP論文の作成に関する検証
(2)論文著者らの関与
共著者A及び共著者Bは、小保方氏を補助する実験を行った。共著者Cは、小保方氏提供のSTAP細胞とSTAP幹細胞を用いたin vitro分化実験を行い、CDB電子顕微鏡解析室の米村室長は、STAP細胞とSTAP幹細胞の電子顕微鏡写真を撮影し、提供した。また、共著者D及び共著者E氏は、小保方氏由来の試料の遺伝子解析とバイオインフォマティクス解析を行った。これらの共著者には論文の投稿や改訂の際に論文内容を確認する機会が与えられていなかった。これらの共著者には、担当し関与した部分についての職務遂行に問題は見当たらなかった。
米村室長以外はアルファベットになってしまっていますが、これらの共著者の証言やコメントは、見た覚えがありません。どこかで報じられていたでしょうか?
関心があるのは、
① 「STAP細胞とSTAP幹細胞の電子顕微鏡写真を撮影」した米村室長は、もしそれらが、桂報告書の結論のように、ES細胞だったとすれば、大きさや形態等からして、すぐに気が付くと思いますが、その点に関しては、どう考えているのでしょうか?
ES細胞であったのであれば、すぐに光り出すでしょうが、時間の経過によって光り出すという時間差についてどう評価しているのでしょうか?
また、緑色発光が死細胞の蛍光だというのであれば、それと同一なのか差異があるのか、やはりすぐに気が付くと思います。この点はどうなのでしょうか?
笹井氏は、人為的操作ができない電子顕微鏡での記録からして、ES細胞ではあり得ない旨を述べていましたし、丹羽氏も自らの肉眼での仔細な観察から、ES細胞ではないとしていました。電子顕微鏡のプロでもあり責任者として、米村室長はどう考えているのでしょうか?
②「共著者A及び共著者Bは、小保方氏を補助する実験を行った」とありますが、小保方氏の補助者の存在は、今までほとんど認識されていなかったと思います。「補助する実験」とは一体何なのでしょうか?
桂報告書が推定するような、ES細胞を混入させるような過程があったのだとすれば、このAとBとが、何も気がつかないというようなことはあるでしょうか?
③共著者Cは、「小保方氏提供のSTAP細胞とSTAP幹細胞を用いたin vitro分化実験」を行ったとのことですが、その際、ES細胞だったら、すぐに気が付くのではないでしょうか?
④「共著者D及び共著者E氏は、小保方氏由来の試料の遺伝子解析とバイオインフォマティクス解析を行った」とのことですが、具体的に何をどう分析したのでしょうか? その過程で不自然な結果とかは無かったのでしょうか?
また、「論文の投稿や改訂の際に論文内容を確認する機会が与えられていなかった」とありますが、事後的に論文をチェックして、何か問題があると感じる部分はあったのでしょうか?
一連の調査等の中で、ほとんど全くといっていいほどに存在が認識されなかった共著者たちですが、彼らは、自らが従事した実験なり解析について、どう考えているのか、桂委員会報告書について納得しているのか、もっと語られてもよかったのではないか、と思います。