理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

西川元副センター長の「捏造は、起こることが予想されている実験を先駆けて示そうとする場合がほとんど」との示唆的発言

須田氏の『捏造の科学者』に掲載されている若山氏のインタビュー発言が、なかなか興味深いものがあるので整理しているのですが、その最初の須田氏インタビュー記録の直前に掲載されている、ニコニコ動画の番組での西川前センター長の発言が、なるほどと思いました。
 
「私はCDBの前副センター長、西川伸一氏の誘いで、インターネット動画共有サイトニコニコ動画」の生番組に出演した。西川氏が主宰するNPO法人「オール・アバウト・サイエンス・ジャパン」の提供で、番組のタイトルは「STAP論文徹底解説」。私が聞き手役となり、西川氏と中武悠樹・慶懸義塾大学助教が、「もし自分たちがSTAP細胞論文を査読したら」という設定で語り合った。
  (中略)
番組の後半、STAP細胞の再現性の問題も取り上げられた。西川氏は「本当にできるかどうかは時間がかかる」としたうえで、一つだけ言いたいのは、誰も予想しなかったことに関して何かやると、うまくいかなかったら消え、いつかは誰も見向きもしなくなる」と述べた。
有名科学誌に掲載された過去の論文でも、再現性がとれないために消えていった論文が数多くあることも紹介し、「まあ、僕は消えないと思うけどね」と付け足した。作製法は「簡単」と発表されたが、「簡単ですかね?酸で刺激を与えるのは簡単ですけれども、(細胞を)全滅させる直前で(刺激を与えるのを)止めるというのはけっこう難しいと思いますよ」と中武氏。
論文の解説に時間がかかり、視聴者がおそらく最も関心を持っている画像の疑義になかなかたどり着けない。内心、焦ったが、残り数分のところでようやく質問できた。西川氏は「こういった実験というのはノートをとってきちんとやっている」「ノートをみれば分かることですよね、だいたい」と、それほど深刻にはとらえていないようだった。
番組後の雑談だったろうか。西川氏はこうも語った。
 
科学で提造が生まれるほとんどのケースは、起こることが予想されていることを実験的に、他に先駆けて示そうとする場合だ。韓国の黄禺錫(フアン・ウソク)氏によるヒトクローンES細胞の握造事件の場合、すでに動物でクローンが作られていて、ヒトならどんなデータになるか誰もが予想できた。STAP細胞は誰も考えつかなかったことで、結果はこれまでの常識とも全く異なっている。マウスのiPS細胞のときと同じでお手本がない。こういう結果は、提造からは生まれない」――。」
 
改革委や石川氏らが断罪するが如く、「名声と地位を得るため」であれば、あんな誰でもすぐに疑問に(非常識に)思うような実験をわざわざ選ぶだろうか? ES細胞などというありふれた細胞を使って、すぐばれるような真似をするだろうか?・・・そんな初歩的詐欺で一生を棒に振るようなリスクの高いことをするわけがない・・・――そういう健全な常識に合致するコメントだと感じました。
 
西川氏は、小保方氏の採用等に関する改革委の批判に対しても疑問を呈していましたし、理研顧問のポストを、「理研に籍をおいていては自由にものが言えない」として実質的に抗議の辞職をしています。辞職時に、いずれ発言したいといったことも示唆されていたかと思いますが、一連のことを西川氏はどう見ておられるのか、大変興味のあるところです。


竹内氏、西川氏、相澤氏、丹羽氏、笹井氏・・・実に、理研スピリットを体現しているような人々ばかりで、その一連の発言や姿勢を見聞きすればするほど、戦前から脈々と受け継がれてきた理研の精神風土、研究風土をひしひしと感じさせます。京都大のもともとの自由闊達な気風とも共通するものがあるような気がします。
それに対して・・・・、改革委の矮小さ、特に岸輝夫委員長や市川家國特任教授らのそれは情けなく、まるで対照的です。

上記の理研CDBの研究者たちは、

か  「科学の問題は科学で探究する」
   「常識や既成概念にはとらわれず、事象を探究する」

 といった科学の世界の原点に戻るべきとの警鐘を鳴らしているように感じます。
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