理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

小保方氏への費用返還請求の件と、小保方氏の今の状況の想像

 読者の方に教えていただきましたが、小保方氏への費用返還請求は、ネイチャー論文投稿費用に留まる方針である由。
 以下、毎日新聞の記事です。

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<STAP論文>小保方氏に費用返還請求へ 理研、近く決定
毎日新聞 317()208分配信
 
 STAP細胞論文問題で、理化学研究所が論文の責任著者の小保方晴子・元研究員(31)に対し、英科学誌ネイチャーへの論文投稿費用などの返還を求める方針を固めたことが、17日分かった。近く理事会で正式決定する。
  STAP細胞論文(昨年7月に撤回)では、理研調査委員会が小保方氏による4件の不正を認定。小保方氏は同12月に退職したが、理研の懲戒委員会は今年2月、「懲戒解雇相当」と判断した。
 理研の規定では、不正が認定された人には、使用した研究費の全部または一部を返還請求すると定める。小保方氏は退職したが、理研在籍中に不正があったため、規定に基づいて返還を求めることが可能と判断した。
 
 小保方氏は2010年夏から当時理研チームリーダーだった若山照彦氏(現・山梨大教授)と共同研究を始め、その後に若山研究室の客員研究員になった。13年3月からは研究ユニットリーダーなどとして理研に在籍した。理研は、小保方氏の不正認定はネイチャー論文の図表4件のみだったため、研究費全額を請求するのではなく、論文投稿費用など一部とする見通しだ。
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 なお、日経新聞では、毎日と同趣旨を報じているほか、以下のように、論文投稿費用を約60万円としています。

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 日本経済新聞社理研に情報公開請求したところ、小保方氏がユニットリーダーだった2013年度分にネイチャーへの論文投稿にかかわる費用計約60万円を計上していたことが明らかになった。
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 結局、「検証実験の費用も含めて請求することを検討」とか、筋の通らないことを述べた広報室長の話とはかけ離れて、まあまあの妥当なところに収まりそうだ、というのが、とりあえずの印象です。
 小保方氏は、最初の2件は不正は認めていませんが、あとの2件は認めていますので、それに絡められれば、「不正な論文を投稿した費用」の返還請求には抗弁しにくいような気がします。最初の2件は認めていなくても、それで抗弁するとは理研も踏んではいないのでしょう。金額も少額でしょうし。
 
 これであれば、間違っても、小保方氏側から訴訟にはならないでしょうから、理研とすれば、一件落着に向けて進めることができます。
 小保方氏も、これで、理研との関係やごたごたが清算できますから、悪くない話ではないかと思われます。

 
小保方氏にとっては、今やるべきことに優先順位があって、多忙なのではないかと想像します。今は、理研とのごたごたにかかづらわっている暇はないことでしょう。


 第一は、特許出願継続に要する作業です。
小保方氏が直接、特許出願手続きの扱いを協議するのではなく、それは理研ハーバード大病院との間の交渉になります。しかし、バカンティ教授らとすると、直接の出願者であるハーバード大に対しては出願継続を求めていることでしょうから(あるいは自分への名義変更)、どういう請求項にするかを、できる限り早期に確定させなければなりません。そのためには、小保方氏の力を借りて、実験による裏付けを取る必要があるでしょうから、今どこかで、大車輪で取り組んでいるのではないかと想像されます。
 日本では審査請求はしていないので、審査は始まりませんが、米国では、国内移行とともに審査が始まりますので、いつ審査に入ってもいいように、裏付けのある請求項の確定に向けて大至急作業しなければならない状況でしょう。
その実験作業は、理研不正調査委の結論であるES細胞混入説に対する反駁にもつながります。再現実験が不調に終わったため、それを成功させないことには、「STAP細胞はある」との主張を裏付けることができませんので、小保方氏としても、汚名挽回に向けて急ぎ取り組んでいることでしょう。
 
第二は、早稲田大の博士論文の修正と、指導、講習の受講があります。
これは、まだ時間がありますが、上記の作業に目途をつけないことには、取り組めません。博士号の維持のためには必須ですので、ともかく早くこなしてしまいたい気持ちは強いと思います。
 
小保方氏がどこで実験に取り組んでいるのかはわかりませんが、バカンティ教授らが用意した場所があるのではないかと思います。バカンティ氏が組むであろうベンチャーファンド等との連携もあるかもしれません。そういう静謐な環境で取り組み、再現成功してほしいところです。
ただ、万能性を確かめるための卵子へのSTAP細胞塊の挿入は、若山氏の説明では、同氏だからこそできた難易度が極めて高い作業のようですから、その作業を誰が担うのかは、悩ましいところではないかと思います。
 
そう遠くない時期に、桂調査委報告書と検証・再現実験結果の詳細データの公表があるでしょうから、それによってまた議論が生じることと思います。丹羽氏が実験の中で行ったと述べていた「FI培地では、ESでは4~5代の継体後壊れてなくなってしまう」といった話もデータで以て裏付けて公表されると、それをどう解釈すべきかという議論が、海外で起きてくる可能性もあるのでは?と期待したいところです。日本国内では、期待ゼロでしょうから。胎盤の画像の観察のところは、どういう内容になるのでしょうか?


1年後には、今とはまたかなり違った光景が眼前に現れているかもしれません。