理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

STAP幹細胞を初めて作った経過からして、ES細胞ではあり得ないのではないか?

 「STAP細胞の正体は、ES細胞だった!」というのが、桂調査委の「ほぼ間違いない」とされた結論であり、若山氏も認めているわけですが、STAP幹細胞を作った時の若山氏の説明を読むと、初めからES細胞だったら、「ES細胞に似た万能細胞に変化した」という観察はおかしくないか? との疑問が湧いてきます。
 以下、須田記者の『捏造の科学者』に書かれている、若山氏へのインタビュー内容です。
 
「 簡単にできた幹細胞
 
キメラマウスの作製後、若山氏は、STAP細胞の「幹細胞化」にも取り組んだ。STAP細胞には万能性はあるが、ES細胞やiPS細胞のようにほぼ無限に増える自己増殖能がない。
若山氏によれば、万能性と増殖能を併せ持つ幹細胞は、小保方氏が若山研に来た当初から作りたいといっていたものだったという。
「小保方さんが作っていて、いつまでもできなくて苦しんでいたので、僕がキメラ実験をやるときに残った細胞で作ったら簡単にできた。初めてキメラが生まれたときの細胞でできたんです」と若山氏は語る。使ったのは、ES細胞に適した培地で、これにSTAP細胞を移して培養すると、ES細胞によく似た万能細胞(STAP幹細胞)に変化したのだった。この細胞を使ったキメラマウスも生まれ、ES細胞と同等の万能性を持つことが確かめられた。」P107
 
 増殖能がないSTAP細胞を、培地で培養したら増殖能がある幹細胞に変化した、ということなのですから、初めから増殖能があるES細胞であったら、培地に移す前にすぐ分かるのではないのでしょうか? そもそも大きさが違うことからしても、わかると思います。
 このような自分が語ったことを、突発性健忘症の如くに棚上げしてしまって、「やっぱりES細胞だったか」と若山氏が述べることには、非常に違和感を覚えます。
 
 若山氏は逸材であり、日本の宝的存在の研究者の一人ですから、これからも立派な研究業績をあげていってほしいと思いますが、しかし、今回のSTAP細胞問題の経過をみると、上記のような違和感を多々感じることは否めないところです。
 
 須田記者の著書を読むと、若山氏の焦りがビビッドに語られていて、興味深いところです。若山氏の立場になって想像してみれば、よくわかります。この点は、別途述べます。