理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

STAP細胞の特許出願の補正が、その後も引き続きなされていることについて

読者の方にご教示いただきましたが、STAP細胞の特許申請に関して、201518日付けで新たなクレームの補正がファイルされているとのことです。また、国内移行の請求をしたのは、米国、豪州等のようです。
 以前から、STAP細胞の特許申請をフォローされている栗原潔弁理士によるブログ記事に書かれています。
 
 一時、請求項(クレーム)が、70数個あったのを、最も大きい包括的な請求項1個に絞りましたが、その1月8日付の補正で、具体的な請求項が記載された由。
 
 栗原氏は、


「米国国内移行時には「細胞にストレスを与えて多能性細胞を作る方法」というめちゃくちゃ広いクレームを(とりあえずの仮クレームとして)ひとつだけ残していたのですが、今回は、真っ当に見えるクレーム構成に戻しています。米国での権利取得を目指しているということなのでしょうか?STAP論文と特許明細書は一応別物であるとは言え、共通の記載や図版も多いのに大丈夫なんでしょうか?」


 と書かれています。
 
 どういう具体的な刺激等についての請求項なのか、専門の方に分析、解説していただけるといいのですが・・・。上記の栗原氏の記事をみると、2つの新しい請求項が、おぼろながら読みとれるかもしれません。


 米国での国内審査に向けて、具体的な請求項を補正追加した内容は、ハーバードと小保方氏とで相談した結果なのかよくわかりませんが、いずれにしても、12月26日の「ES細胞だった」との発表後の動きですので、その補正の背景事情には興味が大いにあるところです。
 
 よくわからないのが、ハーバード大(ブリガムウィメンズ病院)側の動きです。理研の不正調査委の報告書が発表されたのを受けてなのか、あるいは並行してなのかもしれませんが、彼らの不正調査的な動きで表に出てこないのは不思議です。
 
 日本での審査請求は、全く急ぐ必要はありませんので、米国での審査状況をみながら、その目途をつけてから手続きしてもいいのではないかと思います。
 ただ、肝心の出願主体の変更がどうなるのか? 理研自身は女子医大と同様に放棄するとして、残るハーバード大はどうするのか? バカンティ研究室に名義変更がなされるのか? 小保方氏はどういう位置づけになるのか? 引き続き要注目です。
 
話は飛びますが、毎日新聞の須田桃子記者が書いた『捏造の科学者―STAP細胞事件』を入手しましたが、斜め読み(・・・パラパラ程度ですが)した限りでは、基本的には報道以上に深めたものはないような印象ですが、どうなんでしょうか・・・?
笹井氏のメール内容が紹介されているのは貴重で、たとえばp132-136、p314~のメールの内容を読む限りでは、STAP細胞の存在にそれなりの確信を持っていることが伝わってきます。
また、あれだけ若山氏にインタビューをしておいて、2月時点での若山氏がインタビューで各メディアで語った、自身によるSTAP作製成功時の経過、内容や、小保方氏から受け取った細胞を注入した時の状況について、取材していない模様であることは、理解できません。


新聞記者がよくやる悪弊はしばしば出ていて、匿名の研究者の発言を引用して、そのまま見出しにしてしまうのを繰り返しています。「小保方氏は何でもやる人だ」「たまたま腐りかけた橋を渡ってしまっただけだ」など、印象論的発言を増幅して独り歩きさせようとするところは、改革委の委員長が公式会見時に、知人の研究者から電話もらって「世界三大不正のひとつだ」と言われたなどと紹介したことと同じパターンのマスコミの悪癖です。
科学ジャーナリズムであれば、もっと追求すべき論点は多々あったはずなのに、残念なことです。ただ、まだななめ読みなので、もう少し読んでみたいと思います。
 
昨年12月26日の不正調査委の発表以降は、世間の関心も薄れて、一方では「なぜES細胞だったことがわからなかったのか?」的議論が、他方では陰謀論的議論がある程度で、科学的な論点についての議論は、どこからも出てこないようです。しかし、まだまだミステリーが多いですし、特許出願の補正もなされて進行中のようですから、STAP細胞の有無についての決着は、潜在的にはまだまだついていないと思います。
 
なお、小保方氏を詐欺で告発するとかの話が新聞でときどき出ていました。まさかそういう馬鹿なことはやらないと思いますが、一部の弁護士連中がろくにわからないままに告発等をするのであれば、断固として争うべきでしょう。その過程の弁論で科学的論議に発展するのであれば、それはそれで意義のあることかもしれません。


引き続き、論点についての諸々を書いていきたいと思っています。
今までは、「STAP細胞があるというならば、それを主張する方が論証するのが筋だ」ということで、否定派の議論の矛盾等は詰められることはありませんでしたが、12月26日の調査委報告書では、「ES細胞の混入である」と断じたわけですので、今度はその根拠についての矛盾等について、ES細胞の混入だと断じた方が説明をするのが筋合いだということになってきます。
真実を追求するというスタンスを標榜しながら、ES細胞混入を否定する材料を示す丹羽氏の発言、笹井氏の指摘をそもそも見も聴きもしなかった上に、整合性も考えないというのは、科学とは思えません。

私の記述の中には勘違いもあるかもしれませんが、大筋のところでの論点整理になればと思っています。コメント欄でいただいている諸々のご指摘も、論点整理に資する貴重なものだと感じます。