理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

小保方氏らは特許出願のステータスは維持し、起死回生にむけて取組みを


 小保方氏が、調査委の研究不正2件の認定に対して、異議を申し立てなかったため、その不正が確定した旨、報じられています。

 マスコミによって、「(2件の)不正が確定」と報じるところもあれば、「(ES細胞だったと認定した)報告書が確定」と書くところもありますが、後者の流し方は、明らかにミスリードです。あえて後者のような報道をして、あたかも、「小保方氏が、ES細胞だったことを認めた」かのような印象付けをしたいのかもしれませんが、もちろんそうではありません。

 小保方氏に異議申し立ての有無を照会するのは、あくまで、「不正認定の2件」についてであって、それ以外の「ES細胞混入」だったという部分は、小保方氏が混入させたと認定したわけではありませんから、調査委側が小保方氏に異議申立ての有無を照会する筋合でもありませんし、小保方氏も異議を唱える筋合いでもありません。
 再現実験が不調に終わり、データを操作した、裏付けのとれない時間帯の記録だったということであれば、形の上では「捏造」「改竄」になるのでしょうから、仕方がないのかもしれませんが、しかし、それがSTAP細胞の有無と直接関わるわけではないでしょう。

 ES細胞では説明が付かない事象や材料を全く検討さえもせず、直近の丹羽氏のES死滅実験結果も無視し、肝心のホルマリン漬けマウスの胎盤の確認もろくにせず、若山氏の実験当時の証言との整合性の検討もせず、STAP細胞を作製したマウス自体の系統のコンタミの可能性もアプリオリに排除し、ES細胞による追試を通じた比較対象もせずに、ES細胞と断定するなど、科学ではあり得ないと思うのですが、その当否を争うのは、科学界での科学的議論でしょうから、そのうち冷静な議論が出てくることを期待したいものです。

 だいたい、2011年秋以降、特に2012年の1-2月にはSTAP細胞が「たくさんできた」という中で、その「たくさん」=何十?ものSTAP細胞を作るたびに、いちいちシャーレでES細胞を都合よく、培養速度を調整して混ぜられるのか? あのでかいES細胞を若山氏がわからないはずがないのではないのか?とか(若山氏は、「外見も,増えるところもES細胞によく似ている。」とは言っていますが、浮遊培養が出来れば、という前提??)、常識的な想像に耐えられないのではないかと感じます。

 遠藤氏が、12月19日、26日の会見以後にブログ等で述べていることは、実質的に調査委の結論の否定だと感じます。
 ES細胞ではシャーレに付着してしまいすぐわかるとか、ES細胞の培養速度等の調整が難しいとか、TS細胞を混ぜることが小保方氏の”レシピ”の正体だとか、調査委の認定とは相容れません。そして、小保方氏はでたらめだとする一方で、ES細胞にTS細胞を混ぜて偽造する工作については超緻密なマジシャン的小保方像を想定しているようで、そんな小保方像の使い分けには無理が多すぎます。

 若山氏が日経サイエンス6月号で語っていること等も再度読み返していますが、合点がいかないことが少なくありません。

 あらゆる材料、事実を整合的に説明できる科学的合理性を追求することが「科学」だと思うのですが、そうではないわけですので、そういう説明できない材料を整理しておいて、いずれ近い将来に再検討の機会が到来するのを待つということでしょうか・・・。

● バカンティ氏や小保方氏としては、特許出願を今の時点で放棄する選択肢はないと思います。放棄するのは後でいいのであって、今の時点では、さまざまな細胞、さまざまな刺激による実験を繰り返して、特許の成立に向けて鋭意取り組むということだと思います(ただ、若山氏的存在がいないと難しい面はあるのでしょうが・・・・)。

 コメント欄でも書きましたが、職務発明の特許を受ける権利は、元々発明者に帰属しますから、規程等によってそれの譲渡をうけて理研が出願したのであれば、理研としてその地位を放棄する以上、発明者である小保方氏に返すのが筋だと思います。その辺の理研の規約、契約がどうなっているのかよくわかりませんが、どちらにしても、バカンティ教授や小保方氏らが今の時点で放棄する理由は全くありません。
 起死回生、名誉回復の機会を確保するためにも、特許出願のステータスは是非維持すべきだと思います。

● なお、毎日新聞 須田桃子記者が、1月7日、文藝春秋から本を出したようです。毎日新聞社からではなく、文藝春秋からとは珍しいパターンです。


 笹井氏とのメールのやり取りも多数紹介されているようですので、是非入手して読んでみたいと思います。
 笹井氏にそれだけ取材しているのであれば、笹井氏がES細胞では説明ができないとしていた諸材料と、断定されたES細胞混入説との関係を解説してくれているのではないか・・と期待しているのですが・・・。