理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

【参考】STAP細胞再現・検証実験結果についての解説記事―ES細胞混入説、死細胞の発光誤認説をやはり否定


 小保方氏の再現実験、丹羽チームによる検証実験の結果についての解説的コメントとしては、次の2サイトがありました。


  「STAP現象の検証結果を読んで」
  
  これは、コメント欄(↓)でJISAIさんからご紹介のあった記事です。

  以下、引用します。

article 論文の)BではFACSと言う装置で細胞を緑色蛍光陽性細胞集団 Oct4-GFP+(p3)Oct4-GFP-dim(p4) とに分類して表示しています。そしてテラトーマを形成するのは Oct4-GFP+(p3)細胞集団のみであって、Oct4-GFP-dim(p4)ではテラトーマを形成しない、と実験結果を示しています(Extended DataFigure 4d )
そして Oct4-GFP+(p3)細胞集団のみを緑色蛍光陽性細胞集団(Oct4-GFP+)と見なすとしています。」
(注)Oct4-GFP+(p3)細胞集団=緑色蛍光細胞出現数が100未満
   Oct4-GFP-dim(p4)=緑色蛍光細胞出現数が100
 
「では何故、図B(article 論文の Extended Data Figure 1b 右端のヒストグラム)に示されているような細胞集団が再現実験で得られなかったのかと言うことですが、それは小保方さんが再現実験に際して、制約(行動や期間)を課されたこともあり、又不当なバッシングや笹井さんが自殺に追い込まれると言うような事態の中で心身の状態も万全とは言えない状態であったこともあって、図B記載のようなSTAP細胞を得た時の条件(或いは本人が意識していない条件等も含めて)を調整設定しきれなかったからであると私は考えています。」




STAP細胞検証実験、若山照彦博士、小保方晴子博士」
 
「主眼であった小保方博士と若山博士の作業分担の継続的再現は今回見られませんでした。丹羽博士の実験によりES細胞を元にしても、胎盤をともなったキメラマウスをつくれるというFI幹細胞は造れないことから、小保方博士にかけられていたES細胞を渡した説は無効だと思います。死細胞の自家蛍光でしかないという疑惑も晴れましたが、キメラ法で多能性は確認できなかったので、少なくとも当初のキメラをつくるような「全能性」があるSTAP現象という仮説が成り立つ可能性は非常に少なくなったと思われ、今後はこのOct3/4陽性細胞が各種体細胞へ分化するかどうかを確認するべきだと思いました。
個人手技がほとんど関係しないSTAP幹細胞作製とFI幹細胞作製でも再現がとれず、優れた手腕を持つ清成博士でもキメラマウスを造れなかったことからも若山博士への疑惑が生じますが、それを晴らすには若山博士がこのOct3/4陽性細胞からキメラマウスを造るか、他の研究員の操作を疑うか、他の原因がありえると説明する以外に無いと思います。」


 真葛原氏も、丹羽氏の実験によって、ES細胞混入疑惑、死細胞の自家蛍光誤認疑惑は晴れたとされています。

 こうやって、いろいろな材料をつないでいくと、そう簡単に割り切れる話ではなくなり、ES細胞や、ES/TS細胞混合でなければ、あの細胞は何だったのか? ということが、改めてクローズアップされてきます。

●上記のお二人の科学者のように、科学的な論点となっている部分に関して、実証データをもとにして解説していただけるのは有難いですが、他方で、STAP否定、小保方氏批判の科学者の皆さんは、
「まずSTAP仮説を提示した小保方氏の方が、それが正しいことを証明してみせることが先決だ」
 というところで凝り固まって(それはそれで建前としては正しいのでしょうが)、他方で、「ES細胞が混入したのだろう。ネイチャー誌もそういう指摘をしていたというじゃないか。」「死んだ細胞の自家蛍光を誤認した初歩的ミスだよ」といった発言に終始して(垂れ流して)、それでは説明できない材料にはまったく触れようとしないというのは、科学的にフェアではないように映ります。
 今回の丹羽氏の実験で、世の中で支配的なES細胞混入説、ES/TS細胞混合説が否定される結果だったわけですから、さすがに分子生物学の科学界として何か一言、二言あってもいいのではないのでしょうか?

●今回は、小保方氏がスキャンダルの主役のように取り上げられてしまいましたが、今後の展開次第では、STAP細胞を捏造扱いし嘲笑した(そして逸材の笹井氏を死に追いやった)日本の科学界が、かつてクローン羊のドリーの再現がなかなかできないために捏造扱いした科学界と同列に位置づけられる日が来るかもしれません。ドリーの時も、「哺乳類の体細胞でクローンができるはずがない」という常識の罠に囚われていました。今回も、「酸に浸すだけで初期化するなど、何百年にもわたる細胞生物学の歴史を愚弄しているという常識論により罵倒されています。

 しかし、若山氏の文藝春秋やCell誌での、実験では極めて微妙な要素が影響する旨のインタビュー記事を読み、今回の丹羽氏の実験により、ES細胞混入が否定されたことを踏まえると、いずれ静謐な研究環境が整った中で取り組めば、STAP細胞は再現される可能性は多分にあるように感じられてきます。