理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

丹羽氏が行った付加実験の結果は、ES細胞混入説、ES/TS細胞混合説を否定するものではないのか?


 昨日、JISAIさんからいただいた古田記者と丹羽氏とのやり取りに関するコメントが気になったので、当該部分を録画から起こしてみました。
 ポイントは、
 
 ①実験でできた細胞塊の細胞の形態は、ESでもTSでもなかった。
 ②FI幹細胞の培養条件下で、ES細胞を培養してみたが、特に形態変化することな
く、4~5回の継代後には全滅した。

 これでは、「ES細胞混入の疑いが濃厚」どころではなくて、JISAIさんのご指摘のように、ES細胞混入説」や「ES/TS細胞混合説」は、否定されるということなのではないでしょうか?
 丹羽氏も、気になってやってみたということだそうです。

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古田FI幹細胞樹立の実験の結果について聞きたいのだが、その時にできた何らかの細胞塊(Oct4GFP発現が確認できないもの)は、FI幹細胞を作るときの条件で培養したときの細胞の形態はどういうものだったか? 丹羽先生は、ES細胞、TS細胞の形態に大変詳しいと思うが、それと比較してどうだったか?
 
丹羽:どう表現したらいいか・・・。ESでもTSでもない細胞だった。しかし、結局最後まで増殖できなかったので、それをFI幹細胞とはいえないので、何か増えたのか正直わからない。
 
  (中略―小保方論文のFig2に関して)
 
古田:もう一つ、FI幹細胞の培養条件下で、ESEB(胚葉体)を培養したときに、どのような形態変化がみられるか、わかるか?
 
丹羽:我々の手で、実はその点は気になったので実験をやったみた。少なくとも、我々が持っているES細胞については、特に形態変化することなく、4~5回の継代後には全滅した。分化誘導していなくなったのか、死んだのかわからないが、ぼろぼろになって消えていった。
 ただ、過去に2例の報告があって、FGFを含む培養液でES細胞が培養できるという報告が確かに存在するが、そのときにはあくまでESとしての性格を維持したまま培養できるということだけで、それ以上の記載はなかった。
 
古田EBについては、この培養条件で培養することはかなり珍しいと思うが、読んだことや聞いたことはあるか?
 
丹羽:ない。
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●笹井氏も、4月の会見の際に、

「STAP細胞は非常に小さな細胞でありまして、リンパ球、幼弱なリンパ球やES細胞などは一般に小さな細胞と考えられますが、そのさらに半分程度の直径の小さな特殊な細胞です。これは電子顕微鏡写真を左にもつけておりますが、ES細胞と比べてもさらに小さな、核も小さく細胞質もほとんどない、特殊な細胞であることがわかります。」

 というように、細胞形態の明らかな差を指摘しています。

●若山氏は、2月のCell誌や文藝春秋誌などの各メディアのインタビューで、自ら、小保方氏に教えてもらって、一からSTAP細胞を作ったと言っているわけですが、その際に、ES細胞を作ったはずもありません。
 実際、Cell誌のインタビューでは、自らが成功(+院生も成功)したときの経過を踏まえて、ES細胞でやった場合との比較の下に、ES細胞混入を明確に否定しています。


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―以前成功したSTAP細胞はmESCsあるいはマウスのiPSコンタミという可能性はありますか
Y:私はSTAP細胞からSTAP幹細胞の作成にも成功していますし考えにくいです。それに129B6GFPマウスからのSTAP幹細胞作成も出来ています。当時ES細胞は持っていませんでした。STAP幹細胞作成時Oct-4強陽性でした。その条件下ではES細胞より簡易に作成できました。さらにmRNA発現の仕方からSTAP幹細胞がES細胞のコンタミでは無いでしょう。

―あなたのラボでも再現性が低いそうですね
Y:ありうる事です。私自身ラボを移った際今まで出来ていたクローンマウスの作成に半年かかりました。自分の持つ技術でさえそうですから人の技術であれば再現が難しいのは納得できるものです以前成功した時は小保方氏の指導の下、全て自分で行いました。同じようにPh.Dの生徒もSTAP幹細胞作成に成功していました。実験をはじめた当初はES細胞やiPS細胞は扱っていませんでした。後になってコントロールとしてES細胞を培養していました。

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 また、実際に実験で、細胞を注入にしたのは、若山氏ですが、あのクリアな映像にある通り、どう見ても、ES細胞とは異なっていますし、メスで切り刻んだわけですから、その切り刻む前の元の細胞がES細胞だったら騙されるはずがありません。

 このように若山氏が明確に、自らのSTAP細胞作製成功の体験の下で、STAP細胞の存在を肯定しているのに、途中から、若山氏もマスコミも、突発性?健忘症にかかったかのように、一切触れなくなってしまったのは、なぜでしょうか?
 
●また、昨日の記事でも紹介したように、竹内薫氏が述べた疑問も、STAP細胞の存在を支持する材料ではないのでしょうか? 少なくとも、ES細胞ではないということは言えるはずです。

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「個人的に99.9%、STAP細胞の正体はES細胞(にTS細胞をまぜたもの)だと納得した。だが、それでも疑問は残る。たとえば、笹井芳樹副センター長らは、目の前で弱酸性溶液に浸された細胞が、時間がたってから光り始めることを確認している(「動画」に記録されている)。多能性があると光る仕掛けなのだから、ES細胞だったら最初から光っているはずだ(ES細胞は最初から多能性を持っている)。光り始めるまで時間がかかったということは、弱酸性の溶液に浸したために多能性を獲得した、と考えるのが理にかなっている。うーん、時間を遅らせるトリックでもあるのか・・・。」
 週刊文春201473日号「サイエンス宅配便」第254回「小保方さん「マウスの闇」」)
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●こういった事実を拾っていくと、やはり、「STAP細胞は存在するのだけれども、今回の再現実験と検証実験では、再現ができなかった」と考えるほうが、自然ではないか?と思うのですが・・・。

 来年の2~3月頃には、不正調査委員会による保存試料等の解析結果が明らかになるでしょうし、今回の再現実験、検証実験の詳細なデータが公開されるでしょうから、それらと照らし合わせて、改めて検討がなされることになると思います。

 保存試料の分析結果が、ES細胞であることを否定するものだったとき、改めて、STAP細胞否定の科学者たちは思い悩むことになるのではないでしょうか。