理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

待たれる再現実験結果―成否いずれにしても科学的論点の解明を

 
 小保方氏による再現実験が、11月末の期限通り終了した旨が報じられていました。
 
 一研究員になったとのニュースや、今回のニュースにしても、アクセスランキングの上位に来ていますから、世間も忘却の彼方へ・・・という状況ではなく、潜在的に依然として関心を寄せているということでしょう。
 
 どういう結果になるのかわかりませんが、どうなるとしても、次の点は必ず明らかにしてほしいところです。
 
 若山氏が2月に、一連のインタビューで述べた、挿入時の観察として、ES細胞とは明らかに異なっていた旨の一連の発言内容との関係
笹井氏や丹羽氏がのべていた「ES細胞とTS細胞とは塊にならない」との事実との関係(=遠藤論文の齟齬)
笹井氏が、STAP現象が最有力仮説として指摘した一連の点との関係
若山氏による6月の発表の間違いに関して、その後判明した事実関係(実際のマウスの使われ方、若山研のマウス管理状況、手交・受領状況、その他の5WH
遺伝子登録の際の5WH
保存資料の分析結果(胎盤発光の切片も含めて)
遠藤論文が言う「ES様」「TS様」細胞の詳細な分析結果、トリソミー発現状況についてのES細胞との差に関する合理的説明
 
 これらは、小保方氏の再現実験の結果発表の際には、もちろん明らかになることはありません。不正調査委員会によって解明がなされるべき筋合いの話ですが、しかし、再現実験結果次第で、上記①~⑦の点の扱いが変わってきます。
もし、再現実験が成功であれば、④~⑦はどうして生じたのか? ということになりますし、失敗したらこれらのすべての点が、どう説明されるのか?が課題となってきます。ミステリーが多すぎます。すべては科学の次元での話ですから、先入観なしに、淡々と事実関係を積み上げて科学的推論によって解明していくということだろうと思います。
捏造、勘違い、混入、混乱等、どれが真実であっても、科学的な教訓はあるはずですから、それもきちんと明らかにされる必要があると思います。とにかく、これまでの一連の喧噪は、科学的でなさ過ぎたと感じます。
 
検証実験の責任者である相澤顧問が、8月末の中間発表の記者会見の最後で強調していたように、これらの再現実験、検証実験の結果は、真相解明のために必須のことだと思います。
相澤顧問が強調していた中で、「今では一般化しているES細胞であっても、最初は再現がなかなか難しかった」「こういう分野では個人の手技に依存する面が少なからずある」という趣旨の発言は、マスコミではまったく報じられませんでしたが、こういう点はもっと広く認識されてもいいのではないでしょうか。何度も書きましたが、若山氏自身、「自分で開発した手法であっても、研究環境が変わるとなかなか再現できなかった」とも述べていましたし、クローン羊ドリーの成果が若山氏によって再現がされるまでに多くの時間を要したことも事実です。しかし科学者たちは、そういうことは(知ってか知らずか)全く口にすることはありませんでした。
 
なお、不正調査委員会の調査のほうがどういう状況なのか、よくわかりませんが、保存資料分析等は行っているのかどうか・・・。来年1月までに全容解明というのは、かなりハードルが高いような気がしますが、4月のときのような決めつけによる杜撰なものにならないように願いたいものです。4月の不正調査委の報告も、再現実験結果次第では、宙に浮いてしまいます。
再現不成功であれば、世間の関心は更に低下するでしょうが、成功すれば、これまでの反動で、どういう展開になるのか想像もつきません。ともかく、結果の発表を待ちたいと思います。