理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

STAP細胞等の遺伝子データ登録の5W1Hを明らかにすることが必要では?―遠藤高帆氏の解析の前提が違っている可能性は?

 
 遠藤高帆氏の論文が公表され、その解析手法の詳細がわかったわけなので、その解析手法の内容確認、意義、応用可能性、更には解析の当否なりについて、もっと澎湃とした議論が出てきてもいいような気がするのですが、どこかでなされているのでしょうか・・・??
 検索しても、遠藤氏の発表の紹介や称賛の声は多数ある一方で、解析手法に関しての具体的議論のようなものでヒットするサイトがあまりないようなのですが、たまたまヒットしたもので、参考になりそうなサイトがありました。真葛原雪さんという方が運営しているものですが、その中に遠藤氏の論文ついての記事がありました。そこに書かれているように、
 
「専門家社会は賛否非常に少なく、ほぼ沈黙となりました。」
 
 ということだとすると、それも妙な気がします。
 それで、そのブログサイトの記事を読んでいて、ちょっと驚いた記述がありました。
 
◎遠藤高帆博士のSTAP細胞解析論文
 
「一連の報道の根拠となった 129STAP細胞論文発表後の2014223日にオンライン上で公開された各細胞のmRNAデータ(採取日、細胞制作者・採取者・解析者未記載)
 
611日の日経サイエンス号外で掲載されていた様に、一連の遺伝子関係の報道で最も影響力があったのは「トリソミー8を持つ個体は出生不可能なため体細胞採取は不可能=STAP細胞の正体はES細胞」説です。しかしSTAP細胞(CD45+の酸浴細胞)mRNAオンラインデータの細胞作成者、サンプル採取日、採取者、解析者、解析場所が未記載で、かつ、一時的に多能性マーカーを発現し直ぐに死んでしまう保存不可能(2014/8/27丹羽博士会見・日経サイエンス6月号若山博士)なSTAP細胞のmRNAデータは2011年~12年のキメラマウスやテラトーマを作製した実験のものとは別に作り直し(制作者は不明)である可能性が高く、mRNA解析の結果で「キメラマウスは作られなかったはず」と言えない可能性がある。もし実験時に一度発現した後に死んだ体細胞を冷凍しただけならば、多能性マーカーは見えないかもしれないし、保存時の状況次第ではなにがしかの変異がある可能性もある。)
 
 ええ~~!というのが、素人ながら、正直な感想なのですが、こういうことだとすると、実験から遺伝子データ登録までのタイムラグどころではなく、そもそも別物の細胞のデータが登録された可能性があるということではないのでしょうか??
 てっきり、実験が行われたすぐそばから、その実験で用いた細胞そのもののサンプルから試薬等で遺伝子データを出し、それをそのまま登録したのだろうとばかり思っていました。だから、素人の疑問点として、登録までどのくらいタイムラグがあるのだろか?とか、時間が経過することによるトリソミーの変化とかないのだろうか、とか考えたわけですが、そうではなくて、実験時から時間が相当経過して、別物の作り直した細胞からデータを取って登録したとなると、諸々の議論の前提が大きく違ってきてしまわないでしょうか?
 
 本来の実験とはまた別に、遺伝子データ登録用に別途細胞を作るということがあるのであれば、遺伝子データを解析したとしても、それが本来の実験での細胞のそれと一致するかどうかの担保はないわけですので、「実験が杜撰」とまでの断定は必ずしもできない、というのが普通の思考の流れだと思うのですが、どうなのでしょうか・・・?
 「遺伝子データ登録作業が杜撰だった」という可能性もあるのだとすれば、今までの議論(「捏造」指摘)の構図が大きく変わってくると思います。「STAP細胞実験」自体の虚構性?を主目的とした遠藤氏のせっかくのデータ解析も、前提が違ってきて、宙に浮いてしまわないでしょうか。
 
 この辺の話がわからないので、遺伝子データ登録制度の具体的内容、ルール等の基礎知識も含めて提供してもらわないと、議論の全体像がよく理解できません。
 
 そして何より、その遺伝子データ登録作業の5WHも、一連のSTAP実験の5WHとともに明らかにする必要があるでしょう。
 
 このブログには、トリソミーの件、TCR再構成の件を含めて、いろいろと興味深い話が書かれています。
 
◎「TCR再構成と証明と研究不正。STAP細胞」という最新記事もあります。
 
 
他の方のブログ記事で、日経サイエンスの記事にある表をみての感想的な物を書いておられるものも目にとまりました。専門家ではない一般人の方のようですが、あの表を見て、違和感を感じるところはやはりあるようです。
 
 やはり、STAP細胞問題は、それぞれの主張を裏付ける材料、根拠に関する科学的論点の抽出と、それついての当否の材料の提示と反駁を通じて論点を煮詰めていくということが、もっと行われる必要があると思いますが、そういう様子がなく、感情的な罵倒に近い発言が場を圧しているのは異様な感があります。
 もちろん、STAP細胞の再現実験、検証実験が成功したならば、否が応でも、そういう科学的議論を迫られることになりますが・・・。

 ともかく、今回の遠藤氏による遺伝子解析の論文発表を契機に、科学的議論が湧き上がってくれることを期待したいものです。「遠藤氏は素晴らしい、偉い!」という総論的賛辞だけでは、遠藤氏も不本意というか、物足りないではないのかな・・・と思いますが、余計なお世話でしょうか。