理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

2 若山教授記者会見を見ての疑問(2)―「小保方氏ES細胞すり替え説」が仮説としてあるなら、反対仮説もあり得る


 こうなると、第二段階以降の部分は、科学的には混沌としてきているように思えますが、若山氏の記者会見での上述の胎盤発光に関する発言や次のような発言をみると、ES細胞説に誘導したいという強い意思を感じます。ただ、次の答えは、陰謀説めいた内容で、科学者が公式会見で口走るのは少々軽率な印象・・・というか、かなり焦っている印象がします。
 
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 ―マウスの厳密な管理はできていたのか。
 「制度上、外からネズミを入れることは絶対できないが、(例えば)ポケットに入れてきたのを見つけることはできない」

 

 ―小保方氏側はES細胞の混入は起こりえない状況だったと説明している。
 「自分の研究室の学生が過去にES細胞を小保方氏に渡していたことが分かっている。ES細胞を普段自由に使える環境だったということは間違いない」

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 小保方氏の反論では、ES細胞を譲り受けたのは、小保方氏の研究室が独立した後の話であるとのことですが、若山氏は、それはいつのことだと認識しているのでしょうか? 小保方氏の主張どおりであれば、それは実験後の話になると思うのですが・・・??
 
 ここで、学生の話が出てきました。以前から気になっていたのですが、たしか、若山研究室での第二段階以降の実験は、小保方氏では知見がないので、若山研のスタッフがやっていたかと思います。たしか、5~6名というのをどこかで見た記憶がありますが、定かではありません。しかし、上記の発言をみると、学生がやはりスタッフとして携わっているように思えます。
 若山氏が記者会見で明らかにする必要があるのは、自分が提供したマウス由来ではなかったということもいいですが、「若山研では何が起こっていたのか?」という個別具体的なファクト(事実関係)の説明ではないでしょうか?
小保方氏へのマウスの手交、小保方氏からのSTAP細胞の手交、その後の一連の実験を誰が行ったのか? その裏づけとなる実験ノートと生データ、幹細胞等の保管状況等々・・・これらが明らかになることによって、上記の一連の科学的な矛盾点の謎を明らかにするきっかけが判明するかもしれません。自らの所管であった若山研での実験過程を逐一説明することは、小保方氏をあれだけ批判し、「自分が何をやっていたのかわからなくなった。信じられなくなった」というのであれば、当然の責務だと思います。そして、小保方氏のES細胞すり替え説を会見で示唆した以上は、それは義務とも言えるでしょう。
 
●若山氏のように陰謀説的に疑い始めるのであれば、いろいろな可能性が詮索できることでしょう。研究室事情は全く知らないので、勝手なことをいうかもしれませんが、裁判とかであれば、次のような事実関係を追っていくことになるのではないかと思います。
 
【第一点】
まず、そのマウスはいつ購入されたものでしょうか? 18番染色体にGFP遺伝子を組み込んだのは誰でしょうか? 間違いなく18番染色体に組み込まれたということは、どのように裏付けられるのでしょうか? それを小保方氏に提供したという裏づけはどういう形で得られるのでしょうか? 違うマウスが提供された可能性を全面的に否定できる裏付けはあるのでしょうか?
そもそも、小保方氏には、若山研の誰がマウスを手交したのでしょうか? 生後1週目のマウスだそうですが、手交されて、そのままリンパ抽出等の作業をするのではないのでしょうか? しばらく保管されるのでしょうか? それであれば、そのマウスはどこに誰の責任で保管されていたのでしょうか? それらは記録上はどのようにして確認できるのでしょうか? 管理上、取り違える可能性は皆無なのでしょうか? 
 
【第二点】
 小保方氏からSTAP細胞を受領したのは、若山研の誰でしょうか? その際、小保方氏に提供したマウスと同一の遺伝子構成であることは確認しなかったのでしょうか? その後の幹細胞の培養からキメラマウス生成まで、すべて若山氏側の担当ですので、実験ノートが全部あるはずですから、それを示して、誰がいつ、どういう実験を行って、どういう結果になったのかを明らかにする必要があります。今まで、若山研側の担当実験部分の実験ノートは公開されていませんが、なぜでしょうか? 
また、STAP幹細胞培養過程は、充分に監視されていたのでしょうか?実験ノートとの突合は、若山氏の手で実際になされていたのでしょうか? 
ネイチャー誌への掲載に当たって、同誌から様々な注文が来たかと思いますが、それらに対して、いつ誰がどのように対応したのでしょうか? ネイチャー誌に載っている実験経過やプロトコルは、それらの注文に対応したものを載せているのでしょうか?
 
【第三点】
 STAP細胞とES細胞とでは、大きさ等に大きな差があると笹井氏らは述べています。また、丹羽氏は、ES細胞とTS細胞の混合はありえないと自らの実験を踏まえて述べています。これらの見解に対して、若山氏はどのような見解なのでしょうか。
また、丹羽氏は、若山氏から「小保方氏から渡された細胞集団は極めて均一な細胞集団で、これをマイクロナイフで刻んで注入した」と聞いたとのことです。その際、それがES細胞だったとすれば、すぐに気がつくと思いますが、気がつかなかったのでしょうか? それは極めて均一な細胞集団だったとのことですが、どういった大きさのものだったでしょうか?その注入時の映像、画像等の記録はないのでしょうか?(ありますよね? それがあの見事な画像だったと思いますが、あれはES細胞だったと主張されるということでしょうか?)
 
【第四点】
 手元にあるSTAP幹細胞が、小保方氏の渡したES細胞と特徴が一致したとのことですが、そのES細胞を小保方氏に渡したのは、いつ、誰が、どういう理由で渡したのでしょうか? 管理上、それは然るべき手続きを踏んで行われたのでしょうか? なぜ渡す必要があったのでしょうか?
 小保方氏は、譲与を受けたのは、小保方研として独立した後とのことですが、それであれば、実験後で関係ないかと思いますが、事実関係はどうなのでしょうか?
 
【第五点】
 胎盤組織が光っている点は、一連の実験のなかで、もっともキーとなる根幹的部分ではないかと思いますが、若山氏はなぜ自分の目で確認しようとしなかったのでしょうか? わざわざ、ES細胞由来の胎盤を渡して誤認しないように注意喚起していることを踏まえると奇異な感が強くしますが、なぜでしょうか?
 山梨大に移っているタイミングであるならば、他の複数の若山研スタッフに確認をさせていないのでしょうか?

【第六点】
 若山研の中で、STAP幹細胞等の保管は厳重になされていたのでしょうか?第三者機関に、検体となるSAP幹細胞を、いつ、誰がどうやって渡したのでしょうか?

  
●小保方氏による「ES細胞すり替え」説を主張するのであれば、上記の点をすべて潰していかないといけません。「小保方氏すり替え説」は、それはもちろん仮説としてあり得るでしょうが、それが言えるのであれば、例えば(あくまで例えばであって、作業仮説です)、
 
 「若山研のスタッフが、小保方氏に別の遺伝子構成のマウスを渡したのではない   か?」
 「若山研での幹細胞培養・保管過程で、誰かがES細胞にすり替えて培養・保管し   たのではないか?」
 「小保方氏にES細胞を渡したのは、培養時のすり替えの隠蔽工作の一環ではない  のか?」
 
 という仮説も成り立つでしょう。
STAP細胞の第一段階の作製過程は、笹井氏も丹羽氏も実際に克明に観察していて、ES細胞との顕著な差も認識されているわけですし、若山氏が受け取って注入した際の細胞は、極めて均質な細胞集団だったということであり、ES細胞であれば気がつくでしょうから、受取時にES細胞だった可能性は排除されないでしょうか? そうなると若山氏が会見で明らかにした疑問点を説明する仮説としては、上記のような「若山研側で何かが起こった」とする仮説のほうが、物事を説明できる整合性は上のように思われますが、どうなのでしょうか? こういう科学の世界に善玉悪玉的視点を持ち込んでいるように見えるマスコミや科学者たちは危ういと感じます。
 
こういう陰謀説をお互いぶつけ合っていても生産的ではありませんが、若山氏側がそういうことを言い出すのであれば、小保方氏側もより率直に疑問をぶつけてくる可能性はあると思います。「STAP幹細胞の培養過程で何が起こったのかわからない」というこれまでの言及は、精一杯の疑問提起といえるでしょう。若山氏側の担当となる実験部分について、これまで一連の過程について実験ノート等で明らかにしていないわけですから、そういう疑問は続くでしょう。


そういう陰謀説的な議論はあまり建設的ではありませんから、まずは小保方氏参加による再現実験を急ぎ、その過程の記録、作業手順プロトコルの確立を急ぐことが最優先です。

 そして、これまでに明らかになった事実関係について、科学的な整合性の検討を科学界にはしてもらいたいものです。