理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

改めて、STAP細胞の混在性を述べた丹羽氏の解説を読み返しての素朴な感想


 1年半前近くの記事で、須田桃子氏の『捏造の科学者』の中で、丹羽氏がSTAP細胞塊の混在性について語っている部分を抜粋して紹介したことがありました。

 【補足】STAP細胞塊の混在性についての丹羽氏の説明

 その説明は、直接は、TCR再構成がSTAP幹細胞で見られないことに関する解説なのですが、改めて読み返してみると、門外漢として素朴な感想が浮かんできます。
  丹羽氏の説明は、次のようなものでした。

「論文では生後一週間のマウスの脾臓から、まず「CD45」というたんぱく質を指標にリンパ球を集める。そのうち十〜二十%がT細胞で、T細胞の中でも遺伝子に痕跡を持つのは十〜二十%。つまり集めたリンパ球のうち、TCR再構成を持つ細胞は一〜四%しかない。
集めたリンパ球の集団からSTAP細胞ができる過程を考える。CD45を指標に集めた細胞のおおよそ半分がB細胞、二十%がT細胞、二十%が病原体や死細胞を食べるマクロファージで、それ以外の細胞も若干含まれる。全体の約七十%が酸処理で死に、生き残った三十%の細胞の約半分が初期化されてOCt4が働き出すというのが論文の主張だ。
注意してほしいのは、STAP細胞の塊は、さまざまな種類の細胞の集団からできており、各種の細胞が混在した性質を残しているということだ。この中には遺伝子に痕跡を持つT細胞がいてもほんの一部に過ぎない。
さらに、STAP細胞の塊を十〜二十個の細胞の小さな塊に切り分けて受精卵に注入し、キメラマウスを作る。ES細胞での実験の経験から考えると、十〜二十個のSTAP細胞のうち、キメラマウスの体になっていく細胞はおそらく数個程度だ。その数個の中で、遺伝子に痕跡を持つT細胞があるかどうかはかなり確率論的な問題になることは我々も理解していた。
同じことがSTAP幹細胞の樹立過程でも言える。TCR再構成がSTAP幹細胞の段階でどこまで残るかというのは、現在いろいろと問題として指摘されている。三月六日に発表したSTAP細胞作製のプロトコル(実験手技解説)の中で示したように、STAP幹細胞八株にはTCR再構成がなかった。
このような観点から考えると、論文の手法に沿ってリンパ球から初期化がどのように起こるかを検討するのは重要な課題だが、それだけをもってSTAP現象が存在するか否かを厳密に検討することは極めて困難だ。」(p159-160 


本当に素人としての素朴な感想なのですが、

STAP細胞塊が各種細胞の集団であり、各種細胞の性質が混在していて、TCR再構成を持つ細胞が1~4%しかなく、更にそれがSTAP幹細胞になる中で、TCR再構成が残るのは確率論的問題だということであれば、TCR再構成の有無を以て(しかも、STAP「幹」細胞についての)、STAP細胞研究が決定的欠陥であるかのように生物学者たちが述べ立てたあの騒ぎは何だったのだろうか?ということ。

②そのように、様々な細胞の集団であるのであれば、その時々で、細胞の構成や性質も違ってくる(幅がある)と思われるが、それを、(FI幹細胞の解析を通じて)ES細胞とTS細胞を9:1で混ぜたものだ、と断定的に言えるものだろうか、ということ。

③「ES細胞での実験の経験から考えると、十〜二十個のSTAP細胞のうち、キメラマウスの体になっていく細胞はおそらく数個程度だ。」ということは、万能遺伝子の活性が相対的に強いはずのES細胞でもそう簡単にはキメラマウスにならないということか? それなら、活性が相対的に弱い脾臓からのSTAP細胞では、なおのことキメラマウスを作るのは簡単ではないのではないのか?

④更に、培養の世界では、微妙な実験環境の差で再現性が大きく変わってくるということも併せ考えると、さまざまな制約下にあった検証実験で、キメラマウスの再現ができなかったことを以て、STAP細胞はなかったと断じることは、妥当なのか?

 ・・・といったことです。素人のたわごとなのかもしれませんが、もやもやは晴れません。