理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

VCell Therapeutics社は、大学発ベンチャー企業的な可能性はないか?


 ふと思ったのですが、  VCell Therapeutics社 というのは、大学発ベンチャー企業として設立されたものではないのだろうか? ということでした。もちろん、違うかもしれません。

 日本でもさかんに、大学発ペンチャー育成だ、大学ベンチャーキャピタルだ、TLO(大学技術移転機関)だ、といったことが叫ばれて、実際、優れた成功事例も生まれつつあるようです。

 そういう政策がとられるようになったのは、米国では盛んに行われているのに、日本の大学ではアカデミズムの世界に閉じこもってしまっていて、その研究成果が社会に活かされる機会が少ないというような問題意識だったのではないかと思います。
 「大学発ベンチャー企業」で検索して、ヒットしたサイトをみると、

 米国では、大学発のベンチャー企業としては、バイオ分野が多かったとあり、事例が載っています。

 他にもいろいろとサイトがありますが、


 これらを読みながら考えてみると・・・大学発ベンチャーにもいろいろなパターンがあり得て、たとえば、大学が特許権保有して、その発明をした大学の研究者がベンチャー企業を起こし、そこに特許権の専用実施権を付与するというパターンなどがよくある例かと思います。東北大のMuse細胞はそのパターンで秋田のベンチャーに権利を与えています(経営者は東北大の研究者ではありませんが)。

 他には、大学ベンチャーキャピタルが出資したベンチャー企業に実施権を与えたり、特許権そのものを譲渡することも合わせ技であるのでは、と想像します。
TLO(大学技術移転機関)は、大学発の技術を民間企業に売り込む機関ですから、その売り込み方、活用の仕方にもいろいろあることでしょう。

 大学への還元のさせ方ですが、
 特許権(特許を受ける権利を含む)の専用実施権なり通常実施権なりを与えることによって、その使用料を得るという還元パターンもあるでしょうし、大学のベンチャーキャピタルが出資して、特許権等も付与し、収益の配当を得たり、株式の売却益を得るという還元パターンもあるかと思います。

 話を戻して、今回のハーバード大B&W病院の VCellTherapeutics, Inc への権利譲渡ですが、VCellTherapeutics, Incという社の名前が検索しても全く出てきませんでしたから、ハーバード大ベンチャーキャピタル的な組織の出資を受けて新たに設立されたものということはないだろうか? とも思った次第です。
 代表のJ. Kelly Ganjei 氏も再生医療ベンチャーキャピタルのCEOですから、そちらからの出資もあるのでしょうが、ハーバード側も出資しているのであれば、ものになった場合には、ハーバード側も継続的な利益還元を受けることができるようになります。民間のキャピタルの出資を受けることにより、リスク軽減もできますし、当面の出願、維持費用の負担もそちらで賄うことができるでしょう。
 カナダだけでなく、豪州でも維持料を5月に支払っていましたし、全世界で出願を維持していくためには、毎年のコスト負担がありますので、その総額は馬鹿にならないでしょう。

 そうやって想像をめぐらせてみると、今回の権利譲渡は、ハーバード大B&W病院としてSTAP細胞に見切りをつけたのだ、という見方ももちろんできるのでしょうが、別の見方として、STAP細胞の実用化に向けてのリスクと負担の軽減、回避を目的として、ベンチャーキャピタルに出資させた大学発ベンチャー的な企業を中核とした、産学連携事業への発展形の可能性もあるかもしれない、とも感じられます。
 米国の大学発ベンチャーではバイオベンチャーが多いと聞くと、なおそういう気がしてきます。

 我田引水的想像かもしれませんが、荒唐無稽な想像でもないと思っています。


※ VCellTherapeutics社のJ. Kelly Ganjei 氏は、ツイッターをやっているようですから、どなたか、取材してみていただけると、様子がわかるかもしれません。