STAP細胞研究が、米国防総省DARPAのプロジェクトに係わる(係わっている)可能性・・・
『選択』という月刊誌がありますが、その本年1月号の中に書評欄があります。
わずか1ページですが、その中で、注意を惹き付けた一文がありました。
今月号の書評では、
“The Pentagon’s Brain
著者は、Annie Jacobsenという、米国の防衛問題専門ジャーナリストです。
DARPAは、軍事面への応用可能性のある科学技術を、基礎研究段階から発掘して、軍事面のみならず、民生用でも広く使われるような技術を発展させてきたことで知られています。インターネットなどはその典型ですし、最近では、ドローンなどもその先行研究の成果だそうです。
そして、上記の書評では、最近の動きとして、イラク戦争の負傷者のことが紹介されています。
「イラク戦争では、IED(即席爆発装置)対策に追われた。兵士の多くが四肢を失い、脳を毀損し、精神的外傷を受けた。米国は、イラクとアフガニスタンに述べ250万人の人員を送ったが、そのうち30万人が脳に何らかの障碍を蒙った。」
目を惹いたのは、それに続く次の一文です。
そして、四肢の再生ということであれば、筋肉由来のiMuSCs細胞も、不完全な多能性であっても、多大な関心を惹き付けるものでしょう。
これで話がつながったような気がします。
ハーバード大は、その後も全くサイレント状態ですし、特許出願も淡々と進めています。
また、バカンティ教授らも消息不明で、昨年9月にB&W病院に休職から復帰する予定だったはずが、動向が聞こえてきません。
DARPAがそういう問題意識で研究プロジェクトを進めているのであれば、それに最も近いところにいるのが、バカンティ研究室であり、小保方氏であることは間違いありません。
バカンティ教授が、休職に入る際の意味深な言葉も、符号するような気もしてきます(深読みしすぎかもしれませんが・・・笑)。
「私の将来の目標を達成し、試みの方向性を変え、最も楽しい事をする時間のために1年間の休暇を取るつもりだ」
「I plan to take a one-year sabbatical to contemplate my future goals,redirect my efforts and spend time doing some of the things that I enjoy most.」
ウィキペディアによると、DARPAの予算は、「国防総省の科学技術開発費の25%と決められており、2007年度予算は32億ドル」と多額ですし、軍事とは迂遠に思えるような基礎段階から取り上げることもしばしばですから、試行錯誤は当たり前の世界です。
「一見すると、トンデモに見えるような研究内容が多数ある」そうですし、「軍や議会からの批判や抵抗は受けない」由。研究に圧倒的な自由度があります。
日本とは違い、米国では一般の大学や研究機関も、軍事関連研究には何の抵抗もなく、DARPAからの資金を受け入れますし、DARPAのコンテストで入賞すれば、それは品質、性能等において高度な信頼性のお墨付きを得たということで多大なアドバンテージを得ることになります。
このように見てくると、STAP細胞研究は、米国では、日本におけるのとは全く別次元の世界で位置づけられているような気がしてきます。それは、国家レベルの研究対象に値するものだということです。DARPAのこれまでの研究成果や科学技術への貢献を考えれば、そして何より、研究テーマの軍事的な必要性の切実さを考えれば、STAP細胞の研究にも少なからぬ資源が投じられて、やがて実用化に至る可能性は十分に考えられます。
DARPAのプロジェクトの問題意識からすれば、ES細胞やiPS細胞も対象にはなるのかもしれませんが、それらについては、特許も含めて既に構図が出来上がっている世界のものですから、国防総省が自由にはできません。
研究不正云々という議論も大事かもしれませんが、米国では、それとは全く異なる次元の視点、問題意識でSTAP細胞研究が捉えられている可能性が多分にあるということを、念頭においておくこともまた、必要だと思います。
日本の分子生物学の学界は、それを多少なりとも解明(しようと)しているのでしょうか? STAP細胞研究や小保方氏についての人格的罵倒も含めた徹底的否定や、マスコミ等を通じたdisinformationに注ぐ精力を、少しでもそのような自然の謎の解明に費やし、参考になるような情報を国民一般に提供して、自然界の神秘について感嘆させてほしいと願っています。