理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

訴えを通すために練り上げられた小保方氏弁護団の申立て内容―外形的・客観的に判断しやすい項目が中心


  前回記事に関連しての補足です。


  前回の以下の記事は、NHKの反論などを想定しながら書いたものです。


○「NHKスペシャルの制作陣が犯した大きな過ち―誰であっても人権侵害と見做しうるメールの公開とナレーション」


 これは、私自身が考えた
○「NHKスペシャルの放送倫理上の具体的問題点」(1)~(5
   http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/16763674.html 1回。以降計5回)

として挙げた点に対応してのものでした。


 これらは、小保方氏の弁護団BPOに申し立てた内容とかなり共通してはいます。ただ、以下のように、私の挙げた各論点を並べてみると、かなり科学的論点に立ち入ったものが少なくありません(以下で●をつけた項目)。中には、桂調査委員会の報告書内容への批判も含まれています。また、分子生物学会のメンバーへの批判も含まれています。


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○【NHKスペシャルの取材は、みなし公務員としての理研職員の、公益通報としての正当化もできない公益性が認められない秘密漏洩行為と著作権侵害行為の上に立ってなされたものであること】


○【小保方氏と笹井氏のメールの公開と読み上げとは、明白な人権侵害であること】


●【番組を構成した諸材料が、STAP細胞捏造(ES細胞混入)との不正を強く印象づけるものであること】


●【ES細胞混入では説明できない点について取材・言及が皆無であること】


●【若山氏に確認すべき点を、何ら確認も言及もしていないこと】


●【STAP幹細胞にTCR再構成がないことについての偏った報じ方】


●【ES細胞混入説とは両立しない死細胞の自家蛍光と指摘について】


●【若山氏及び小保方氏の実験ノートの取り上げ方について】


●【ネイチャー誌インタビューの不自然さ】


○【研究不正解明に関する文科省ガイドライン等を知らないまま再現実験等の凍結を求めていた分子生物学会の研究者の意見を一方的に流していることについて】


●【小保方氏=悪、若山氏=善という善玉悪玉論で科学を語る危うさ】


●【STAP細胞作成の難しさについて、なぜ取材・言及しないのか?】
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 しかし、放送人権委員会で、訴えを通すということを考えた場合、科学的論点に立ち入ったり、桂調査委員会報告書や分子生物学会の研究者に対する批判を含んだ主張について理解してもらうことは、前回記事で書いたように、ハードルが高いということは否めないところです。理研自身や日本学術会議も追認しているわけですし、社会がそれで納得してしまっていますから、それをオーバーライドするような審議を期待することは、この人権委員会の場では困難だろうということも客観的な状況かと思います。


 そういう問題意識に立って、小保方氏の弁護団による申立書の要旨を読んでみると、改めて、よく練り上げられた内容だということを痛感します。専門家でもない人間が、プロの法律家が書いた内容にそういうことを申し上げるのは、大変僭越かつ不遜ではありますが、そう感じます。
 


  BPO申立書要旨で指摘されている項目は、次のようになっています。
 
(1)番組全体構成の問題
(2)偏向的なイメージ構成の問題 
(3)根拠なき「窃盗犯」構成
(4)直前に根拠をなくした事実による構成
(5)実験ノートに対する問題点~著作権法違反
(6)実験ノートに対する問題点~引用のミスリード
(7)著しいプライバシー侵害
(8)取材過程での傷害行為
(9)番組クレジットがなかった点について
(10)直後の自殺


 これらの訴えの内容は、いずれも、次の点で共通しています。


  ①専門家でなくとも、外形的、客観的に理解、判断がしやすい
  点であること。
 ②桂調査委員会報告書の判断に直接反するものではなく、そこ
  での結論,判断を逆手にとってもいること。


いずれも、科学的論点に立ち入った理解をあまり必要とせず、その論点に関わるところは、「(2)偏向的なイメージ構成の問題」という総論的な主張にとどめ(実際は、もっと詳しく、様々な相反する科学的論点があるにも拘わらず無視しているということは述べているのかもしれませんが)、 「(3)根拠なき「窃盗犯」構成」などは、桂調査委員会の認定事実、結論、判断に照らしてもおかしい、という主張の仕方をしています。


こういった訴えであれば、仮に、「(2)偏向的なイメージ構成の問題」のところで、科学的論点にあまり立ち入らなくても、他の項目は、放送倫理違反、人権侵害として結論が出しやすいものばかりです。桂調査委員会の結論、判断を特に否定する要素もありません。


それに加えて、「(1)番組全体構成の問題」「(2)偏向的なイメージ構成の問題」のところで、「ES細胞では説明できない材料として、笹井氏、丹羽氏、かつての若山氏が、公式の記者会見や複数のプレス取材において指摘していた点について、何ら取り上げないままに番組構成をしていたのは、取材不足でバランスを欠く不公正が取り上げ方であり、放送倫理上問題がある」というところまで、もし認められることになれば、もう大成功です。


これらの点は、桂調査委員会では、「調査対象にしていない」と桂委員長は述べていますから、別に同委員会の報告内容を否定することにはなりませんので、放送人権委員会の委員たちも同意しやすいところでしょう。


あとは、科学、法律の専門家でなくとも、識者としての普通の一般的素養があれば、外形的、客観的に判断できる項目ばかりです。「(3)根拠なき「窃盗犯」構成」などは、説明すれば、時系列的に成り立たないというのは瞬時にわかりますし、NHKが「小保方氏が窃盗犯だとは断定はしていない」と抗弁しても、実際、この番組によって、そういう印象は定着しています。実際、池田信夫氏などはそう断言していますし、石川氏は刑事告発にまで至りました。そのすべての根源は、このNHKスペシャルにあり、視聴者がどう受け取ったかという客観的材料は山ほどあるわけです。
 


・・・といったことを、改めて感じた次第でして、小保方弁護団としては、確実に訴えを通すために、余計な阻害要因になるような要素のある主張は避け、誰もが理解しやすく異議を唱えにくい項目を中心に申し立てたのだろう、と想像しているところです。


佐村河内氏の一件は、審理に1年間を費やしていますが、本件については、こういう訴えの仕方であれば、それほどかからないような気がするのですが、いかがでしょうか・・・?


いずれにしても、できる限り早期に弁護団の申立てが認められ、STAP問題の経過、議論についての見直しの気運が生まれることを期待したいところです。