理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

【補足】STAP細胞塊の混在性についての丹羽氏の説明

【補足】
 丹羽氏の4月の記者会見時の、TCR再構成がSTAP幹細胞に見られないという点に関する発言を、須田記者が著書でまとめていますが、その中で、STAP細胞の塊りの中身について述べている箇所がありますので、載せておきます。当時、あまり気が付きませんでしたが、STAP細胞塊が各種細胞の混在だということについて認識を新たにしました。
  
「論文では生後一週間のマウスの脾臓から、まず「CD45」というたんぱく質を指標にリンパ球を集める。そのうち十〜二十%がT細胞で、T細胞の中でも遺伝子に痕跡を持つのは十〜二十%。つまり集めたリンパ球のうち、TCR再構成を持つ細胞は一〜四%しかない。
集めたリンパ球の集団からSTAP細胞ができる過程を考える。CD45を指標に集めた細胞のおおよそ半分がB細胞、二十%がT細胞、二十%が病原体や死細胞を食べるマクロファージで、それ以外の細胞も若干含まれる。全体の約七十%が酸処理で死に、生き残った三十%の細胞の約半分が初期化されてOCt4が働き出すというのが論文の主張だ。
注意してほしいのは、STAP細胞の塊は、さまざまな種類の細胞の集団からできており、各種の細胞が混在した性質を残しているということだ。この中には遺伝子に痕跡を持つT細胞がいてもほんの一部に過ぎない。
さらに、STAP細胞の塊を十〜二十個の細胞の小さな塊に切り分けて受精卵に注入し、キメラマウスを作る。ES細胞での実験の経験から考えると、十〜二十個のSTAP細胞のうち、キメラマウスの体になっていく細胞はおそらく数個程度だ。その数個の中で、遺伝子に痕跡を持つT細胞があるかどうかはかなり確率論的な問題になることは我々も理解していた。
同じことがSTAP幹細胞の樹立過程でも言える。TCR再構成がSTAP幹細胞の段階でどこまで残るかというのは、現在いろいろと問題として指摘されている。三月六日に発表したSTAP細胞作製のプロトコル(実験手技解説)の中で示したように、STAP幹細胞八株にはTCR再構成がなかった。
このような観点から考えると、論文の手法に沿ってリンパ球から初期化がどのように起こるかを検討するのは重要な課題だが、それだけをもってSTAP現象が存在するか否かを厳密に検討することは極めて困難だ。」(p159-160