理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

雑感-小保方氏と竹市氏への懲戒処分(相当)に関連して・・・

 ちょっと今回の記事は、憶測になってしまいますが・・・・。

 理研の小保方氏ら懲戒処分(相当)に関する記者会見を見ながら思った点です。
二点ほどありまして、

 最初の点は、懲戒委員会の構成に関連してのことです。
 人事部長の説明によれば、懲戒委員会は「職員5-9名」の範囲で構成することになっているところ、今回は7名だったとのことです。
 「職員」というのは、どういう職員でしょうか? 幹部は入らないのでしょうか?
どうやって選ぶのでしょうか? 

 おそらく、職員(といっても研究者と事務職とが含まれると思いますが)には、小保方氏への反発もあるでしょうし、改革委提言、不正調査委員会報告での不正認定という材料がありますから、あっさりと「懲戒免職相当」で衆議一決したのだろうと思います。
 そこでは、桂不正調査委報告のES細胞断定は、つじつまが合わないことや、検証すべき材料を検証していない等について議論する余地はなかったでしょうし、改革委提言のでたらめさに異を唱える余地もなかったのでしょう。
 懲戒処分に当たっての事実認定は、調査委のそれを踏襲するほか選択肢はなかったのだろうと思います。

 しかし、竹市氏に対する処分理由は変です。
「論文作成過程における多面的検討の機会を確保しなかった」という、改革委提言でいう「秘密主義」の責任を問うて、譴責処分(懲戒処分の一つ)にしているわけですが、それらの秘密扱いをするとの決定は、人事委員会やGD会議での決定によるものであることが、改革委提言では述べられています。

「(採用を事実上内定後)人事委員会は、STAP研究は秘密性が高いと判断し、小保方氏については、通常PIの候補者に対して行っている英語による公開セミナーを省略したが、さらにこれに代わる英語での非公開セミナーも行わなかった。」

「研究の信頼性確保に必要な、研究者間で研究内容を多面的に評価する機会を省略することは、CDBのトップ層、すなわちGD会議が許容したことでもあった。」
 
 それらの総括責任者である竹市センター長(当時)を、右代表で責任を負わせて懲戒処分にしたのかもしれませんが、それらの直接の意思決定したのは、人事委員会でありDB会議であるわけですから、竹市センター長の責任を問うならば、直接の意思決定をした責任者の責任も問われてしかるべきではないでしょうか?(それとも、それらのヘッドがセンター長ということなのでしょうか・・・?)

 もちろん私は、彼らにそんな責任はそもそもなく、彼らの決定は全く正しかったという立場であり、俗耳に入りやすい秘密主義というレッテルを貼って、CDB解体の材料の一つに仕立て上げた改革委にこそ問題があるとの考えですから、責任追及すべきだと言っているわけではありません。
 懲戒処分をする以上には、最低限、人事委員会やGD会議が、当時どういう判断でそういう意思決定をしたのか?という点を把握し、それについて懲戒委員会としてどう評価しているのか、その理由はなにか? ということを明らかにすべきだったのではないのか?というのが問題意識です。
 単に、改革委提言での断罪をそのまま処分理由に使っているだけで、懲戒理由の基礎となる事実関係とそれに対する評価について、ろくに詰めてもいないとすれば、懲戒委員会としては、問題ではないか?と感じた・・・ということです。

 もっとも、それらは元々改革委がすべきことだったのでしょうし、竹市氏は、不服申立てをしませんでしたから、懲戒委員会にあまり言っても仕方のないことかもしれません。改革委提言に多少なりとも異を唱えるようなことは、職員たちでは実質的にはできないでしょうし・・・。

●次に感じたのは、不正調査委の報告や懲戒委員会による決定前に、小保方氏の辞表を受理して自主退職を認めた理由についてです。
 説明では、不正調査委が支障ないと判断したので、とか、本人の心身の状況を考慮して、とかの理由が挙げられていますが、一番の理由は、職員の身分に留めておいて、懲戒処分(不正認定であれば、諭旨免職又は懲戒免職)をした場合に、不服申立てから訴訟になるリスクへの懸念があったのではないだろうか・・・と感じました。退職して身分がなくなってしまえば、一方的に「懲戒免職相当」と告げて終わりにできますから、長引かせたくない理研としては、小保方氏からの退職願いは渡りに船だったのかもしれません。
 じっさい、記者会見での人事部長の説明によれば、竹市氏には職員として不服申立ての手続きを確保していますが、小保方氏には、その会見当日に、メール一本打っただけで済ませ、本人が読んだかどうかもわからないとのことでした。
 理研としては、反撃を食らう何らの懸念もなく、小保方氏の処分ができるわけですので、自主退職してくれて都合がよかった・・・ということなのでしょう、きっと。

 もっとも、小保方氏も、あのまま居残っても、もはや何のメリットもないですから、長居は無用ということで、お互い利害が一致したのかもしれません。
 メール一本で通告し、小保方氏が読んだかどうかも分からないと言っているのを聞いて、ふとそんなことを感じました。

 つまらない憶測はこの辺にして、改めて、桂不正調査委報告やES細胞混入説のおかしさや、毎日新聞須田記者の『STAP細胞の正体』から見えてくる科学的論点の検討がないがしろにされていることについて、述べていきたいと思います。